●ＧＯＬＤ
天海祐希主演のテレビドラマ。ここ数年の日本のテレビドラマで一番良かったってぐらいの高評価。プロポーズ大作戦で三上博史を見てるのと同じぐらい楽しみながら見たわ。
野島伸司の脚本がエグくて、金メダル取らなきゃダメだのビューティフルチャイルドだのウザかったんだけど、その辺りも計算した上で、中味を見ればちゃんと生臭くないように調理されていたから面白かったんだけどね。ライフハック的な答えに縋りたい心情を煽りつつ、その先の善意みたいなものを追及していった。
ちょっと途中で時空を歪めて都合よくゴールした気がしないでもなかったけど、まぁ落とし処としてはこうよね？って話で面白かったよ。
天海祐希の演じた「早乙女悠里」がとっても魅力的で、テレビの作りだす虚像と、本人の誠実な姿を視聴者に見せる構成、それを裏切る最後の展開が熱かった。
長澤まさみの演じるダメ秘書とのやり取りが息抜きの効果になってて、お手本的な構成。いや、たぶんしっかりとアレンジされた結果だと思うから、真似してもダメだとは思うのだけどね。
ドラゴン桜やエンゼルバンク的な構成で、物を知っている主人公と、良く分かっていない相棒の対話形式を基調にしてて、男性主人公にした時の知ったかぶりの鬱陶しさを女性（天海祐希）の爽やかさで打ち消してある。今の時期ならこれ以上なく正解の方法だったろう。
実際のところ、主人公は「完全に近い人間」なのだけど、その分だけ人間臭さを引き摺ることになる。情に厚い＝脆い。怒るし、不幸だし、それでも前を見て毅然と人生に立ち向かって往く。見事なキャラ造詣だった。結果的にそうなったのか、デザインされたものなのか。
もうちょっと社会からみた側面だとかに触れたりしたいんだけど、ブギーポップ的な泡がどっかいっちまったので今日は無理だ(笑) どうも自動的じゃないらしいです、はい。
ベテラン俳優ばっかり多くてアホな脚本のドラマが多いけど、これは久しぶりに良かった。うん。
