明日の世界


youtube:3分半の動画
セカイのハレ晴レ。今日もまた何処かでハレ晴レ。



●超映画批評:『トゥモロー・ワールド』90点
http://movie.maeda-y.com/movie/00831.htm


個人的にも90点でいいと思った。80点でもいいけど79点にはならない。
娯楽作品として気楽に見るには面倒な作品。エンタメ←→ソウル問題と捉えているのでソウル系。
凄いんだけどさっぱり楽しくない。だから90点以上はあげられない。


クライマックスぐらいのところで主人公の後ろにカメラの人がいるんだけど、カメラに血がパッと飛ぶ演出で長回しだって気が付くのね。それがそこでワザと長回しだと気が付かせようとしているかどうかまではわからないのだけど、「なんかスゲー」と思考停止。
 厳密な話としてはそこでメタ視に覚醒させられちゃったわけで、演出としては失敗なんだけども「とにかく凄い」で思考停止するのが正しいと思う。「ああ、これどうやって撮影してんだろう?」とかってことがともかく気になるようになる。だけど、そんなのを考えながら見るのは厳密には間違っている。反則だ。でもまぁそのぐらいしか楽しいことがない*1映画なんでそれでいいようにも思う。
その後、高らかにフィクションが鳴り響くのだけど、まぁアリだとしておかなければなるまい。
当たり前のことだけど、フィクションを楽しめる人だけがフィクションを楽しめるのだ。


風景、画面の美しさも素晴らしいんだけどこの映画の要素としては完全にオマケだし、この映画を褒めて権威付けするために使いたい言葉ではない。




●オタクによる世界平和という欺瞞
最初に貼った「世界のハレ晴レ」はSomething Orangeさんのネタ。
トゥモローワールドを見た後だと、本当には言ってはいけないことを考えてしまう。
いわゆる、オタク作品による世界平和への貢献という奴だ。
京アニは凄ぇ、下手な政治活動よりずっと世界の心をひとつにしているよ!」ってね。



そんなわけないんだけどさ。でもいいたくなってしまう。


本当の本当にはウソに決まっている。たかだかオタク作品で世界が平和になるわけが無い。
でも、娯楽作品の中にだけある「ありもしない出来事」に夢をみたいと思ってしまう。
ネギま!とかだって世界中で読まれている。日本は文化を発信している。オタクの正義感はおおまかに言って世界共通だろ?……とかね。




冷ややかな目で「ロマンチストは気楽でいいね*2」といわれても仕方ない。
世界平和(征服)なんてのはロマンチストだけに許される娯楽だしね。



ただの悲観論者には興味ありません。
慎重な楽観主義者、夢みる現実主義者、堅実なリスクテイカーがいたら世界平和を実現しなさい。以上!

*1:物語は素晴らしいと思う。楽しいかどうかってのは方向性の話

*2:でもこれフルメタルパニックのネタ