悲惨! 魔法世界にて

 
というわけで(どんな理由だ)、
ネギま悲惨な世界に想いを馳せ、物語の登場人物に同情しよう!という企画です。愛すべきキャラが一体どんなメに遭っていたのでしょうか…………
これは最早、涙なしには語れません(無理、泣かせるテクなんかもってない)
 
尚、お忙しい方は、下の方の本編ことアキラ編だけどうぞ。
 
 
●ソードマスター・夏美編
まず夏美ちゃんですが、メルディアナの宿屋から出発してみたいと思います。
 
どこぞから帰って来たネギ君達を窓から覗き見しながら、いつも悪ノリするゆーなや柿崎が盛り上がっています。夏美ちゃんもコタロー君が気になっていて、ほわーっ、とか、むむむっと思っていました。
 
(だって、コタロー君何も話してくれないし……)
 
195時間目のこの台詞は、たぶん何回も心の中で繰り返し唱えていたものでしょう。この手の言葉は繰り返しているうちになんとなく正しいような気がしてくるもんです。こうして自分に言い聞かせた夏美ちゃんは覚悟完了し、「わ、私もっ!」とかって思うようになったと言っても過言ではない。過言ではないでしょう!(何のネタだっけ?みなみけ?)
 
ふと見ると、隣に立っていたいいんちょが妙に静かです。
 
(?)
しかし、深く考えずに眠ることにしました。
明日は朝が早い。寝ないといけません。
 
翌朝、いいんちょが先に外に出て行ったと同時に、みんなで跳ね起きます。
「いそげ!」「ほら、さっさと起きないと」「この服でいいか」「寝癖、寝癖」
一気に慌しくなるでょう。やはりこのとき、亜子や夏美は、あまり寝付きが良くなかったかもしれません。爆寝してイビキ+ヨダレとかって妄想が許されるのはゆーなとかのボーイッシュ入っている系だけでしょうか?
 
外にでる時……
「う……ちょっと寒いね?」
「ここにカッパがあるよ」
「おおっ、いっぱい置いてあるじゃん」
「これって貸し出し用じゃないかな?」
「後で返せばいいよね」
 
赤信号はみんなで渡れば怖くない。犯罪教唆マンガ・ネギま!(笑)
 
 
遠くで見送りのいいんちょが明日菜と話をしているのを眺めつつ、いいんちょ行かないんだ〜とか思っていたのでしょう。もはや(何も言ってくれないコタロー君が悪いんだからね)という事は自己正当化の域を超え、絶対真理へと近付いているといっても過(ry

 
朝もやの中を追跡行が始まります。
しばらくして、
「ネギ君達 見失ったーッ」
「てゆーか 迷ったーっ」
「ええーっ!?」

……なんてこともあったのですが、しばらくウロウロしていると広い場所にでたのです。
 
「お、人が集まってんじゃん」
「よし、あそこに移動だ」
  
そして……
 
「(サバトかな?)」「(コラコラ)」
「(さっすが桜子)」「(にへへ)」
「(よし、近づいてみるよ)」
 
ここで夏美ちゃん「わ、私も!」と思ったのが運のツキ。
光りはじめた地面。あわてるゆーなが撤退を宣言するのも後の祭り。
気が付いたら、ドコゾの建物の中に居たのでした……。



●亜子編
ここで敢えて亜子です。というか亜子しかないでしょう。
亜子の場合、気絶→熱病のコンボで実際の所がよく分かっていないというのがポイントでしょう。かわいそうに、不幸な半生でしたね(終ってない)
 
次元転移したということは、原っぱから建物に変化したことになります。
ここで最初に結構マズイことになったかもしれない、と思いはじめます。一人が「聞いてくる!」と飛び出していったのですが、どうしよう?という思いでいっぱいになっていたことでしょう。
しばらくすると「大人の男の人」に見付かってしまい、近付いて来たと思ったらキツイ口調で何やら質問されてしまいます。この段階で、(やっぱり悪いことをしてしまったのだ……)といった気持ちになったハズです。
 
(これらを見たであろうドネットさんには彼女らはたぶん気が付かなかったと思います。彼女はネギ君の元へ走ります)
 
走って来たネギ君に気付いて、はにゃわわわ ですね。
まき絵が何か謝ってたりするのですが……ネギ君は突然キビキビと指示をし始めます。
次の瞬間には肩に杭が突き刺さっており、ゆっくりと地面に倒れます。
ハタから見ていて、このスピードに付いて行ける人間はまずいないでしょう。
切ない悲鳴を上げる刹那。(せつないせつな……ププッ)
 
明日菜が青くなり、ネギにすがって震えています。
この辺りで一段と分からなくなりつつも、血を見た亜子は気絶します。
 
 
……ということで、いつの段階で熱病にかかってしまったのか分からないのであとは端折ります。というか端折ったぐらいが熱で苦しむ亜子の認識に丁度近い気がしますしね。
 
次に起きた時には更に違う場所にいて、アキラと一緒ではありますが歩いていくうちに熱にうなされることに。夏美と再会したと思ったら倒れます。
その後しばらくはアキラの背中で過ごし、町に着いたと思ったら馬車で別の場所に。もうよく分からないまま紙に自分の名前を書き…………気が付くとベッドで寝かされています。なにやら夏美やアキラはメイド服で働いているようです。ああ、自分も働かなきゃ、と思ったところでナギさんが現れ、電撃を食らい(涙)二人っきりでドキドキするという超展開。亜子視点だと異常事態の連続だということが分かります。魔法世界を誰よりも満喫しているかも。
 
 
 
●アキラ編
というわけで、本番です(ちょ、まっ)
ここでは可能な限りアキラをおとしめてやるのがいいでしょう。
 
気絶していた亜子を介抱していたアキラは、そのまま一緒に跳ばされます。クラスメイトがバラバラになっていくのもたぶん見ていたでしょう。亜子から手を離さなかったことは褒めてあげていいと思います。
 
気が付くと、荒野です。
目を覚ました亜子と二人で???という状態になったことでしょう。
ここから4日かけて遺跡発掘者達の街ヘカテスに移動することになります。
 
まず食べ物が何もありません。遠くに町が見えているようなことも全くありません。なんとなく歩き始めるわけですが、どっちに向かって歩くかで、生きるか死ぬかが決まってしまうかもしれないのです。実際、ここで間違っていたら二人とも死んでいたでしょう。
夜になれば、当然寝るのも地面の上です。ケルベラス大樹林が亜熱帯なので、付近の荒野もさほど寒くなかったでしょう。逆に雨でも降ったらずぶ濡れで悲惨な目にあっていたハズです。荒野なのだから、気候も違ってスコールが降ったりはしないのかもしれません。その分、飲み水もなくなるわけですけどね。
 
トイレも当然ありません。女性の場合、膀胱のサイズの関係で小は近いけれども、なぜだか大の方は便秘がちなのでその辺で小だけすますことになったハズです。が、木とかがあったのか疑問です。男は立って小便するのにさほど問題ありませんが……
 
 
しばらくすると、亜子の調子が段々と悪くなってきます。「大丈夫?」と心配して声を掛けたりしたでしょう。しかし休ませられる場所もないのです。
 
そこで夏美の登場です。
荒野でばったり出会ったなんて考えられません。遠くから人影を見つけたであろう夏美は、危険をかえりみず走って近付いたのでしょう。そうしたらそれはアキラと亜子だったということになったのでしょう。
 
しばらくは再会を喜びます。よく喋ったのはしばらく独りきりで不安だった夏美の方だったでしょうね。しかし、まだまだ安心できる状況ではありません。
 
3人で出発してからしばらくして、亜子が倒れます。
青紫に変色した人を見たことがありますか? 私はありません。
このとき、アキラと夏美はどう思ったでしょうか? 死んじゃうかもしれないという不安・恐怖は勿論のことですが、自分にも病気がうつるかもしれないという不安が彼女たちの心に無かったと思いますか?
みんな何も食べてもいないし、飲んでもいない。しかし、友達の亜子を置いていくわけにも行きません。死んでもいないのに、人間を見捨てていくことが出来るでしょうか?できるハズがない。苦しそうな亜子は、もはや自分では動けなくなってしまいました。
 
アキラはどうしたのでしょう? そうです、背負ったんです。
青紫に変色した相手を背負うということを想像してごらんなさい。
触っても大丈夫なのでしょうか? 首元に掛かる亜子の息から病気がうつったりしないかどうか気にならないでしょうか。
何も食べていない。何も飲んでいない。寝る場所もロクにない状況です。アキラ自身の体力もあまり無かったでしょう。ちょっと背負ったところで長くもつとは思えなかったのも無理はありません。
 
夏美はどうでしょう? アキラが背負ってくれてホッとしたのではないでしょうか。夏美には背負って運ぶような体力はありません。そりゃ100mぐらいならなんとかなるかもしれませんが、そこで息切れしてダウンするでしょう。
そうなると、背負う以外のことをしようと思ったのでしょうね。彼女は必死になったのではなかったか?ちょっと高い場所をみつけては、ちょこちょこ走っていって、遠くを見回したりしたのでしょう。……そして努力が報われ、水場を見つけるのです。
 
水場まで必死になって辿り付くまでの行程は、それまでのどこに向かえばいいのかわからない状況にくらべれば遥かにマシだったことでしょう。
まず水を飲み、水浴びまではしないにしても顔を洗うぐらいはしたことでしょう。
亜子に水を飲ませてやり、(口移し……なんてことはないと思いますが)木陰で一息ついたところでしょう。
 
たぶん、水場のそばには街道が通っていることを見つけるのです。
道があるということは、人が住んでいるということです。つまり、待っていれば人が通るということでもあります。誰かが通りかかるのを水場で待つか、近くの人里まで移動するか……。
もっと言うと、

待っていてもいつ人が通るかわからない*1
       VS
歩いても何キロ先に街があるか分からない*2
 
しかし、苦しそうな亜子を見て彼女たちは移動することに決めるのです。
 
 
四日目、彼女たちは無事に街に辿り付きました。
 
そこで目にしたのはリアルな獣人達が生活する風景です。どれほど唖然としたことでしょう。彼女らが目指していたのは、普通の人間たちの町だったはずなのです。これで予定が大幅に狂ったことになります。それでも夏美が水をもらってくる!と食堂らしき建物に飛び込んでいきます。必死にお水くださいとかってへちゃむくれな顔しながら訴えたことでしょう。
お水もらってきたよ!と夏美が帰ってくる。亜子に水を飲ませてやる。
そうして気付くわけです。
 
いざ街までやってきたのはいいが、これからどうしたらいいのだろう?
 
すると通りかかった一人が話しかけてくるわけです。
青紫の亜子の顔を見て、これはマズイと思う。高価な魔法薬が必要になる、と声に出して告げたでしょうね。そうしてふと気が付くわけですよ。3人とも中々良い素材ではないか、と。これならば元がとれると踏み、交渉するわけです。端々から事情はなんとなく察しが付く。了承させるのはそれ程難しくはなかったでしょうね。
 
こうして馬車に乗せられ、移動することになったわけです。
どこかの段階で奴隷契約書に名前を書くわけですが、文字なんか読めなかったでしょうね。本人達にしてみれば借金の契約ぐらいに思っていたハズです。
しかし、首輪を付けられてしまう。この段階で奴隷であるとハッキリ伝えられてしまうのでしょうね。首輪を付けられてどんな気分になったでしょうか。
 
大きな建物につれていかれ、でっかいクマさんに話しかけられるわけですね。最初は驚いたことでしょう。3人は1部屋に押し込められるわけです。でも屋根とかベッドがある。食べ物もある。雪山明日菜みたいに泣いたかもしれませんね。
翌朝になってぬいぐるみチーフの指示でとりあえず夏美が働くように言われます。夏美は「了解しました!」ぐらいの軽い気持ちで出て行ってしまったことでしょう。ぬいぐるみチーフがそんなに悪い人に思えなかった、というのが大きいのではないでしょうか。
 
亜子のそばで看病していたアキラは、実際のところはあまりすることが無かったでしょう。そうすると自然と色々なことを考えてしまうもの。そして気付いてしまうわけです。奴隷の仕事って一体どんなことをさせられるのかわからない、と。奴隷といえば、やはり性的に自由にされてしまうイメージが彼女にはあったんでしょうね。
部屋に帰ってきた夏美に向けて恐る恐る尋ねた。何もされなかったと知ってホッとする気持ちもあったでしょうし、なんとなく申し訳ない気持ちもあったでしょうね。亜子が絡まれたとき、ちょっと無理してでも守ろうとしたのはこの辺りの影響があったのかもしれませんね。
 
 
視点としては、熱病の亜子よりもそれを見ていたアキラの方が読者の立場に近い気がします。個人的にはアキラの落ち着きは好感がもてます。慌てずに対応したことがいい結果に繋がったのではないでしょうか。



いくら私でも流石に長文すぎるのでこの辺にしときたいと思います。
 
 
……でもちょっと付け加えると、
 
●300キロおぶわれている千雨の身体はきっとガタガタ。
 茶々丸は間接に負荷が掛かっても痛みとかは無いでしょうけど、千雨は首にしがみ付いたりしていると、その移動速度からしても相当辛かったと思います。
おんぶされたことのある人ならそんなに楽じゃないと知っているハズ。
 
 
●朝倉の行動も似たりよったり。
さっぱりした性格の朝倉なら、「あっちゃー」ぐらいのサッパリしたもんで、「しゃーないか」で済ませてさっさと行動に移ったでしょう。茶々丸サーチからして初日・二日目ぐらいは変な方向に歩いていて、川沿いか街道だかを南下したのでしょう。川にでたら川下に歩くのはそう不自然じゃありませんしね。
 
問題なのは、バッジを落とした時の事情ですね。
夏美達が馬車で連れて行かれる現場を目撃したか何かとしか思えないんです。
街に到着して、いきなり夏美たちの聞き込みをするでしょうか?どういう切っ掛けで情報収集したのかわからない。それに聞き込みをしたとなるとネギ達の聞き込みが二度目になってしまう。すると昨日も同じことを聞かれたとかってことになってもおかしくない。……よほどさり気無かったとか?
 
それに変装をいつ始めたのか?
賞金首報道がいつされたのかということもありますが、朝倉は街に到着する前に既に変装していたのかもしれない。例えば、川沿いに南下している時には旅人と出会っていたして、仲良くなったりしていてもおかしくない。楽器だとかをどう仕入れたのかに関しても想像が膨らみます。
ともかく現代日本のような格好を目立つと思って避けていたのはそう不思議でもなさそうです。聞き込みをしていることからも、生活に溶け込む姿を選んでいたなら納得できます。……なんか朝倉優秀すぎないか?
 
そして、夏美達を追って移動するわけですね。ちょうど追いついてきたネギ達と合流、といったところでしょうか。
 
 
 
正直、なかなか無茶な状況だったと思います。大人だったら諦めてしまっていたかもわかりませんね。私が思うに、中学生のこともあって「こんなことで死ぬ」ってことを子供ゆえに信じられなかったことが彼女らを救った要因のひとつではなかったかなぁ、と思います。(マンガでしかないことをのぞけば、ですが)

*1:でも水には困らない

*2:次に水が飲めるのがいつになるかわからない