雑記(転移関係)

  
204時間目のラカンの「エヴァのコトは好きじゃねぇのか?」
 
……みたいな台詞なんですけど、精神分析の方のジャック・ラカンのことを考えると、転移関係を利用した話なのかもしれませんね。つーか今となってはそうとしか思えないんだけど。
 
 
転移ってのは、ガンが転移するっていう感じの言葉・概念なんだけど、精神分析とかで使われる場合は(たぶん)物語が相手にも移っちゃうとかって意味で使われるものらしいんです。
 
まぁ、いつも通り詳しくは専門書にあたってね?とかって書くのもアレなんで、ちょっとだけ素人が説明してみましょう。
 
肩こりとか腰痛のようなものって、マッサージとかしてるとうつっちゃうことがあるんですよ(苦笑)
 
こういうのは呪い(まじない)みたいな世界の話に見えるんだけど、転移させることで自分の痛いのとかを癒そうとするんだよね。「そういう人間関係が存在する!」って何となく気付いたりする人がいる。ちょっとその手のエネルギーとかに敏感な人はマッサージとかで一度美味しいおもいをすると、「やってやって!」とせがむようになる。ある種の依存というか。「やってやって!」って言う人ほど、移すのが上手いっていうか(笑)
なんで、プロの治療師さん達は「礼儀」とか、「治療師−患者」の関係を間に挟むことで自分を守ろうとするわけ。
 
何が起こっているのか?というと、「身体を動かしている意識」がコピーされちゃうのね。
マッサージとかの場合、究極的にはこの「身体を動かす意識」を変えてやることで治療するところにもって行こうとするわけで、文脈的にはモチロン身体を治しているんだけど、「じゃあ、どこまでが身体なのか?」って話は専門家にとっては皮一枚隔てた先の具体的なレベルでの話なので、表層の意識で筋肉をモミモミしてるつもりでも、やっぱり上手い人たちはその向こうに手を届かせていくところがある。
 
逆に、スーパースターとかの身体に触れると、プラスの転移が起ることが期待できたりもするわけね。セックスが何で出来ているのか?ということの一端でもあるけど、現代の怪我だらけの運動選手はともかく、超快適な超健康体のもっているなんらかのパワーとかってものを考えたら、エッチはともかくとしても、ちょっとぐらいなら触ってみたくだってなるわけで。彼らは、チョーキモチイイ!とか、生きてきた中で一番シアワセですとか言うでしょ。ブンガクの早漏さって、気をつけないと快感(射精)のことばっかりになっちゃうけど、もっと快適感ってものに注意して生きていかないと、「あんたはヘタッピだからレイプ!」みたいな話だからね。(←こういうのは単なるエキセントリックなトリックだけど、詐術としてはそれなりに有効。真実を含んでいるからね)
 
 
で、精神分析の方がそういう事情を知ってか知らずか、「身体に触ってもいないのに移るものがあるらしいぞ」、という話が転移なんだよね。その人の事情や物語に感情移入したりすることで巻き込まれてしまう。
例えば、刹那役の小林ゆうさんなんかは独特のワールドがあるみたいだけど、みんな巻き込まれちゃうようなところがあるわけでしょ。もちろんゆうさんのは楽しいとかで済んでると思うけど、アレがグデグデで陰惨で悲観的なワールドだったとしたら、やっぱり転移関係ってのは強力なパワーで他者を巻き込んでいくものになるわけで、そういう人格的な強さってものが世の中にはあるんだよね。
 
 
で、ラカンはそういうのから自由だった…………って話かもしれないぞ、と。
ネギがパパが好きとかって物語から自由なんだよね。客観的な立場(非常に主観的なキャラだけど(笑))を失わないというか。
 
 
でもまぁ、この概念に名前があったよーって話でしかないかな。
ちなみにたまたま「ブッタの夢」って本を再読してたのが切っ掛け。箱庭がね……(省略)