雑記

 
 
●最後の証人(柚月裕子
本屋でオススメされている本を適当に手にとって読みもうした。前回、適当に手にとった「陽だまりの彼女」が面白かったのでまた表紙買いでござる。
 
星なら4つかなぁ。ただし、アマゾンのレビューからすると3つぐらいが妥当なあたりかな、と。お話の構造が整理されているので早い段階で核心部分の推測は付いてしまいます。ミステリ読みなら最初の何ページかもしれない。叙述トリック系です。
 
じゃあ何で星4つかと言うと、小説の形態ではこの辺りが限界だろうと思うからです。登場人物の人数とか、構造の複雑さとか、ページ数とか、読みやすさ、ストーリーテリング。お見事でした。
 
アマゾンのレビューの大半はリアリティの欠如に文句を書いています。裁判のやり方だとか、組織の隠蔽などの現実的な側面に対して、ですね。つまり、現実を反映させたある種の「判例」としては失格だということです。小説は判例じゃないので事実である必要はありません。その辺で、弁護士とか警察関係者だったら、リアリティの無さに読んでいられないかもしれない。自分のリアルがリアリティを上回っている場合、喧嘩するんですよね。そこではフィクションは消えてしまう。
 
でも、その辺りはオフセットというか、反比例的というかなんですよね。リアリティに拘って大半の読者にとって意味のない文章を垂れ流すのかどうか?みたいな部分はありますから。
 
クロスカッティングというか、入れ子状になっているので最初の視点変更での読みにくさを越えられれば最後まで一気に読めてしまいます。ある意味では文章が軽い。でも同時に300ページぐらいの小説をスラスラ読ませるのってセンスに類するものが必要なものなわけで。
 
 
本当は、今のライトノベルを買う気にならないので、このぐらい書ける人がいればいいなぁ〜という感じなんですけどね。火星年代記にしようか迷ってこっちにしたんですが、ブラッドベリ逝っちゃったので微妙な感じです。
 
しかし「リアリティの欠如」を言われてしまうと、弁解みたいな評価になってしまうのはいただけないですなぁ。「フィクションは嘘」なので、本当っぽさは感情移入したり没頭したりするための基本条項なのでしょう。文体にこそ魅力があるんですが、リアリティの一言で世間的には吹っ飛んでしまうのが残念なあたり。(いえ、星は4つです)
 
 
●リーガルハイ
ガッキーがいるのが重要なのです。
古美門の父親が出て来て大ピンチ!って、毎回ピンチなんですけどね。いやぁ、今回も面白かった。特に脚本を破り捨てる展開がグッド。おいおい、このままだと負けるぞ!?とかいう緊迫感。絶対に負けない、負けたことが無いという縛りが利いているからこそです。ゲームに勝ちに行くために、正論に正論で返していくのですが、ダーティな法廷戦術を使わずに、父親越えを果たしてしまうというかなんというか。楽しめました。
そろそろ終わりだと思うんですけど、どう〆るのかな?という感じですね。
 
 
●新ルパン
10話 死んだ街。
スーファミの隠れ名作ゲーム「ソウル&ソード」を代表するお化け屋敷イベントがあったのですが、今回のルパンでその手法が使われていて驚きました。ソウル&ソードのイベントは、何かあるとベッドで起きるところに戻るんですが、これが時系列だのの起点というか足元を崩す効果みたいなのがあって、あやふやになっていくんですよね。しかし、この手法の元ネタってなんだったんだろう……。
 
1話と絡めた伏線回収と、不二子の物語を結びつける重要な回なんですけど、前述の手法の関係で曖昧にボヤケタ内容になっています。訳がわからないものを嫌う視聴者も多いでしょうから、どうしようもなく賛否は出てしまうかと。麻薬の見せた幻としても、ちょっと整合性が取れそうにない。よりにもよってこの回を曖昧にぼやかしてしまうとなると、全体を通してボケた印象になってしまう、かも?