雑記(心が叫びたがってるんだ。)

 
 
心が叫びたがってるんだ。(アニメ映画、TV放送版)
ううむ、岡田マリーの割りにマシな作りだった気が……?
ムカツキポイントとかヤバそうなところは色々あったけどね。喋れないのってそんな甘ったるいヤツじゃねーべ、とか。「喋れないのは甘え」とか下手に言おうものなら、社会的に抹殺する機関が動き始めるじゃなかったっけ?
 
まぁ、マイナスを減らすのはある程度大事ではあるけど、それで面白さというプラスが増えるかっていうと、また別の話なんだよね。いちゃもん付けられないデキだから、凄い、とはならない。面白さは全体の構造でもって「面白く作らないとダメ」だ。
一応言っておくと、異世界食堂のケースは致命傷を放置しているから論外な。
 
じゃあ「ここさけ」は致命傷をやらかしてねーんか?といわれると、どうだろうなぁ。主人公とヒロインがくっつかないのが致命傷かと言うと、じゃあどこをどう直すの?ってことになるわな。
むしろ脚本のメインイベントが、ミュージカルを放棄して逃げるヒロインを追いかける部分にあるのが見えちゃう。ヒロインが逃げたことで、巧くダブルヒロインになるっていう展開なんだよね。別々の歌を同時に歌ってるわけで、字幕がないとあれはキツイけど(笑) ウチは字幕だったんで問題なくてな(爆笑)
 
そりゃね、がんばったんだから、最初からミュージカルをヒロインでやれよ!とか思うよ。そんで主人公と付き合えばいいだろ、と。でもこの脚本でそれをやると、恋愛ものとしてはかなりストレートで薄っぺらい展開になってしまう。うまく喋れないヒロインが、王子様的な主人公と出会って、ミュージカルやって、ハッピーエンドでしたって、そりゃなんなのさ!?ってなりそうなもんだけどなー(笑) 2時間映画で恋愛をやるんだとしたら、逆に薄いよ、内容が。
 
なんというか、シンデレラ的な逆転のアイテムだのが必要じゃんか。みすぼらしい→シンデレラ→みすぼらしいとヒロインが変移して、そこに「ガラスの靴」っていう逆転アイテムでもって、みすぼらしい状態に戻ったヒロインを発見する。そうした意味での、起承転結でいう転に相当するイベントがなくなってしまう。だいたい、喋れるようになったら、主人公は必要ないんだよ。
 
 
でもまぁ、マリーの視点のブレは問題かな? アニメ脚本だと問題になりにくいのかもしれんけど、(いや、問題になってるから嫌われてんだろうけど)感情移入する際は、個々のキャラに焦点を合わせなきゃならない。そこが微妙にズレて感じるから、エンド作りが下手くそに感じる。
全体を見ようとして、全体が見えているから、バランスを取ろうとしてるみたいなんだけど、そのことで視点ブレが起こってて、なんだこりゃ?みたいになる。 ガンダム・オルフェンズでも、主人公視点から切り離されて、世界の視点になって終わってた。わからなくはない。でも裏切られた感覚は残る。それを作家性と呼ぶのはどうかと思う。たぶん、訓練の問題だろう。コントロールできる監督が必要だが、超平和バスターズとやらでは、まぁ、無理だろうね(苦笑)