雑記

 
ネギまの無い日々…………プライスレス(えっ?)
 
 
●魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」
http://maouyusya2828.web.fc2.com/index.html
 
読んだ。メチャクチャ大変だった。物凄い量で途中でかなり後悔した。
中弛みはあったけど許容範囲。凄く面白い。才能かなぁ〜?とかの安易な言葉でまとめたかった。至道流星なのか?とチラっと思ったけど、世界は広いんだろうと思うことにした。
 
ポジション的に、2ちゃんだから&タダだから読む価値を作れている部分も大きかろう。ライブ感もあるし、厳密にはこれは小説ではなく、ネットを使った「形式の魅力」もあるんじゃないかと思う。漫画と小説は明らかに「違う」わけだけど、そういう意味の、「別メディア」としての違いと魅力がありそうって話。「やる夫で読む〜」シリーズなんかも同じカテゴリで、もはや小説や漫画の類いとは言いがたいように思う。「文章を読む」という共通項だけで小説と同じだと見做すのは危険なのではないかと。
 
内容的には様々なジャンルの知識の組合せが楽しい。ただ知っているだけではなく、書いて表現できる段階にあることだとか、物語との絡ませ方、知識の選択・組合せがとても大きな魅力になっている。大絶賛しても良い内容。
 
 
そして裏方読み。
んーっと、少なくとも破壊的イノベーションとかが分かってないとこの話は厳しいよね。話の基本構造からすると、ペトロニウスさんが絶賛しているほど目新しくは無い。ただ、よく見かけるのだけど、似ているような物語はどれ?とか言われると結構、困る(笑) 何が似てたかなぁ。
 
結局はループする世界から脱出する話、になったわけだ。この部分だけ見れば、ループものの大半とその構造は同じ。ドラクエ式の勇者が大魔王を倒しました、メデタシメデタシっていう「勧善懲悪」からは脱しているけど、日本だとガンダムからして正義は相対的なものなわけだ。そこからアムロとシャアが同盟組んだ、とはならないんだけど、その辺りを目新しいと言えば、目新しいものではあるのかもしれない。とはいえ、ギアスにしろルルとスザクは共闘するんだけどね。
 
個人的なポイントは2つある。
1つ目はマスケットが敵の手に渡ってしまうこと。この失敗が非常にドラマ的でお見事でした。戦いのステージが上がってしまうのが上手かった。実に王道的なお約束展開。自分らの失敗が相手に利する展開って結構使われる要素だね。特上のドキドキ感だった。
 
もう1つは弟子が物語の中心になっていくこと。いわゆる破壊的イノベーションの物語バージョン。かわぐちかいじの「沈黙の艦隊」で、途中から海江田が出てこなくなって、深町に視点が移動するのにも似ている。
勇者と魔王のドラマの完成を回避させるために、弟子に視点が移動している、と観察される。マスケットも、弓兵の訓練期間からすると破壊的イノベーション
 
特に、この弟子やら子供に物語が継承される仕組みがどうなってるの?ってことを思ってしまう。嫌いじゃないし、上手いとも思う。物語構造としてどう当てはめりゃいいのかな?という興味があるのと、ぶっちゃけ勇者と魔王の活躍が足りなくて勿体無く感じた部分も大きい。
バクマンでもネギまでも、親の世代の話が子供である主人公の話の前に、擬似的なループ構造として存在することがあるけど、「継承」を通じてそういう「親と子のドラマ」を作っているものが、どういう構造や理由でそうなっているんだろう?なんてことを考えてしまうんだなぁ。
 
世界に種を蒔くわけだけど、これがどうして必要なのか?という風に疑問を持つべきだろう。結果、「生きる特異点」が拡散されることになるわけだけど、勇者と魔王が量産されることになっている。
 
ラスボス的な大魔王も一応は出てくるけど、勇者が大魔王とは戦わず、女騎士が相手を務めている。ここが構造的に見て、新鮮味を感じさせる決定打になる。勇者の力を封じたから、ではなく、作者の意図としては勇者の「力」によって世界が救われる形式を避けるために女騎士が戦っているのだろうけど、そのことによって構造的には、勧善懲悪的な結末を避けることになっている。特異点の拡散によって、勇者は大魔王との「戦いによる結末」を最後まで回避することに成功するわけだ。まぁ、勇者代理の女騎士が戦ってりゃ世話ねーよって話もあるかもしれないんだけど、そこは魔王との決戦の時に勇者に足手まといだった彼らが、本懐を遂げるためのリベンジの瞬間であることによって、成し遂げられるんだよなぁ。この辺の構成がお見事、と。
 
人類決戦存在が在り得たとすれば、メイド姉ではなく、メイド妹だったと思うのだけど、まぁ、そのぐらいかな。青年商人の声は「わっち」に順じてルルーシュの中の人で読んだけど、人界の魔王になってやはり……!と我が意を得たりの気分に。活躍しなかったけど。後半の取り付け騒ぎの方はあまり物語と接続して感じなかったけど、教会にダメージを与えたことで間接的な効果はあったのかな、だとか。
 
時間のある人は楽しめると思う。
 
 
Angel Beats!
「消えたくないから戦っている」にも関わらず、「満足したら消える」のであれば、「たとえ戦い切っても、ゴールしたら消える」ことになるのだから、「いつまでもゴール(満足)できないこと」になる。モラトリアムだなぁ。
 
で、神に文句を言って消えないようにしてもらおう!という。システム管理者を天使と呼んで戦いながら、神には助けてもらおうとか。まぁ、この辺りの矛盾に気がついてないとも思えない。見せ方の問題だろうなぁ。
 
日常を共有する人々が居なくなっていくことで、寂しさ・空虚さを感じさせるのだろう。消えてしまうことの恐怖。
 
植物人間同士を繋いで作った仮想世界で、天使は回復させるための医療的なサポートAI、消えたら植物人間から復活、みたいなイメージが浮かぶ。もしくはトラウマとか?
 
ガルデロの曲は良さゲだったね。不思議なぐらい記憶に残らないけど。
 
 
三上博史の新ドラマ 「同窓会〜ラブ・アゲイン症候群」
後半だけ見たけど、灰汁の強さは相変わらず。自分の人生を変えるには、それまでの人生を捨てることが必要になる、みたいなセリフがラストで入って、うむ、確かにその通りだ、とか思ったり。脚本も悪くないかもしれない。
人生は持続的成長が王道のドラマだ。達成してもいないウチから、なんもかんも棄て去って「新しい人生」だなんて言ってちゃいけねぇよなぁ。アイタタタ(笑)