ベルモンド

 
http://www.j-comi.jp/book/comic/23
 
Jコミでベルモンドです。3巻なのでサクッと読めるのですが、感想を書くのはしんどい。何がダメだったんでしょうねぇ、これ?
 
打ち切りレースの酷い時期だったとか?
でも3巻まで出ていることを考えると「初期の残虐パターン」から脱して、物語を展開させようとしたのが敗因なんですかねぇ……。初期の固定客の嗜好とズレて来て票が足りなくなった、とかぐらいしか思いつかないというか。
 
外に出てしまったことで逆に閉塞感が出てしまった気はするんですよね。
見えないからこそ広がって感じる世界みたいなものはあるんで、外に出ちゃったら逆に普通というか。かといって、外に出たのは間違いかと言えば、そんなこともないんですよね。
 
三銃士を絡めた作品展開も悪くないし、まぁ、絵のレベルは引っ掛かりを覚える部分ではありますが、決定的にダメだった理由、みたいなものは良く分からないままです。ある意味では、作者もしくはジャンプ編集部の能力の高さがそのまま現れていると思います。悪くないんですけど、これが打ち切りになってしまう、といった所まで含めてですけどね。
 
私は連載時は読んでいませんでした。主人公が腕を切られたりしてたのは印象に残っているんですけど、今回改めて最初から読んで、ああ、そういう展開でしたか……みたいな。
 
 
個人的にシティハンター型と分類している、主人公のレベルが上昇しないタイプの物語ですね。シティハンターの冴羽 獠なんかは、登場時から無敵です。1話完結型(いや、何話かずつでしたけどw)の成功例だと思います。無敵主人公を成長路線展開させているお話では、るろうに剣心が成功例でしょうか。
 
もう少し範囲を拡大させると、暴れん坊将軍だの、水戸黄門だのも一切負けません。慣れ親しんでいる形式ではあるんです。このパターンは安易に傷付いたり負けたりしちゃダメではあるんで、切られたり、目を奪われたりするのはマイナスだったかもわかりません。(感情移入していて、目を奪われたらたまらんでしょう? 特にSの人はね。)
 
んー、書きにくいと思った部分ではあるんですが、魔女だのの話をフランス国内だけの展開にしてしまったのはダメだったのでは?なんて考えてしまいます。西欧全体を相手にして、フランスのナショナリズムと三銃士をマッチさせつつ、魔術戦争で展開させれば立場だとかの基盤が出来たのかな、だとか。まぁ、妄想ですけどね。
三銃士の話の枠内に逆に閉じ込められてしまっているので、三銃士にかなり詳しくないと楽しめない可能性が高いのです。私もそこまで詳しく覚えているわけではありませんので、アトスとかの名前は覚えてても、三銃士のリーダー格だったことまでは覚えていなかったりします。
 
アニメの影響で、たしか中学ぐらいの時に図書室で読もうとして、エッチな展開で目を白黒させたことだとか、コンスタンスが夫人とか書いてあって狼狽した記憶しか残っちゃいません。
 
後は、何が面白さなのか、面白さとは何か?みたいな永遠の課題が残るばかりです。「人を成長させるもの」が私の答えですが、じゃあどうすれば人は成長するのか?という風に続いてしまいます(苦笑)
 
 
連載当時、ネットを見ていると熱狂的なファンが居たような気もする作品で、いろいろと興味深く読ませていただきました。もったいないなーとか、規模的にここいら止まりだったのかなぁ〜などと、ためつすがめつするのも一興かと存じます。はい。