雑記

 
 
魔法少女まどか・マギカについて
何が凄いかって、こんな根暗な話がウケるのが一番凄い。どうも、もめんたむの人です。
 
どこを切り口にすべきかが結構難しい話で、言いたいことも聞きたいことも「QBは真っ黒だよね?」「うんうん」じゃねーかと愚考する次第でありますが、そんなこと書いてもしょうがないのでテメーのかきたいことを書くのみであります。
 
個人的に問うているのは虚淵玄の実力の本当のところだったりするんですが、ちょっぴり残念な感じっぽい雰囲気がしています。ゲームの方は触っていないので、フェイトゼロと鳴り物入りだったブラスレイターと今作ですね。「ちゃんとしているもの」をダメにする方向で才能を発揮する人なのかな?とか思うと、やっぱり、ねぇ。本格度なんて言ってしまうと推理小説みたいな感じですが、まぁ、難しいかな、と。我々にとっては面白けりゃ後はどうでもいいって話ではあるんですけど、それも無関心なだけだったりするわけで。
 
最初の印象から順を追うと、プリキュアみたいな今時の人気作品をダメにしてやるぜ的な方向で魔法少女かよ、みたいな感じがして、オタクの二次創作的な臭いがプンプンしていました。無理矢理エロ作品にしてみたりとかの妄想大爆発的な汚し方に近いっていうか、そのまんまじゃないの?っていう。血まみれスケッチな事になっているのは「あの絵でこの話をやっちゃうの!?」みたいなギャップ大作戦でしょ? その悪い大人の考えそうなこすい展開のしかたが小物臭バリバリで、確かに先輩魔法少女の首がパクっと行った時は興奮しましたけど、冷静になるとインパクトのつけ方ぐらいなだけじゃね?となって来てしまうのです。
 
しかし、それだけだと「こうまで引っ張れるわけもない」のですよね。もっとつまらないはずなんです。
どうも、もう少し踏み込んで考えないと届いていないらしい。そこで何をどうやって作品を作っているのか?そのルールは?みたいなものを考えていくと、実は王道展開させているのですね。いわゆる黒化みたいなことをすると奇策に走りがちなイメージなんですが、実際のところ「まどか・マギカ」は王道的な作品の様です。
 
 
これは見せ方の問題が大きくて、単に視点が暗いだけだったりするのです。光の側から笑顔でぴーす!みたいな描き方をしておらず、暗い側からの視点での王道展開なのでしょう。
きゅうべえは真っ黒だよね!ってのはどういう意味なのか?というと、他の魔法少女作品におけるあの手のマスコットが実は真っ黒なんじゃね?みたいな暗い想像からくるものだと思うわけです。
 
というか、安易にきゅうべえを「単にまっ黒い生き物」として描かなかったバランス感覚はお見事でした。今やっていることは、お約束設定を暗い始点に置換する作業ですね。これは結構重要な部分で、王道的な設定を丁寧に拾って、現実だとこうだよね?を突きつけているわけですけども、同時に王道としての位置づけが強化されています。お約束をちゃんと分かっている、という安心感に乗れるのですね。
 
んーっと、私のイメージとしては、闇のまどか・マギカを見ているだけで、光のまどか・マギカが作れる可能性があるという感じです。「この作り方」そのものに何らかのヒントがあるのかな、と。
 
対応する言葉や概念がパッと思い浮かばないのですが、正則に対する変則ではないんです。正則のまま、その視点が真っ暗なだけ。正攻法ならぬ負攻法みたいな感じ。四象限で横軸が変則←→正則だとして、縦軸の上がプラス思考、下がマイナス思考だとして、右下に分類される、というべきでしょうか。
 
魔法少女もの自体に対してそんなに詳しくないんで、あまり語る言葉を持たないのでアレですけど、お約束で必殺技で倒して勝って、やった!みたいな展開に誤魔化されているだけで、根暗だったり、ちょっと苦々しい展開は多いらしいのです。思っているほど、考えなしにキャピキャピしているわけではなかったりするのが、魔法少女ものの本来の姿かと思います。
 
その意味では「変則的だから面白い」な言い分では魔法少女ものを詳しくみている人達には通じない可能性があります。いずれやってくる王道的な展開に安心しながら、表面の怖いもの見たさでヒーヒーいってるのが基本的なスタンスなのではないでしょうか。
 
 
根暗にしておいて、希望だとかを浮き上がらせる手法なのでしょうけれど、ちゃんとしているものを見つけてきて、全部この手法で置き換えちゃえばいいのかなぁ?的な浅はかなことを考えてしまうのでした。ナームー。
 
ダメだ、限界を超えて眠い。