雑記(結晶作用問題)

 
問題は、何をもって第二結晶作用と呼ぶべきなのか?という「べき論」の話。
 
スタンダールです。「赤と黒」を読み途中です。ぶっちゃけ「萌え萌え」です。下手な恋愛物とか比較になりません(笑) いらんところは読み飛ばして主人公と夫人の恋だけ読めばいいと思います。凄いです。名作です。めんどくさそーとか思っててゴメンナサイ。読まれているものには理由があるっさー、みたいなちゅるやさん語を使いたくなります。以下で部分的にネタバレかましてるんで読むなら自己責任で。
 
ともかく説明するの面倒なので、リンクはるっさー♪
●トート号航海日誌:スタンダール恋愛論
http://www6.plala.or.jp/Djehuti/520.htm
 
初めてお邪魔しました。人様のサイトに無断リンクするのはいつもながら仕様です。こういうときだきゃあアクセス数が少ないのは助かりますね。
 
カニズムがこんな感じ。
 
1.感嘆。
2.「あの人に接吻し、接吻されたらどんなにいいだろう」などと自問する。
3.希望。
4.恋が生れる。
5.第一の結晶作用がはじまる。
6.疑惑が生れる。
7.第二の結晶作用。
 
リンク先に第二結晶作用の説明も一応書いてあるんだけども、プロセスは分かるんだけど言い当てていない感触があるのね。何故、「結晶作用」みたいな言葉になっているのか?ってことで、その説明よりも名称の方が多くを語ってしまっている感じがするわけですよ。
 
で、例えばロミオとジュリエットだと最後に2人とも死んじゃうじゃないすか。ジュリエットは改めて後追いまでする。アレって不自然な感じがするんだけど、例えば「あれこそが第二結晶作用だったんだよ!」「な、なんだってー!!?」と書いてしまうと個人的にとても上手く「納得しちゃえる」んですよね。死することによって2人の愛は(結晶化して)完成した、みたいな。
 
赤と黒の方が恋愛論よりも後発なのね。こりゃ「パルムの僧院」も読まなくっちゃナーとか思うのだけど、ともかく、犠牲を払ってしまうことによって逃げられなくなる、といった描写が素敵すぎます。恋人を、特殊な友人の一種と捉えるのか、それとも自分の人生の中心事項と捉えているのか……みたいな。作中にある「社交界の格言」で言えば、「1日の間に何度も裏切られる」のだとか。そういった女性の移り気にどう対処するのか?ということへの一つの解答になっているのでしょう。第二結晶作用を通じて恋と恋人は人生と深く関わり、切り離せなくなる。
赤と黒の場合は、夫人の子供が病魔に侵される。それを夫人は不倫関係に対する天罰と認識します。しかし恋人を想うことは止められない。苦悩が人を作り変えていきます。結晶作用とはなんとも素晴らしい表現・名称だと思います。
 
 
記号的なステップとしても第二結晶作用はエンタメを見る時に重要な要素なんだろうなーとかなんとか。