●真のガノタ
ニュータイプを目指すもののこと。意外とみんな目指してなくてビックリした記憶がある。目指さないのが「普通」なのだろうけども、ヲタクの世界では「普通」にはなんの価値もない。
 
 
ガンダムのバストライン

ガンダムの胸部は本来、真っ直ぐなのではなく、ゆったりとしたカーブを描いている。左はお台場のガンダムのもの。右はたぶんカトキデザインのものだろう。中央に近いのは左のお台場ガンダムである。
これらは潜在的には理想的な大胸筋の美しさが投影されていると考えるべきだ。ロボットでありながら、人体の筋肉の美しさがそこにはデザインされていた。ヘビーアームズなども比較したいところであろう。

何をもって美しい大胸筋とするのか?というのは難しい話だ。そこに熱いエネルギーがあって、始めて人を惹き付けることができる。ここでブルースリーを説明する必要はないだろう。シュワルツェネッガーはボディビルで一世を風靡した。猪木はレスラーうんぬんよりもショーマンとして間違いなく天才だった。肩周りの広さが特徴的で、表面的なデザインとしての大胸筋はバランスが崩れて感じるかもしれないが、言葉にできない何らかの魅力は感じられると思う。
 
●MSの背中――「追加武装」か「可変スラスター」の2択
MSの背中には、エンジン部分と大型のメインスラスターが設置されているだけだった。可変MS時代が長いこともあり、余計な構造を配置できなかったことも大きい。
これがF91の時代になると、MSの背中のスペースは武器か、可変スラスターのどちらかが配置されるようになった。枠は1つ。F91はヴェズバー、ビギナは可変スラスターを選択している。ニューガンダムであればフィンファンネルがあるので、追加武装ということになる。
F91時代以降は設定考察が深化していることもあって、「どちらも」とは成らなかった。それがいいんだよね。
 
●ビームシールドによる戦術の変化
MSは下手に撃破されてしまうと「核の誘爆」を起こす危険性があるため、基地の防衛などには向いていない。1st時代の「戦艦並みのビームライフル」の登場によって、もっぱら回避がメインの防御手段になっている。
回避しなければならないため、陣形を密にすることが出来ない。味方機を巻き込んで爆発する危険性があることや、火線を集中される危険性から、「バラバラではない」という程度の陣形しか組めなかったのだ。ランダムなジクザグ回避をしてぶつかるバカみたいな真似もやるわけがない。
F91時代以降、4Gの加速力(パワーウェイトレシオ)があれば回避には十分(これ以上は使ってないじゃん)ということが判明している。
イコールでそれ以前の時代でも4G程度の加速が回避に必要な「上限」となる。この回避時の加速力は女性パイロットにはかなりキツいものと考えられる。
 
しかし、ビームシールドが状況を一変する。
ビームライフルをガードできるようになったことで、回避しなくて良くなり、低速戦闘が可能になった。基地防衛の任務もこなせるようになり、戦闘陣形も組めるようになった。最大の利点は「戦術の多様化」にある。また回避運動を多用する必要性がないため、耐G性が高くないパイロット、例えば女性であるシュラク隊のような部隊が活躍しやすい環境が生まれた。
ただし、これは矛盾を生み出す。小型高性能化によってビームシールドが出てくるのだが、本来は小型化による回避性能の向上が第一義となるはずで、ビームシールドの運用で低速化してしまうと小型化のメリットは死んでしまうことに成りかねない。また回避力の4G制限がMSの性能差を生みにくくしている部分もある。
実際のテレビシリーズでは、Vガンダムの前半ではビームシールドが半ば忘れ去られている(苦笑) ビームシールドによる戦術の変化が描写されていない。途中から気が付いた、らしい。
 
 
●敵軍の強さ――パイロットの強さを求めて
宇宙世紀パイロットの強さを考えるには、敵軍の強さを考えておく必要がある。最も強くて厳しい闘いが要求されていたのは、F91のクロスボーン・バンガードだと考えられる。
・1stガンダム――アムロの最初の戦闘が「MS同士の最初の戦闘」であるため、ジオン軍の対MS戦の錬度は決して高くない。
Ζガンダム――ティターンズはエリート集団ではあったが、地球出身のエリート部隊だったため、宇宙慣れしていない。このためカミーユの住むコロニーで訓練している所からスタートしていた。ジェリドが墜落しているエピソードはここに絡んでくる。ジェリドの名誉はどうでもいいが、限界を追い求めた結果の失敗であるため、下手だから墜落したというのは半分は正しい評価だが、半分は間違っている。
カミーユが敵機を次々と撃墜し始めるのは、ハマーンネオジオン(新兵軍団)を相手にするようになってから。鋭すぎるNT能力と比べ、カミーユパイロットとしての技量はあまり高くない。
ΖΖガンダム――ハマーンネオジオンは完全に新兵の素人軍団設定。物語中盤までは本当に弱いため話にならない。この隙にジュドー達は成長する時間を得ていた。
逆シャア――かなり錬度が高くなり、アムロが敵のギラドーガを撃墜するために、ライフルを2発づつ使う描写があるほど。一発目で相手を動かし、2発目で仕留めていた。
・F91――戦争無しの30年で連邦軍は弱体化しているが、小型MSを運用したクロスボーン・バンガードがそれを圧倒している。訓練度でいえばティターンズと同等かもしれないが、クロスボーンには宇宙に不慣れといったハンデが無い。小型化による回避性能を活かした戦法を用いる点からも、戦術的に過渡期にあり、逆にそのことで軍隊として見た時、最強に近くなっている。陣形を組んで戦術的に敵を撃墜するスタイル(ビームシールド必須→低速化)と、小型・高速化による回避力とが共存しているためである。シーブックのNT覚醒が早いのは、言ってしまえば、そうしないと生き残れないから。
ガンダム――ベスパやイエロージャケットの部隊は、ティターンズとは逆に、地球の重力環境下での戦闘に慣れていなかった。ウッソはMS戦闘の基本を学んでいたこともあり、対処が出来ていた。ちなみにVガンでのビームシールド運用はかなり後の話数からである。ビームシールドによる戦術変更に創り手が気が付いていないため。
 
シロッコの天才性とは?――認知範囲
ガンダム、特にシロッコの天才性とは、認知範囲の広さとイコールになっている。木星帰りであるシロッコは、つまり「木星帰り」であるから最大クラスの認知範囲を誇っている。そこでやっているのは、認知範囲競争である。
この要素によって、地球圏だけしか見えていないではないか!などとダメ出しできるのがガンダムワールドのロジック。
 
●シャアの指揮能力、シーブックのパートナーシステム
Ζ時代のガンダムチームが成立した理由は、シャア(当時クワトロ)の戦術指揮能力のため。まるで活躍しなかったシャアだが、実は味方を生き残らせていた設定がある。ティターンズが強かったこともあって、シャアの小隊指揮能力はかなりのレベルとして描写・表現されている。ΖΖ時代はネオジオンが弱く、お笑い担当だったためにガンダムチームが継続できていた。(ジュドーが成長するまでの時間に余裕があった)
シーブックは戦闘の天才だが、指揮能力まではない。シーブックの能力はパートナー1名を保護するものに留まる。ノーマルのオールドタイプでしかないビルギットが、エリート集団であるクロスボーンを相手に活躍できた理由は、シーブックのパートナーであったからだ。セシリーの加入によってビルギットとのパートナーシステムが切れた途端、彼は勝手に動いてバグに殺されてしまった。
 
●F91の謎――ミノフスキードライブ
F91のミノドラ設定は議論される対象であり確定していない。理由は簡単で、V2に搭載されるまでミノドラは完成しておらず、設定的に「早過ぎる」ということが問題になっているから。
だが、当サイトでは搭載説を採用している。というか、無きゃ辻褄が合わない。
F91はフォーミュラ計画において「現時点でのMSの限界性能の達成」を目的として開発された超高性能MSである。ロールアウトは本編映画の7年前。普通に考えれば型落ちのハズだ。超高性能というが、実際にはバイオコンピューターがセーフティーリミッターを設定していることから、小型MSの一般的な性能(4G回避機並み)に落ち着いている。1点だけ、ヴェスバーというビームシールド貫通用のハイスペック装備を搭載している点が異なる。
実は、F91の超高性能とやらは全て「最大稼動モード」のためにある。F91は冷却性に異様に配慮されたMSで、MEPEも廃熱のため、肩のフィン、胸の蛇腹、口から火を吹くのもバイオコンピューターの冷却材という徹底ぶり。逆にいえば、最大稼動モード時のF91は、装甲を剥離させてまで冷却する必要かあるほど『加熱されている』ことになる。しかし、最大稼動モードとやらでスピードを出したいのであれば、普通に推進剤を吹かせばいいだけだ。推進剤を使えば機体重量は軽くなっていくのだから加速しやすくなるだろう。宇宙空間は真空であるため、空気中のような摩擦熱は発生しない(と同時に空気で冷却されないので廃熱もできない)。基本的に熱くなるような理由がないのだ。バイオコンピューターを熱から守らなければならないような「機体温度の上昇」は、あまりにも異常な構造的な欠陥という他にない。他のガンダムで、推進剤を吹かしたぐらいで機体全体の温度上昇が問題になった機体などは存在しないのだから。
また、MEPEによる分身も本来は不可能である。MEPEとは、装甲の金属剥離による廃熱を利用した分身の術だが、金属片が剥離する際に「スラスターを噴射している」と、後方に吹き散らしてしまい、分身が成立しないからだ。「質量をもった残像」は慣性により等速直線運動を行う。つまりF91が位置を変えない限り「同じスピードで移動し続ける」のだ。加速によって置き去りにして始めて「残像として機能する」ものである。それなのに、加速のためにスラスターを噴射すれば吹き散らして残像にならない。では、単なる設定ミスなのだろうか? ……実際の映像での描写はどうなっているかというと、スラスターを「噴射していない」のだ。であれば分身は成立する。だがちょっと待って欲しい。だとすると、一体どうやって加速しているのだろう?
本題のため、ミノフスキードライブの設定を引用しよう。
『ドライブユニットの内部で、ミノフスキー粒子が生み出す立方格子フィールドの斥力を反発させた際に発生するパワーで推進するという原理となっており、推進剤を消費することなく飛行する事が可能である。』
次にV2の設定を見てみよう。
『技術的に不完全な点が多く、高負荷時にドライブに封じ込め切れなかった余剰エネルギーをビームとして放出しなければならないという欠陥「光の翼」が存在するが、これは武器としても転用可能であり、実際の運用面では欠陥どころかむしろプラスの方向に働いた。なお、完成型ではこの「光の翼」は発生しないとされる。』

……では結論を。F91にはミノフスキードライブ(未完成型)が搭載されている。機体の大半がミノドラありきの設定になっている。無いと断言する方が無理がある。
 
F91の最大稼動モードは「ミノフスキードライブ」によるものであり、高負荷時の余剰エネルギーのため、機体が発熱してしまう。これをどうにか廃熱しなければならなかった。その結果がMEPEであり、分身である。実用化に成功したV2のミノドラは、光の翼としてエネルギーを放出してしまうことで、安全に運用できるようになったと考えられる。
斥力推進システムであるミノフスキードライブは、推進剤無しに「全方向」への加速が可能である。V2のミノドラは光の翼を使えるようになる代わりに、多方向への機動性は弱まっている。(直進性は群を抜いている)しかしウッソはせっかくのスピードをほぼ利用せずに終わった。子供でもあり、耐G性はそう高くないのだろう。
一説に20G近い加速が可能なF91の最大稼動モード(未完成型ミノフスキードライブ)だが、そんな速度ではまともに操縦できるハズがない。そのために用意されたのがバイオコンピューターである。本来は障害者向けのインターフェイスが軍事転用されたもので、高G環境下でNTパイロットを支援するために利用された。10Gを超える加速が行われれば目がブラックアウトするかもしれないし、腕でのレバー操作などの精密な処理は無理だ。センサー系の支援で外部情報をパイロットに伝達し、手で動かさなくても意思を読み取って操縦できれば、最大稼動モードでも闘えるようになるのである。
ロールアウトから7年というのは、ミノフスキードライブと、バイオコンピューターを搭載して限界性能達成機として生まれ変わるための時間であった。
 
 
●F92の物語
F91は、1stガンダムのリメイク的な作品であり、シーブックは最もアムロの要素を濃く継承する主人公である。本来、2周目の物語という意味が与えられていた。
最終的にアムロとシャアの物語は、ララァ不在のため決着の付き様がなく、喧嘩両成敗的に行方不明の形で終わる。F91は、NT同士による完全恋愛を意図されていたため、シーブックとセシリーが完全な恋愛を成立させることによって、ガンダムは完成し、終了する予定だった。
劇場版の物語は難民を載せて月へ移動するところで終わっている。月にはサナリィのスタッフが逃げていることから、合流してF92のようなマシンを入手する展開が予想される。F91は最高性能実験機だったが、F92はもう少し量産機的な、普通の高性能機になるだろう。F91は出撃のたびにオーバーホールに近いレベルで整備が必要で、さすがに追いつかない。改良し、切り札的に使うのが良いだろう。
 
・シャアの機能を2分割
シーブックアムロの再来を強く意図されていたことから、シャアの機能を持つ敵も強く意図されることになる。セシリーの兄であり、NTとしてドレル・ロナを、優秀だがオールドタイプであり、策略などを用いることに長け、たぶん恋敵としての役割をザビーネ・シャルが担当するはずだったのだろう。
この役割を分割する形でのキャラ造形は画期的だったと思われる。
エヴァンゲリオンでも新劇場版では惣流・アスカ・ラングレーの役割は、部分的に真希波・マリ・イラストリアスに分割されている。
 
ニュータイプ殺し
基本的にニュータイプはオールドタイプに圧勝する。戦闘開始前に、超長距離狙撃で落とされて終わる程度には力の差があるためだ。ミノフスキー粒子の干渉下では、レーダー・センサーが使えない。ニュータイプによる感知能力と、精密狙撃というパイロットスキルが揃うと、一方的に遠距離から敵を落とすことが可能になるためである。
自然発生的なナチュラルなニュータイプは、半ば、世界(もしくはガンダム)に選ばれた存在である。逆シャアまでのシリーズで強化人間(人造ニュータイプ)では勝てないことが証明されてしまっている。
すると次は機械化の時代がくることになる。AIもしくはサイボーグ、その中間などだ。
ニュータイプとは、広大な宇宙空間への進出によって、コミュニケーション能力が拡大し、誤解しなくなった存在と言われている。従って、ニュータイプに勝つには、コミュニケーションが成立しない機械の方がより適していることになる。
 
・EXAM、NT-D、そして鉄仮面?
バグのAIがお粗末なことが先に示されていたため、人間の強化がよりニュータイプを殺す方向で行われると考えられる。類例として挙げられるのがF91より後発のアイデアであるEXAMやNT-Dであろう。
これらはどちらもニュータイプの戦闘力の本質である『コミュニケーション能力の拡大』を阻害する意図がみられる。EXAMではパイロットとシステムの主従関係を逆転させ、システムの殲滅衝動がニュータイプを襲う形をとる。NT-Dはパイロットの殺意や憎悪を増幅させ、暴走に近い非制御状態で運用する。こうしたディスコミュニケーション能力によって、ある意味リア充であるニュータイプを殺す仕組みになっている。
結果を考えると、ニュータイプのドレル・ロナを殺すのは、強化(改造?)されたザビーネになるはずで、それがガルマ・ザビ的展開になると考えられる。ドレルとセシリー(ベラ)の和解とか歩み寄りを描いた後が理想的だ。
ちなみに、後日譚とされるクロスボーンガンダムではザビーネは狂人となる。この形式もニュータイプとのディスコミュニケーションという意味で有効性があるかもしれない。
(私はクロボンを公式とは認めない立場を選んでいます)

ザビーネの改造は、機械式になるのが妥当だが、これには相応の名前が必要だろう。サイボーグや機械化といった安易なものではダメだからだ。思考速度や反応速度などを機械的に加速するぐらいは当然として、鉄仮面の後継者という意味もある。人型サイズMSの実験体ぐらいにしないとシーブックの敵として足りないと思われる。
鉄仮面が生身?の状態で宇宙に飛び出し、人間の筋力を超えた力でMSの装甲を引っぺがしてセシリーを引きずり出す点、また銃撃をものともしていないことを考慮するべきだろう。
 
・AIの問題とニュータイプの『人間理解』
ガンダムWでは、戦闘の自動化として完全AIによる戦闘が行われていた。AIが戦えば、人は死なないですむクリーンな戦闘になる、云々である。ただし、宇宙世紀の場合はミノフスキー粒子によるレーダー・センサーの阻害が設定として存在するため、どこまで有効かは微妙な疑問が残る。
Ζガンダム時代、軟禁されていたアムロが逃げ出す際、飛行機に乗り込むシーンがある。その飛行機に乗ったことが無いにも関わらず、計器やスイッチを素早く操作していた。これは今で言う人間工学への理解ということが言える。人の意思が反映されている『モノ』ならば、理解できるという意味がある。AIは機械だが、AIを作るのは人間だろう。であれば、AIの設計思想などで人間の意思が反映されていれば、ニュータイプはそれを理解できる可能性がある。
AIや機械でニュータイプを倒そうと考える場合、AIでAIを設計し、ソフト面のみならず、ハード的にもAIに特化した形状であるべきだと考えられる。
 
ニュータイプを殺すには
最終的にニュータイプデストロイヤー的な仕組みにニュータイプが対抗できなくなる段階に至るだろう。
ニュータイプでは勝てない相手に、どうやって勝てばいいのか? ニュータイプ以外の要素が必要なのだ。
アムロは最初から戦術をとても意識していた。最終的にニュータイプへと至り、MSの性能が足りなくなるのだが、当初はただの天才だった。アムロ宇宙世紀最強と言われるのは、パイロットとしての技量の高さにその理由がある。
そしてシーブックもまた、ニュータイプであると同時に、戦闘の天才だった。2周目としてアムロの要素を引き継いだことに加え、2時間映画の主人公であることで異常な戦闘力を示してしまっている。
このことはむしろプラスに作用するだろう。シーブックを天才として描き、ニュータイプというだけでは勝てない戦闘を描くことで、ニュータイプという行き過ぎた設定を殺すことが可能になる。
 
・ロナ家について
ジオン・ネオジオンは求心的な存在であるミネバとシャアを失ったことで瓦解したと考えられる。(ハマーンは幼かったミネバを傀儡にしていた)しかし、連邦の棄民政策によるスペースノイドの不満が解消されたとは考えにくい。従って、スペースノイドやジオンの亡霊がクロスボーンに加わることが考えられる。この際の思想的なブレが問題になるかもしれない。
また、デギンに対応するマイッツァーはいるが、ギレンに対応するキャラが婿養子の鉄仮面になってしまうことが問題になるだろう。死んだはずの鉄仮面(カロッゾ)が、復活した(もともと死んでいなかった)として不気味な存在感を煽ることは可能かもしれないが、マイッツァーを殺す器としては小さいのが気掛かりなのだ。鉄仮面はあの老人を言い訳にしなければ、人類抹殺などできない。従って、鉄仮面を先に狂わせるか、もしくはマイッツァーを別の誰かが毒殺するなどして、鉄仮面を狂わせる形になると予想される。
セシリーの母、ナディアはどうなるのか。キシリアに対応するキャラもいない(ベラがその役か?)洗脳して敵として使えるだろうか? しかし、非人道的なことをしようとすると正義のつもりのドレルやザビーネが反発することにもなるだろう。こうなってくると、政治向きの人材が極端に少ないことになる。
マイッツァーの考える連邦軍との間の落とし処はどこなのか?という問題が少なからず重要になるだろう。その予定に対して主人公サイドがどう戦っていくかという物語になっていくだろう。
 
・ドワイトは第2のブライト・ノア
ガンダムは、ロボットのパイロットと、戦艦の艦長というダブルヒーローシステムを採用し、続編においてもロボットのパイロットを交代させつつ、戦艦の艦長をブライトにやらせることで作品世界観の根本を維持・継続させた。このシステムは強力で、ブライトのヒーロー性を殺すためには、息子であるハサウェイをブライト自身の手で殺す必要があったほどだ。
F91はブライトの後釜として、ドワイト・カムリが用意されていた。しかし、レアリィ艦長代行(女性艦長)といったようにブライトの役割も分割したことでドワイトの意義は薄れている。
(公式とは認めていないが、クロボンを参考にすれば、セシリーが艦長をやっている)
 
・セシリーをどう描くべきか
ファンネルを使うのは、ヒロインであるセシリーの役割だろう。セシリーはララァでありつつ、シャアの妹セイラさんのキャラ設定を引き継ぐ存在である(造形的には分割ではなく、合成)
クロボンではセシリーをただのオールドタイプにしてしまい、ニュータイプ同士の完全恋愛を根本から否定してしまっている。つまりF91やその続編のガンダムとしての文脈的意義を何も理解できていないのだ。
キャラとしてはカミーユ的な熱狂的・キチガイ的側面はセシリーに割り振って、物語を動かす役割になるはずである。女性であれば、多少のやり過ぎも大目にみることができるからだが、クェスまで行ってしまうと流石に鑑賞に耐えられなくなる(苦笑)
 
・ファンネルの利用法
MSと一緒に運用するだけでなく、戦艦と組み合わせると良い。戦艦+ファンネルであれば、戦艦の戦闘シーンに華を添えることが可能だ。またF91以降は戦艦+ビームシールドが基本装備となるはずなので、必要性が加速すると考えられる。戦艦+ビームシールド+ファンネルとすることで、敵戦艦と渡り合う戦術を構築するなどが生まれるだろう。
ファンネルやサイコミュは脳を破壊し、その状況を読み取ることで成立している非人道的兵器の側面がある。ここでバイオコンピュータを利用し、ダメージを生体ユニットに肩代わりさせる方式を用いれば、セシリーを守ることができる。