考察:雪の日の夜

 
※この考察は外れる運命なので正直あまりやりたくない。
 
雪の日の夜の登場人物は、
「ネギ」「ナギらしき人物」「召喚された悪魔」「村の人々」
 
最短距離で考えていくと、「悪魔を召喚したのは誰か?」という問題になる。この答えは「フェイト達」or「それ以外の何者か」になる。
 
ヒントは当事者の一人(一体?)上級悪魔へルマン伯爵である。彼がフェイトと関係があるという227時間目の調の発言が既に分かっている。
 しかし正確を期する場合、フェイト達がヘルマンを召喚したとは何処にも触れられていない。例えば、雪の日の夜 事件の後で現場を調べていたフェイトが封印の小瓶を見つけて、ヘルマンと契約しただけかもしれないからだ。ヘルマンたちが封印の小瓶をどうして持っていたのか?(結果的に小太郎に奪われるハメになったのは何故か?)と考えると、キョウトの仕事の後で明日菜の能力を調べる気になったフェイトがたまたま持っていた「封印の小瓶」をその場で使ったから、などのエピソードが考えられる。
 
この点に関して、なぜそんなに慎重に考える必要があるのか?といえば、ヘルマンを召喚したのがフェイトだとしたら雪の日の夜の犯人もフェイト達ということになるからで、この謎は「そもそも無かったこと」になるためだ。そして謎が無かったとして雪の日の夜の全体像を想像すると、非常に意味の通じないイベントが残ってしまうことになる。
 
「10年前にナギは居なくなった。6年前に一瞬だけ戻ってきて、ネギに杖を渡して去っていった。」「6年前に(突然に)ナギの村を襲う気になったフェイト達は悪魔を召喚して村を襲わせた。するとナギがやってきて村を救って去っていった」…………これじゃ、まったく意味がわからない。
 
 
さて、別方向から攻めていこう。
まずここ最近のゲーデルの言っていることを真に受けるとすると、フェイト達はネギにとって「真の敵ではない」と言っていることになる。じゃあ誰なのさ?というと、雪の日の夜でもっとも利益を得る「ハズ」だった誰か、らしい。
何気ない「ハズ」という言葉が作者の意図を示しているわけで、必ずしも雪の日の夜の結果から「利益を得たとは限らない」ということだ。ミステリ的な意味でとても正確な表現だと思われるが、おかげで可能性がここでも2つに分岐してしまっている。利益を得た人物か、利益を得るはずが得られなかった人物、だ。
「利益を得るはずが、得られなかった」の場合、雪の日の夜で何らかのイレギュラーが発生したことを意味しているが、ナギが助けに来たのがイレギュラーかどうか?ということになるだろう。
 
動機の問題についても考えてみよう。
例えば、狙われたのはナギなのかネギなのか?という部分だ。当時、ネギに狙われるだけの価値があるだろうか?……ナギの事情抜きでネギが狙われる理由は考えにくい。ネギを殺すことによる利益は「未来の何らかの事情」に左右されるべきだが、今だってウェスペルタティア王国の権力闘争やら何やらに巻き込まれているわけでもない。ネギを殺すことが目的だった、とは現状では考えにくい。
するとやはりナギが狙われていたということになるだろう。しかし、そもそも公式のアナウンスでは死んだことになっているわけで、ナギが生きていることを知っている連中が仕組んだ事件だったと考えるべきであろう。
 
 
また、ナギが去る前の「時間がない」のセリフがあることによって、ナギには時間制限があったということになる。そして雪の日の夜にナギは、村を助けに来るだけの自由や選択権があったことを意味している。つまりこの段階では精神が乗っ取られるような状態には無かったと推察される。
 
また、ナギが「形見だ」と杖を渡していることがある。
この時点で既に死んでおり死後の世界から一時的に帰還している可能性も考えられるし、村を救うという選択をすることによってナギ自身にとって致命的な選択をした・犠牲を払ったという可能性もある。……例えば、ナギは息子のネギを救うことで未来に希望をつないだのかもしれない。
 
 
1:敵は失踪したナギがこの村を救いに来ると予想できる立場にあった。
2:ナギは村を救いに行くだけの自由や選択能があった。
3:ナギには時間制限があった
4:敵はナギに村を救わせる選択をさせた(誘導した)
5:ナギに村を救わせることで、何らかの利益を得た(可能性)
 
いや、敵が1種類だという前提も危険だ。フェイト達もその場に来ていたかもしれない。ナギの村は焼かれたが、村の人々は石化されている。村を焼いているチームと、石化しているチームがいたのかもしれない。
 
可能性はまだある。例えばここで登場したナギが偽者である可能性などだ。
最有力候補なのはアルビレオ・イマだろう。実力的な意味で、ナギのフリをすることが出来る能力を有しているからだ。そしてクウネルはネカネとアーニャとに確実に出合っている。ネカネの足を治療した術者はクウネルだと考えることができ、アーニャはネカネの付き添いだったと思われる。このときにクウネルは彼女たちの人生を自分のアーティファクトに刻んでいるはずだ。
(何のことか分かっていない人がこのブログを読んでいることは考えにくいのだが、念のために書いておくと、13巻117時間目、クウネルのアーティファクト説明時のアーニャのサイズがネギよりかなり小さいことからの推察である。ネカネの砕け散った足を綺麗に治せる治癒術者としてクウネルが選ばれた可能性が極めて高い。しかしクウネルは自己申告で「動けなかった」といっている。すると転移魔法で校長(ネギのおじいちゃん)が輸送したとか、クウネルが動けないという設定が嘘か……)
 
それから能力的にはフェイトが研究していた変わり身の符(偸生の符の未完成版)でも構わないことになる。単なるトンデモ妄想でしかないのかもしれないが、6年前の未完成品で時間制限があったと考えればどうか。ナギの村をナギの代わりに救ったということは、共通する敵対者が存在する可能性がある、ということだ。これならばフェイトがネギを殺したくないと考えている理由とも繋がりうる。
 
また時間ネタだとすれば、ネギがネギ自身を救いに来ていた可能性もある。一度ネギは杖を失くし、再開したナギから杖を受け取る。そして時間跳躍し、少年時代の自分にナギの演技をしつつ杖を渡してくる、というシナリオだ。この場合のナギの正体はともかく、事件の全容はさっぱり手付かずでのこってしまう。
 
 
それから非公式設定らしいのだが、ナギが「スゲェ敵がくる!」とか言って出て行ったという話があるらしい。この「スゲェ敵」というのがフェイトや一度倒している造物主である可能性は確かに低いだろう。
ナギは10年前の失踪時に確実に死の危険を認識していた。超自信家であろうナギが、アルビレオにネギ宛ての遺言を残したことがその間接的な証拠になるだろう。
 
 
結局どうだったのだろう?と考えると、殆ど何も確定していないことになる。
ここで叩き台らしきを作ってみるとしよう。
 
とりあえずウチの持論なので、神話クラスの敵が居たとして、ナギは一人だったから負けたという設定でなきゃならない。フェイト達の結社もこの神話クラスの敵を敵と見做している可能性がある。
 
ナギは10年前に反転封印術式から解放されたアスナを連れていた。黄昏の姫御子の復活に合わせて、完全なる世界の生き残りが活動を再開。アスナを奪いにやってくる。フェイト達の目的というのが実は神話クラスの敵と対抗することにあって、アスナはそのために必要だったとする。フェイトの2番目とナギが(再び?)対決し、ナギは勝利する。そして圧倒的な実力のナギに可能性を見出し、フェイトは大まかな事情を伝えることにする。
 
ナギは神話クラスの敵と戦うことを決意。京都の家で研究し、麻帆良学園の地下からその敵のいる世界に行けることを知る。ゼクトのフィリウスという話だとか、ザジパートのラスボス展開という話から、魔界やら何やらが決戦の地ということになりそうなところだ。
この時、既にアリカが身ごもっており、アリカと一緒に戦いに行くことは出来そうも無かったわけだ。一抹の不安が、ナギに遺言のようならしくない行動を採らせた。戦いに赴くナギ。
 
ナギ失踪後の2年間をアスナが誰から、どうして狙われていたのか?といった話もあるのだが、これをフェイト達だと考えずに神話クラスの敵からの使者だったと考えることにしたい。するとザジというのは、ゼクトの関係者でアスナを守る側の立場という説にする方が仲間っぽくて良い。
 
そして雪の日の夜だ。3〜4年戦い続けた果てに、自分の村を襲わせるという脅しにナギは屈したのかも。とある選択を迫られ、ナギは屈した。最後にネギを助けて自分は囚われの身になったという可能性がある。ダースベーダーよろしく、最強の部下をやっているのかもしれない。
 
じゃなきゃ例えば、騙されたフェイト達が悪魔を召喚してナギの村を襲うように仕向けられ、ナギにはその映像を見せて脅し、「助けに行くかどうか選べ」的な?
 
 
こんな予想、当たるわきゃねーよ。