雑記(SHIROBAKOを視た)

 
TOKYO-MXでまとめて放送していたのでSHIROBAKOを見た。正月特番が楽しかっんだよなぁ。ガクトの理不尽な負けとか、サンタクで居合いやコントとか、とんねるずの錦織テニスとか。でもまぁ、飽きてたのでアニメはありがたかった。ただ、じっとしてて腰が痛くなったけど。
 
●SHIROBAKO(アニメ)
全体的には面白かった。感動した部分もあった。納得行かない点も少々あった。
まず悪い点から書く。納得がいかなかったのは脚本だ。よく描けているが、なんだこんなものかと思った部分もあった。悪役のことだ。つまらない。まずバカのタローがやった、前半の初っ端での報告スルーしての事件隠し。次に監督のコンテが出来ない件。最後の編集のバカ野郎とのグズグズしたやり取り。
これらがワンパターン過ぎた。アニメ製作会社がアニメ作りのアニメ作ってて、このワンパターンさはどういうことだ。全部、見たことあるやつじゃねーか!
 
渡辺Pとか無能だろ。相手から言質が得られないことはあの時点で本人には分かっている。完全に引っくり返されるフラグ立ってるのに希望的観測で無視していて被害を撒き散らしやがった。あの弱気さ、気弱さを誰も責めなかったのは流石にダメだ。ああしないとドラマにならないという意味はあるだろうが、なに有能気取ってんだバカ野郎って話だ。あそこで終わらせるな。カッコ悪いものはカッコ悪く描きなさい。あんなんで許されると思うなよ、渡辺。
 
不満はそのぐらいだった。ここからは基本的に褒めることしかない。
 
平岡とかいうやる気のない拗ねた小僧の件もあったっけ。アレは難しい。ペルソナ的な意味で、自分の性格に対応して「相手の性格が決まってくる」からだ。自分か良い人になろうとすると、ぺーぺーの立場の弱さを利用してくる輩にバカやられることになる。こうした時に権力が無い状態で戦うのはかなり厳しい。厳しいからこそ、まず線引きをしないといけない。これが分からないと辛い。自分を変えることで相手の反応を変えることを覚えないといけない。もくしは権力だけど、若造にはそれは無理がある。権力のある相手に突然ペコペコする野郎は最低だが、案外、そういうものだったりするからなぁ。しかも上司の人って、自分が権力で説得できてるだけってことに気が付いてないパターンがあったりしてさー。「なんで? こんな簡単な説得がなんでできないの?」とかバカ面する場合とかがあるしな(苦笑)
 
精一杯では通用しなかったから、適当に手を抜いてやろうとしてみる。それは試行錯誤としてはアリだ。でも周囲には迷惑が掛かる。一所懸命になってやっている人からすりゃ邪魔!ってことだ。結局のところ、周囲の人間の悪さで崩されたものが、周囲の人間の善性でどうにかなる、のでは元の木阿弥でしかない。成長を描こうとするなら、技を身につけたことを見せないといけない。
 
新米デスク宮森について踏み込むけれど、本当の問題は24話終わったここからだろう。他人への対処を「性格の良さ」でやろうとするか、「技術でこなそうとするか」ということに問題がシフトしていく。「この仕事は貴方にしかできないんです!」と言えば相手は動いてくれるかもしれない。でもそういう小技で相手を操ろうとすることは技術でしかない。性格の良さは、技術に簡単に置き換わっていく。だが、相手によって技は変えなきゃならない。相性の問題もある。性格では対処できないが、技が通用するほど相手はバカではない。けれど、やらなきゃならない。ここが厳しい。だから2クール分終わったけど、本当にキツイのはここから先でもある。
 
性格が良いタイプは、自分の性格が変わっていくことがキツイ。平岡のだいちゃんみたいに潰れたりもする。技でいくタイプは説得することそのものが難しくて、まず行き止まりになる。いろいろ勉強するしかないんだけど、そんな勉強は誰も教えてくれないものだ(笑) お前、やる気あんのか?とか言われたりするのがパターンだしなー。今だと類人猿分類とか良さそうだけど。本を買っておこうかな。

タローみたいなタイプはバカだと周りが理解すると少し有利になったりする場合もある。平岡に足りない技を天然で使ってしまうことになるからだ。相手に自分の個性を理解させる必要がある。アピールってのの力でもあるけど、世の中にはアピールを勘違いして使ってるヤツも多い。特に就職面接とかのしったか野郎どもとかね。
 
 
ベタだったけど、杉江さんのトコの展開、最高だったなー。庵野監督まで上がって、杉江さんの所に戻ってくる、という。燃えであり萌えだ。熱いよなぁ。
ここにも複数レイヤーになっていて、昔の絵柄とイマドキの萌え絵と、手書きと3DCGとかね。
 
でもまぁ、アニメーターさんに向けて動きの基本ができてない!とか言うの止めようかと思ったね。どうせ現代の俳優なんかからして、まともに立てないし、歩けていない訳だから。アニメにどうこうと文句いうのも理不尽かもねぇ。
 
ディーゼルさんの話とか、すげーよく分かるわー。調べ物とか大変すぎるんだよね。好きなジャンルがあると、そっち方面の色々は分かるんだけど、別の分野になると、ねぇ? ヱヴァQとか無駄に手順だけやってるシーンとかあるけど、アレを脚本が書くのはしんどいんだろうなーって思って見てるもの。ディーゼルさん、くれ!とかみんな思って見たんじゃないかなー(苦笑) あそこの展開は凄く良かった。調べものにも、それをマトメんのにもセンスってあるよねぇ。ヘタなこと教えるより、調べ物のやり方とか教えた方がよくね?とか本気で思うもん。俺も教わりたいっす。
そういう意味で、好きなジャンルを追求すると、蓄積されていくから調べる手間が省けて強みになったりするんだよね。ある意味では、ウィキペディアを強化すると、皆の手間が省けて良くなるんだけども、強みが無くなるって意味もあったりするからね。みんなが共有しちゃったら、それは陳腐化でしょ。これも難しいところ。その逆はナンバー1ベネフィット。1番2番にしか価値がないっていうヤツ。これは別件なのでスルー。
 
声優志望の赤い子が、キャサリンの妹役で出演するシーンでの泣きが、なんか訳がわからないんだけど、泣けるシーンになってて、素晴らしかった。努力が報われたから? しかし、なんだろう。SHIROBAKOって作品であそこまで描いたのは凄かった。地力あんなーって思わされました。感服でした。
 
本当にいろんな点から切り込めるんだけど、うん、アニメ製作現場を描くことで、アニメやりたい人が増えるかもしれないし。そういうのまで含めて、面白いと思いました。