雑記(うる星2、ダイハード4.0他)

 
ビューティフルドリーマーをみたらしい話
イマイチってのが本音。
しかし、思い入れの激しいファンがいそうなので微妙な判定に戸惑う自分がいたりする(笑)
しかたなく、オーディオコメンタリーでもう一度見たりしてみた。押井守のしゃべりのテキトー感はとても良かったね。修羅場をくぐり抜けて来たらちょうどあんな感じだろうという感じの。ガキが憧れるには丁度良い対象かもしれない。
 
ルパンにおけるカリオストロの城の位置付けにあるのが、うる星やつらにおけるビューティフルドリーマーなんだろうなぁ〜と思いながらボーっと見ていた。1984年当時の最新の表現だったんだろうけど、ご本人も認めていたように、やっぱり古い。この辺りが宮崎駿との「求めているものの差」ということかもしれない。どちらが優れているとは一概には言えないけれどね。
 
アニメで学園祭をやるたびにビューティフルドリーマーが引き合いに出されるので一体、何事か?と思っていたんだけども、要するに仮装してるモブキャラのことだったり、文化祭の準備風景のことのようだ。まず一点目はスッキリ。
 
しかし、学園祭である意味自体は殆ど無かったりする。いわゆる同じ日が繰り返されていて、そのためには「区切りの日」として、学祭ぐらいしか学校行事で使える日が無かったであろうことがアリアリと窺える。いっちゃえば、この辺は後発の作品群で改良が加えられていった部分なのだろう。
 
もう一点は繰り返しと精神世界からの脱出か。しかしこれはイマイチだった。
流石に情報量は大きいので何点か書きたいこともあるんだけども、とりあえず原作者も怒るだろうなぁ〜と思ってしまう部分が、ラストのキスシーン。
もうバカか?と。あれじゃ「いつでもOKの女」と「自分だけ気分が盛り上がってしまった男」だろうに。作者が女性なんだから、これじゃ怒られて当然だ。全然美しくない……というか、気持ちよくない。この点に気付いてしまった時の気持ち悪さがねぇ。テレビで放送されてた当時の気持ち悪さを思い出してしまった感じがする。ラムちゃんを「いつでもOKの女」扱いしてテメーの欲望を満たそうとするだけのファンが嫌で見てなかったんだよ。そんなのは単にテレビとかでのメディアの煽りでしかなかったんだろうけど、ウチの学校にも煽りにそのまま乗っかってるような単細胞生物がいたりしたわけで。
 
更に遡って「俺はラムに惚れとるんじゃ!」とか夢邪気に宣言する主人公もそのセンスの違いというか、「うる星やつら」を全然わかってないんじゃないか?と批判されそうな感じがする。作品を成立させる「何か」を良く分かっているヤツの作品と全然分かってないヤツの作品では面白さが全然違うわけで。…………ただ、押井守の場合は先行作品では“ちゃんとしてるヤツ”を創っているらしいので、全然わかっていないわけではない。それが彼の評価を下げられない強い理由になっているのだと思う。自分のやりたい事を最初から押し付けたりしない「大人」の部分*1が巧く機能したんだろう。
 
ラムちゃんの夢の中だけあって、「ラムちゃんの不在」が作品世界の不気味さ(偏り?)の原因なのかもしれない。
なんか、夢からの脱出を誕生と掛けて説明したくなるような雰囲気とかがあるんだけども、上記(キスシーンうんぬん)の理由によってすべて台無しになってしまうので、イマイチ感はぬぐえそうもない。
 
 
オーディオコメンタリーでは、もう1回みたぐらいじゃ到底気が付かなかったであろう部分へと連れて行ってもらえた。業界人でもないし、作画厨になる気もないので価値は半減してしまうけど、素直に見てよかったと思えた。
そして、日本人の優秀さには舌を巻く。ビューティフルドリーマーでも凄い部分があったけれど、それ以後の日本のアニメの歴史とそれを支えた人達(に要求された水準の高さ!)に目が眩む想いだ。日本人は能力が高いね。文句ばっかり言ってて目立つ割に能力の低いヤツも沢山いるけど、地味に優秀なのも多いし、今更ながらに当たり前に享受してきたものの凄みを感じさせてもらった。
 
決して完璧な作品ではないけれど、語りたくなるような何かに溢れた作品だったのかもしれない。
 
 
●ダイハード4.0
アメリカは無敵だよね。あんなに一杯ヒーローがいるんじゃ勝てっこない(笑)*2
 
“死神”ジョン・マクレーンが笑いながらお前を殺しにくるぞ!っていうホラー作品(半ば本当) 何をやっても死なない辺りが笑いを超えて一瞬ヒヤッとさせてくれる。ローテクのオヤジを見下す若者の意識で見ているなら、この死神っぷりが味わえるハズ。いや、シリーズで一番好きかも。一作目が傑作だという人が大半だと思うんだけど、私はもう「1」には飽きてて、「2」の方が何度も楽しめると思ってたりする。「3」はダメだったけど、今度の「4.0」はかなりイケてる。
 
後は「24」との差別化がねー。難しいネタだからやめとこう。
 
男どもも勿論カッコいいんだけど、空気読める娘は特筆しときたくなるぐらい良かった。今日だけ「ヒーローの娘」に戻るとか、敵の人数を報告するとこ、そもそも騒がないとこなんかもナイス。助ける甲斐のある対象だぁね。
 
後は、敵のチョイ役がサーカス芸人か体操選手か?ってぐらいの機敏な動作だったりした。素晴らしかった。
なんというか、バキだとオーガがアレもやるのか…………とかの余計なことを思ったり。だって横から飛び出していって、上から落ちてくんだもん。
 
 
●用心棒
黒澤明。何故、今頃?それは見たくなったからさっ。
七人の侍ほどの衝撃は無し。引き込まれて見ていたから間違いなく面白いと思うけれど、感想にする部分は言葉になってないかなぁ。
 
途中で善人の家族を助けるんだけども、そいつらの空気の読めなさだとか無能さに足を引っ張られるシーンが入る。きっと性格は良いんだろうし、だから美人の嫁が来たんだろうけど、他人の迷惑になっちゃいけない。感謝の手紙って……(苦笑) さすが巨匠、いい葛藤を仕込んでくる。ダイハードの感想と対比させると、「助ける価値」が無かった感じがしてしまってイラッとするわけだ。
しかし、それが原因で主人公はナイフ投げを覚える。この工夫がなきゃ拳銃使いに負けていたかもしれない。論理的には結果オーライなのだと分かっていても、気分的にはムスッとしてしまう。
 
 
ドルアーガの塔(表裏1話)
両方見たよ。ネタとしては面白かったけど、その分期待感は殺がれたかも。でもでも来週に期待。
 
 
●300
王妃の交渉エッチがなきゃな〜。
せっかく野郎どもが一歩も引かないのに、王妃が相手に「跪く」のはどういう了見かと。
王の死に様まで汚された感じがして勿体無い。
 
 

*1:……なんかエッチの話してるみたいだなぁ

*2:これ最初に言ったの誰だっけ?