雑記(カルロス・ゴーン経営を語る)

 
●『カルロス・ゴーン経営を語る』を読んだ
 
流石にちょっち今更な感じがしないでもないのだけど(笑)
評価としては文句なしで星5つ。「ザ・ゴール」ほどではないけど、必読かも。でもジャック・ウェルチの方を先に読んでないと意味がわからんかもしれない。企業統合やリストラなんかのについての具体論として読むのが正しいはず。
それとかなり論理的な本なので、それらを「支える思考」まで読み込まないといけない。平易な文章で読み易いのだけど隠れ難易度は高めになっているかも。
 
・まず、ルノーと日産の「対等な提携」の部分は、ローマ人の物語に出てくる「同化の法則」に則っていて正しかったのだろうと思う。特に後半の提携によるメリットの説明に関しては似てる。
 
・コストカットの話は正直に言って嫌いな分野なのだけど、本書は日産の巨大さが生んだ「飽食」部分のカットだった。小指の爪に火を灯す系統の話ではなかったのだと特記しておきたい。
 
・「短期的なマーケティング」と「長期的なクオリティ」を対立項にしている辺りがニクイ。
 
・グローバルスタンダードの議論で、ゴーンによるマルチカルチャーの認識が無いのはヤバいと思う。
 
・デザインに関しては、結局、才能ある人材を雇っていた。
 
 
なんだかんだとは言っても、やっていること自体は「高度な常識」でしかないと思える。真に突飛で奇抜な行動は必要ないのだと分かる。これは非常に大事。不安を煽るばっかりのバカ本と違って、人々を励ますことの出来る真の啓蒙の書としての価値・側面もあってとても良かった。