分身を科学する?(しません)

楓@173時間目



●いつのネタだ?シリーズ3・長瀬楓
裏の目的としては、実写するにしてもこんなに難しいんですよ〜という意味でのバトル四天王考察だったりするわけですが、(別に実写反対論者ではない)さて困ったことに今回は楓先生です。ネタの難易度が高くなっていく……
というか、分身にネタを絞りきれませんでした。バランスが良すぎて単なる楓の考察になっちまいました。(ご勘弁を)



ぶっちゃけた話、なんか無敵か?とか思える楓。刹那は全力でやったとして勝てんの?という疑問が浮かんできます。
一応、クウネル(ナギ)に負けているので攻略は可能だということが証明されていますが、当サイトの結論としては「魂」でダメージ3倍にして「必中」を使う。これです!(スパロボネタ)
楓は分身体の防御が甘い傾向にあり、ダメージ源も分身を利用した多段技。逆に言えば一発のダメージは大きくない可能性が高い。少なくとも今までのところ大ダメージ技は描写されていません。真・雷光剣で攻めれば楓といえども倒せるかも?
「必中」持ってるキャラってスーパーロボット系だし「魂」持ってるキャラ少ないんですよねぇ(しつこい)



続きます。


楓のことを考えた時にまず最初に取り上げるべき部分とは、バカレンジャーとは思えないほどの戦闘考察力*1です。
いいんちょの出番を奪うというA級戦犯をやっていることやらを考えると戦闘時だけ頭が回るというよりは、勉強の時だけ頭が働かないといった表現の方が的確かと思われます。楓の攻略を難しくしているのは分身がどうとかよりもこの考察力が大きい。
 15巻138-139時間目には超の計略に気付いたメンバーとして、カモ・夕映・千雨・楓が描かれました。また龍宮とのバトルも引き分けに持ち込むといった機転を利かせるなど単に戦闘級*2の存在ではないところをアピールしています。



次に分身とその下地になっている瞬動術、及び攻撃スタイルですね。
瞬動術は書くまでもないことですが、静穏性の高い縮地、超長距離の縮地无彊、空中での方向転換に使う虚空瞬動を修めています。高度な瞬動術が分身の完成度を高めているのは間違いないことでしょう。
攻撃スタイルですが、主に突進系のようです。ウィザードリィの忍者であればクリティカルで首を刎ねるイメージが基本にあるわけですが、楓も首こそ刎ねないまでも、すれ違いざまの攻撃を得意とするようです。


ネギま!の戦闘は八極拳の肘や剣での突き技など突進系攻撃をちゃんと押さえている部分があり、楓も偶然なのか、すれ違う形の移動中攻撃を使います。
……ぶっちゃけた話、相手の四方八方に分身体を配置して一斉にボコれば*3いいんじゃね?という発想だってアリなわけですから、距離を利用することが彼女のスタイルなのだと認識して問題ないでしょう。
逆にいえば、何故距離を利用するスタイルなのか?という疑問を見出すことができます。
いくつか考えられますが、分身を有効に利用するため等が考えられます。
以下では分身の機能について触れたいと思います。


ネギパにもありますが、楓の分身は、
分身(残像分身)と影分身(実体のある分身)とに分類されます。


数の論理を考えた場合、「集中」と「分散」に分類できます。
例えばゲーム・グランディアのようなことを言うと、数の論理によって攻撃も集中と分散に分類されるため、1回の強い攻撃と、複数回のコンビネーション攻撃とが考えられます。
また分身の術の場合も、実体のある影分身を使う場合、明らかに何かが分散していることになります。密度問題によって楓の場合、本体とは別に4体まで高密度の影分身を作り出すことが可能です。
逆に言えば、残像分身の場合は「本体にエネルギーが集中している」と言い換えることができるでしょう。
影分身がコンボ攻撃だとした場合、残像分身は本体にエネルギーが集中していることから、楓にも一撃必殺な強攻撃を行う可能性が残っています。(あくまでも現時点では可能性の話ですが)


影分身に関しては運用方法などは劇中の通りだと思います。
「四つ身分身・朧十字」のような多段技が完成形になるのでしょう。前後左右からの同時攻撃、しかも走り抜けるため攻撃後の隙が(距離が離れるために)小さい。更に四つ身なら影分身だけで実現可能!なんというハメ技(笑)
これに追記すると、ジャンプ漫画のナルトが影分身を使った“一人合体攻撃”をやっていますので、影分身を使った強攻撃という可能性もあるかもしれませんね。



じゃあ、残像分身を使った攻撃は?という話ですが、まともに残像分身を利用している例としてはF91の残像分身やFSS*4のディレイ・アタックがあります。スプリガンの朧なんかはおしいところで使ってくれませんでした(苦笑)し、ドラゴンボールの残像拳は初歩的なレベルの相手にしか通用しない技になってしまいました(笑)
残念ながら、影分身が使えたら要らないんじゃね?というノリがあるのも事実ですね。



FSSのディレイアタックを説明する前に、F91の分身を説明します。
F91の分身は、
本体が↓ここで↓ここに分身があります。
       ○……
本体に○を付けない理由は、本体が見えないことを表現したかったからです。これが残像分身の基本的な仕組みになります。残像を見せて錯覚を利用して本体を隠すのが残像分身です。
F91の場合は、リミッターを解除すると熱暴走が始まることから、冷却のために装甲表面に塗布された特殊な金属を剥離させます。これが質量をもった残像になるという原理で残像分身をしています。そして本来が冷却機能ですから、金属剥離の際に熱を奪っていきます。
これらのことが敵のMS・MAのコクピット内部に表示されるCG補正された画像では本体が映らない、映りにくいという結果を生みます。コンピュータ自体が質量を持った残像の方を本体と認識するためです。熱や質量を知覚するレーダー・モニター類では残像分身を本体として知覚し、一時的に冷却されることも含めて、本体は機械の知覚外に消えてしまう*5わけです。
結果「先頭を撃てばいい」という単純な発想では通用しないことになります。コンピュータによる射撃補正などは逆に邪魔になってしまうことでしょう。肉眼の方が正確に見える、という事態が起こります。
余談ですが、マクロスなどで見られる複数のミサイルによる攻撃(いわゆる板野サーカス)とはかなり相性が良く、分身すればほぼ無効化できるはずです。核弾頭でも使わない限り、追尾ミサイルでは全力のF91を落とすことは至難でしょう。



次にFSSのディレイ・アタックですが、ファティマ・エストの言うことによれば、攻撃ポイントの見切りが最重要ということになります。
FSSの残像分身による攻撃方法も、本体のいるべき先頭がドコにいるのかを見失うようにするために残像分身をあえて「残す」技になっています。
 見ているものが残像なのかどうかを判断する一瞬に、本体が本命の攻撃ポイントに移動するわけですね。さらに本体かと思えば残像、残像かと思えば本体といった具合に攻めを複雑にします。こうして攻撃ポイントを誤読させ、防御反応できないようにして攻撃を叩き込むテクニックがディレイアタックです。
 FSSネギま!の場合、脳内で画像が結ばれるより早く動くことが前提で、残像を残すことで注意を本体から逸らし易くします。
ネギま劇中で一番近い描写は小太郎の対クウネル戦ですが、描写としてディレイアタックになっているか?といえば、正直微妙ですね(笑)

画像は狗神・疾空黒狼牙を牽制に撃った後での接近ですが、矢印を入れたようにジグザグに動いています。残像を残したのか自動的に残ったのか、単なる瞬動描写の気もしますが、クウネルに驚きマークが入っていて「良い攻撃」と誉められているのでディレイアタックと似たような効果があったのかもしれません。



この手のことは小太郎にできるならば当然、楓にもできるハズなんですが、正直、影分身に描写が偏っているので残像分身を使った描写は生まれにくくなっています。影分身で攻めて隙を作ってから本体による極大攻撃……といったドラゴンボール的な連続技になる可能性が高いと思います(笑)
しかし、そんな攻撃は一方的過ぎてボス等の強敵にはあまり効かないという「演出からくる弱点」を持っているので注意が必要です(笑)→いわゆるマンガ物理学上の限界?とか。



また、楓に関する特記事項としては結界破壊の術があります。
エヴァクラスの術者の場合、自動的な対物理・対魔法防御があるはずなので、ハイクラスの戦闘の場合は防御結界への対処はかなり重要なポイントになると予想されます。
防御結界の破壊には大まかに2種類方法が考えられ、結界を抜きつつダメージを与えるような強攻撃を叩き込むか、楓がクウネル戦でやったような結界破壊用の術を使ってから攻めるか……ということになると思います。
16巻140時間目にヒゲグラ先生の風牢壁を破る際、刹那から頼まれているので「特化した術の持ち主」「刹那よりは結界破壊が得意」等の設定があるのでしょう。




オマケですが、
楓側から刹那の攻略を考えた場合、雷鳴剣や真・雷光剣のような、かなり威力のある強攻撃への対処が必須になります。
・回避する(あまり期待できない)
・ガードする(致命傷は食らわないまでも、ほぼ確実に突破される)
・使わせない(連続で攻め続けて使う隙を与えない等。演出上無理)
・相殺する(同程度の強攻撃が必要)


……というわけで、強攻撃がないとちょっと厳しいかもしれません。




現時点でも十分に強い楓ですが、仮契約によるアーティファクトの追加やまだ見ぬ切り札的な攻撃技などでいくらでもパワーアップする余地が残されています。
強けりゃいいって話じゃないのは分かっていますが、活躍シーンが楽しみなキャラクターであります。
特にあの目の細さが3×3アイズの藤井八雲を彷彿と






●基本的な戦闘スタイルの確認


近代ボクシング系:移動“後”攻撃
○   ●
 ○→ ●
   ○●


相手の前に移動してから攻撃する近代ボクシングの基本パターン。
身体の捻りなど、筋力を主に使用して戦うスタイルです。
バトル系マンガの大半がこれを使用し、敵の眼前で停止して戦います。


突進系:移動“中”攻撃
○→ ←●
 ○×●
←● ○→


相手とすれ違いながら攻撃します。楓もこのスタイルですね。
移動速度を武器に加えて攻撃するスタイル*6です。
利点は主に“止まらないこと”にあります。
戦場など多対多の戦いでは一人を切り伏せたとしても止まっていたら後ろから襲われてしまうため、移動中攻撃のスタイルが基本です。*7

 まったくの余談としては、宮本武蔵も本来は移動中攻撃のスタイルのハズなのですが、近代ボクシングの影響を受けたかなにかで時代劇の殺陣が「見栄えのよい立ち回り」になっていく流れの中で、ドラマやマンガなどでは“突っ立ったまんま”になってしまいました(涙)
 よく言われているように、身体に突き刺さったまま剣が抜けなくなる等のアクシデントが発生することも多く、敵の前に止まってしまうと後ろからの攻撃に対処することは難しいようです。
 世界の接近戦闘ではナイフが主流へ切りかわっていくわけですが、じゃあなんで日本刀は長かったのか?というと、素人には振り回しているようにしか見えませんが原理的には根元を押し付けて刃先まで「引き切る」*8武器だったから、なのだとか。
ちなみに剣での傷は意外に浅く、最初にショック死などで死ねなかった場合は数時間激痛にじっくりと苦しんでから死にます。止めが必須といわれる理由ですね。


切腹介錯などは関係者の中でも剣術が上手い人がやるもので、叩く動作の中に引き切る動きを加えていくことは当然の上、骨の継ぎ目に剣を入れる必要があります。下手がやると何回も首を叩くばかりで切れずに殺せないそうです。
切腹は真横に引いた後に心臓側に引き上げるらしいのですが、実際には激痛でそこまで出来る人は殆どいないとか。腹を刺した瞬間に首を落とすのが実際らしいのですが、首を落とせないと焦って悲惨なことに…………(某小説家とか)
切腹がカッコイイとかっていうのは中2病以外の何者でもないわけですが、他所様が何に憧れるかは自由ですしね。


大人の趣味として日本刀を正式な手続きで入手すると抜刀術の真似事をしたくなるものなんですが、コイクチを切ったりと鞘を持つ側の手がちょっとでもカスると指をかなり深く切ってしまう事故になります。
これは鞘から抜く時の引き切る動作によるものなんですが、ちょっとカスっただけでこれだけの大事になったのだから、全力で振り回したらサゾヤ…………というような妄想で大人は満足するわけです。
現実には剣道のように振り回すと、鉄の棒と大差がなく、革ジャンのような厚手の服を着ていたため打撲だけで済んだなどという話もあります。
893も任侠映画(高●健とか)を見るけど(涙)という切ない話です。



射撃系:銃・砲撃戦
○   ●
○−×−●


弓・銃・ミサイル・レーザー・気弾・魔法などを使った攻撃ですね。防御手段の有無などが強く影響しますが、基本的には先に当てたもの勝ちですね。
かめはめ波系統は撃ち合いに勝利する描写がお約束。どこが最初か知りませんが偉大な発明ですね(笑)



とりあえずタイマン戦闘の3種類を書いてみました。
チームで動く場合、後衛の射撃の援護を受けつつ……ということで複雑化していきます。

*1:ハンタ用語を敢えて使ってます。詳しくはハンタ15巻潤・41を参照されたし

*2:戦闘級・戦術級・戦略級という区分に大まかに分けられる。

*3:小太郎はやってます。古菲も影分身できたらやりそうです。それから四方八方からクナイを投げたりで砲撃したらファンネル系ですね。影分身だとガンダムX

*4:ファイブスターストーリーズ。マンガ。永野護

*5:F91の場合、戦闘は宇宙空間であり、残像は金属剥離時のスピードのまましばらく等速運動します。その間に本体は加速して場所を変えて行きます

*6:移動速度を単純に攻撃速度に加えることができるため攻撃の先端速度は圧倒的。停止からの攻撃とは速度面では比較になりません。運動の系統自体が異なります

*7:なお、近代ボクシングもヒットアンドウェイ方向に進んでいます。ここでは「近代ボクシングのイメージ」がエンタメに与えた影響などを問題視しているのだとご理解ください

*8:もしくは逆に刃先を押し付けて根元までズラズラっと押し抜けて切る