雑記 (It's Your Ship)

 
 
アメリカ海軍に学ぶ「最強チーム」のつくり方(マイケル アブラショフ著 知的生きかた文庫)
あー、なんかそんな本とか売ってたよなー。文庫になったのか〜と思って手に取ってみた。
アメリカ海軍といえば、ファイブ・オー(←米ドラマ)のスティーブ・マクギャレット少佐だし。つまりハワイでしょ?とかの凄い偏ったイメージでね。興味のないものには手はでないのだから、きっかけはそんなもんで十分なのだ。
 
結果的に内容はというと、カーネギーの人を動かすを海軍の軍艦でやってみたよ!というもの。
成功体験が綴られている自慢げな本でな。中身はマッチョ過ぎて笑えるぐらいだった。
なんかベンフォルドってのが凄い軍艦らしいのよ。
 
まず文脈を整理する必要があるだろう。
生産性に関してコア問題を書いたが、俺が目にしたもので一番まともな答えだったのは、芝村のおっちゃんのツイッターだったね。「定時帰りはモテる」っていうやつ(爆笑)
こういう風に書いちゃうとくだらないんだけど、評価方法論を操作する意味があるし、人間並みの知能があれば、割合まともなのは分かるだろう。それでもくだらないって笑える程度のものでしかないんだが。
 
そんでもって電通鬼十則で女の子ぬっころした関係で、残業時間の規則が生まれようとしている。安倍ちゃん総理は結局のところ時間をきっちり決めないとダメだといっていて、政治的な論理ではそれが正しいんだろうなーと思わされる。まぁ、働いている自分達の感覚としては、政治家が的外れなことをやっているようにみえるんだが、時間を決めちゃえば違反を取り締まれるようになるからね。現場の裁量を減らす方向性には反発したくなるものだけど、曖昧な議論の余地を残すと、言い訳と回避策をこねくり回してサービス残業を続けるだけなのだから、政治的な解答としてはそう間違ってもいないのだろうと思う。
行政の手続きに掛かるコストの話でいうと、某不正受給許さないジャンパーとかの話題になっていくよね。生活保護ばら撒くわけにはいかないので、審査の手間がもの凄いわけだ。そうした審査の手間を減らすための、残業可能時間の具体的な数字なわけだね。
 
さて、このぐらいで本書の感想に戻っていこう。
やっていることは人間性をとりもどそう!という話で、艦長という名前の中間管理職の視点で、一人ひとりの生産性を高めよう!という内容になっている。カーネギーの方を知っていたらもはや在り来たりだし、まだそのレベル?とか言いたくなってくるんだけど、海軍の軍艦で、艦長でやったらこうなったお!って部分に魅力がある。
 
生産性の議論の大半は「俺SUGEEEEEE!!!!」ってやりたいだけのクソなので、特に日本人の場合だと人間力でどうにかできればいっかなーという話に収束しがちだ。最悪なのは自分が凄くなりたいだけだから、他人が凄くても意味が無いという部分だしね。この言説を補間する関係にあるのが、「他人を変えるより、自分を変える方が簡単」というアレだ。少し言い方を変えると、「人のせいにするな」とかにもなる。要するに言語が認識を作るんだよ。
 
組織全体の視点でものを見た場合、1人の生産性が上がったとして、だから何なの?としかいいようもない。中小企業ならエース的な営業がいたら、それだけで売上げアップとかになるかもしれんのだけど、今はそういう話しはしてない。要するに1人でどうにかしたって意味ないんよ。組織のトップからすれば、部署全体の生産性がアップした方が絶対にいいやん。てことは、1人の人間が頑張ってエースとか言われて、睡眠時間削っても、全体への貢献としてみれば絶対値が低いままなんだよ。俺SUGEEEE!はそういう現実を無視して引き篭もるためのものだ。
 
つまりは他人を巻き込んで変えていく必要がある。でもそれは部署の責任者とかが動かないと達成できないことを意味している訳で、逆に個々人の努力とか意味無いやん!?とかの話でポシャッて終わる話なのだ。つまり、詰んでいる。
だから、この海軍チームの話は素晴らしいのだ。美しい幻想だからね。(別に嘘とは言ってない)
 
でも某オカマタレントよろしく「まぼろし〜」とか言っててもしゃーないんで、成功要因らしきを取り出してみると、クロストレーニングで他部署の仕事も代替できるように準備しておくことで、全体の生産性を高めているのが分かる。俺SUGEEEEE!とは真逆なんだよね。
有能な1人に大事な仕事を委ねると、そいつが居なくなったら終わりじゃんって話だ。ログホラでいえばシロエとかシロエとかシロエとかね。組織論では必要よりも不必要の方が正しい。1人の必要性・代替不能性とか弱点・脆弱性以外の何物でもない。そんなのただのボトルネックじゃんよ。
 
次、トップが直接に解決策を掬い上げること。その前提は組織構成員の一人ひとりに判断力を持たせることにある。でもそれはタマゴとニワトリの論理に近しい。まぁ、本書を読めば、ニワトリが先だって分かるんだけどね(苦笑) 上司よりも部署の担当者の方が現場に近いことで専門性が高くなる。したがって部下の方が解決策を提案しやすい。これは24の部門がある軍艦の方が理解しやすいわな。24部門の仕事の全てに対してスーパー艦長が解決策を提示できるハズがないんだ。部下の力を使わなきゃしょうがないんだよね。そういう当たり前のことは、だいたい現場に入ると理解できなくなるんだけども。
日本の場合、現場感覚(笑)のある人間が上司になってるとかいって、部下の提案を潰すのが権力!ってやりたがるから、下の人間はモノを考えるな!って話になりがちだ。それって古臭い軍隊の考え方まんまなんだけど、ほぼ万人がその道を考えなしに通過するっていう……。まぁ、この辺に対して物語が足りてないんだわ。インターねっつってのは、そうした万人が通過するようなアホのレールを自覚するためのツールでもあるんだが、まぁ、活用できるハズもなし。だってお前ら酒をのんでウェ〜って言ってるだけのバカじゃん(笑) 上司と同じ失敗繰り返して「人生」とかやって喜んでんだもの。解決策とかいらねーよ、空気読めって話じゃん(笑)
んで、部下が解決策らしきを持っていたとしても、トップが掬い上げなきゃ意味がないわけだ。部下のくだらない意見なんぞをトップに具申して機嫌を損ねたくないので、途中で握りつぶすのが中間管理職の仕事だものね。まぁ、要するに物語が足りてないんだよね。
 
 
じゃあどうすりゃいいのか?っていうと、軍艦ベンフォルド的な話をガンダムでやりゃいいのよ。オールドタイプの艦長がニュータイプのエースパイロットに感化されながら、好循環になっていくガンダムとかだね。だって未来に種を植えるしかないやんか。希望は未来にしかない。エンタメには力があるんだよ。ってまぁ、誰が脚本書くんだって話だけどな!
 
 
まぁ、ゆるんでいく方向が正しいってことだよ(脳死