千雨にみる守破離のリズム

 
こりゃなんだ?……コラムか?
 
守破離ってのが禅から来てるのか能から来ているのかよく分からないし、哲学の解体構築(脱構築?)とどういう関係にあるかは正直なところ把握するのがめんどっちいのでパスする。ネギまラカン風に言うなら、「まぁ、みんな似たようなもんだろ」(どーん)といった話だろうか。
過剰に正しいのが好きな人がウチのサイトなんか読むと穢れちゃうのである。
(ああっ塩をなげないで〜)
 
というわけで、守破離
「守」は、まず守れ、素直に吸収しろみたいな意味。
「破」は、壊していけとか、工夫しろみたいな意味。
「離」は、独自路線を歩め!みたいな感じ。
 
…………心配なら、自分でググろう、ホトトギス
 
 
これ、「守」の段階が非常に心地良いわけさね。
なんか新しいことを始めたとすると、最初は慣れてくるまで時間が掛かるわけで、「もっと新しいの!もっと新しいの!」とか言いやがるバカは嫌われるのです。頭デッカチの間抜け野郎は成長の一番美味しい時期を奪おうとしてしまう。ジックリと細胞に染み込ませて行くのが「守」なの。そりゃもう、鎖をかじったりしたハンタのクラピカみたいな感じ。
 
脳ミソで言うと、学習→強化(慣れ)→飽き……が滑らかに連続するわけ。
なんで飽きるかって言うと、単純にいえば刺激が足りなくなるから。これでルーティンワーク化していくのだ。
「破」の段階は慣れて来て刺激が足りなくなるころを見計らって、強い負荷をかけたり、工夫したりすることにその意義があるのだ。ちなみにこのタイミングを逃すと、今度は「安定」に走ってしまって変化を嫌うようになってしまう。保守的になるわけね。速くても遅くてもダメってこと。
 
「離」の段階は、ひとり立ちするとか、自立とか。ほっとけば勝手に自分で上手くやるようになる、といった話。任せられるようになる、というか。
 
 
さて、ようやく千雨のところまで戻ってくるわけだけど、
学祭で魔法のことを知った千雨は、超戦では自分の現実を守ろうとする。
そのまんま「守」になっているのね。まず、守る。
 
次に、魔法世界に来て現実がガンガン広がっていく経験をすることになった。これはもう「破」なわけ。特に魔法世界へとやってきて、ここも現実の延長だ!とか嗅ぎ取ったところとか、獣人が闊歩する街での驚きとか、ラカンの滅茶苦茶さに置き去りにされていくところとかで、世界の広さを知ることになった。
楓がナギ(クウネル)と戦ったところも同じ。true tearsじゃないけど、より高く飛ばんと欲して、「空を見上げる」わけですよ。
 
 
このように、千雨のリズムは非常に馴染みやすい。
ジョースターの血は馴染むぞ、ジョジョ!ってぐらいに。
 
 
最後は、「離」に至る。
 
「離」の難しさってのもあるんだけどね。
明日菜なんかの場合は、自分の目的を持って動き始めてしまっている。これが恋愛作品とかだと、彼女が自分のやりたいことを見つけたりして、生活がすれ違ったりするとかってネタになるんだよね。マガジンだとスマッシュとか、エリアの騎士のヒロインとか?
 
……念のためフォロー入れとくと*1、相方と程々の距離を保つのが長く続ける秘訣とかって話もあるわけで。その辺りはケースバイケースでなんとも言えない。
 
結局は、そこで「手を離すことができるかどうか?」という話なんだけどさ。
相手に翼を与えたとして、手を離したら逃げてしまうのかどうか。では自分はどうだろう?どこまでも飛んでいける翼があったとしたら、空の彼方を目指さずにはいられないかもしれない。オーバー・ザ・レインボウとかね。答えは色々考えられるから、一つということはないわけで。例えば、伴侶はともかく、仲間ってのは何人いてもいいもんでしょ。別々の道に離れて行くばかりが「離」ではないのだし。
 
 
それから、一言触れておきたい。
千雨は基本的にヒーローであって、ヒロインではない!(断言)
気に入らんのですよ、千雨が女の子としてちょっと色気づいてきたんじゃないの?的な意見が。納得イカン。
 
女の子の部分などというものは、香り付けに一滴二滴使われたバニラエッセンスのようなものなんですよ。ビンごとドバドバ入れちまったら折角の上品な仕上がりが台無しになってしまう。
 
もう少し甘くしたいのであれば、ネギからの信頼を与えるのがいい。そりゃもう、真っ直ぐな信頼だ。
 
 
彼女はそれに全力で応えるだろう。*2
 
 

*1:フォトスタジ……ゴホゴホ

*2:こういうのが糖分なんだよ