メモ・ニコニコ動画が脅かすもの

 
ちょこっと分析してみたものを置いておく。
 
●結論としては、
ニコニコ動画で見るという新しい楽しみ方(価値)は、
アニメDVDの購入価値と競争してしまうかもしれないよ、と。
 
 
●アニメの価値
ここは、購入価値を問題視せよ、となる。
 
細かく順を追って説明するともの凄く長くなるので簡単に。
「本(マンガ)はお金払って読むもの」ってスタイル。
アニメはテレビで見る(無料で)ものってスタイル。
 
一部の関係者が本と同じスタイルをアニメにも当てはめようとしてて、モラルとか著作権を楯に理論武装でしてるわけだ。
 
だけど、「見るためにお金を払う」価値感の人間には逆に一度見てしまえば価値が無くなってしまうということも意味しているのに気付かなければならないのね。その理屈だとテレビで放送されたものを見た人はDVDを買わないことになる。流石にそれは実状にそぐわないでしょう。
その理屈だと、観てもいないアニメのDVDを当てずっぽうに買っていることになってしまう。そんなのおかしいだろう。
 
アニメは既に「観る価値」と分離された「購入する価値」の方が問題になっているんだと思う*1
 
 
●購入価値を左右する要素
結論「保存価値」と「コレクション価値」の違いを認識せよ。
 
保存の場合、失われないことに価値があるはずだから、究極的にはレンタル店に置いてあれば問題がない。
これは「観たくなったら借りればいい」というスタイルで、レンタル店を自動的に作品が増えていく地域共有型の倉庫として扱っているわけだ。
 
コレクションの場合、自分で持っていなければ意味がないし、なるべくなら中古も避けたいだろう。
 
問題になってるニコニコとかでのダウンロードなんてのは、コレクション性を満たすことはないと思う。保存して満足するんだから、保存価値ってことでしょ。
アニメDVDに金を使う代わりにパンパンになる外付けハードディスクに金が流れているとかね。
ちょっと前ならwinnyで別のと交換するための種に使ったりするらしいけど、winnyは使ったことがないので現在の実情とかはちょっとわかんない(笑)
 
……もっとも、人間がそう合理的に動いているわけでもないだろうけどね。勢いで買ったりしてんだろうし。
 
思うに、レンタル店に協力してもらって定期的に作品を入れ替えたり増減させれば、倉庫としての価値が消えるんじゃないかな?なんて考えたりしちゃうね。 
 
どっちにしても再視聴しないだろうと思うんだよ。
つまり、ダウソしたことによる窃盗としての感覚が弱いんだ。だって再利用しないから。ほぼ、観ない。だから感覚的には持ってないのと大差がない。
別に自己弁護がしたいのではなく「モラルに訴える力」が弱いってことを言いたい。だって再視聴しないんだから罪悪感を感じるタイミングが無いでしょ。
勿論、ダウソされればその人間の「購入機会」が失われることを意味している。だけどそれって、“あわよくば”“まかり間違って”バカが購入するのを期待してるって意味だと思う。そんなのダメダメじゃね?
 
 
もっとコレクション性を高める工夫をするべきなんだろうけどね。
その意味ではグレンラガンの5話炎上は無視できないんじゃないかな。あれでコレクション価値が減ったとかさ。
らきすたなんか、通常版はこなたの落書きっぽい絵で、限定版は本編並のクオリティの絵。どっちを棚に並べてコレクションしたいか?って考えたら意味が分かりそうなもんだ。
 
 
●アニメを見る価値
ラスト、最初の結論に至る。
 
保存して何時でも見られるということには「今日限り」「その場限り」「ワン&オンリー」「非再現性」といった種類の価値がないことを示している。魅力がないよね。
ニコニコは動画だと削除があるから、当然倉庫には使えない。だから早くみなきゃいけない気分になる。(それはダウソを誘発するのかも)ニコニコは「その場限り」を「みんなと共有」することに魅力があるのだと思うよ。
 
つまり、アニメを見ること自体の価値が問われているのではないかと思う。いつでもみられるDVD・タイミングを逃すと面白くないニコニコ。ニコニコで観ることは、潜在的にアニメDVDを購入する価値を脅かすことなのかもしれない。

 
 
ネギま!をただ読むのと、感想サイト巡りしながら読むのでは楽しみ方が違うわけですよ。このコミュニティ形成……つっても、双方的・直接的コミュニケーションは必ずしも必要ではなくて、「時間の共有」っていう間接的なコミュニティ形成があればいいのかも?と思うんだけど。
色々考えてて仮想現実ってのが少し重みを増したかもしれない(笑)
 
 
ま、アニメDVDはノンテロップオープニングとかを特典映像にしてんだから、使い道としてMAD作れってこったろう。そういう意味では、Youtubeやニコニコは二次創作の場所を提供して「創作用資料」という新しい側面を与えたとも思うよ。それも一つの購入価値・動機になると思うけどね。

*1:話の前提にDVD購入によるビジネスモデルがあるのに注意されたし