魔法先生ネギま! 245時間目

 
今週のマガジン面白すぎでしょ。ヤバイヤバイ。だけど、肝心のネギまの所の印刷が悪くって……orz まぁ、こういうときもあるんだけどサ。
 
 
普通に読むと、トサカの馬鹿って何がやりたかったの?って感じなんすけど、ものっそい細かく見ていくと違う景色が見えたりするんですよね。
 
私はゲーム理論はわからん人なんですが、ゲーム理論っぽい部分があるなーというのが切欠です。ネギはまだ10歳なのにトサカへの対応がダメだ!とかすげー厳しいなぁ(笑)とか楊さんのとこのコメとか見て思ったりしていて、なんとなく「そっかーゲーム理論っぽい組み合わせがあるのかも?」とか考えつつ、でも書くなら次(今回)の感想の時にしよっと♪なんてことを考えていたわけです。
 
 
ネギ側の行動選択は244時間目の通りで、亜子達を解放しようと思ったらトサカに屈することになってしまいます。通報されても逃げれば捕まらないで済むでしょうけど、亜子達は首輪があるから一緒には逃げられません。すると数年後に自力で自由を掴むしか手段がなくなります。最善手はたぶん断って無視かも?とか思うんですが、それはトサカ側から考えないと出てこない手段ですね。
 
トサカ側からすると、10年遊ぶ金を手に入れようと思ったらネギを脅すよりも黙って通報した方が賢いとなりますが、そうはしません。とりあえずネギを屈服させるのが目的の場合、亜子達がいないと逃げられてしまいます。つまりラカン戦で勝ったら逃げられてしまうので、決勝の前日までに首輪をつけさせなきゃならないことになります。ポイントになるのは、実はラカン戦には出すつもりでいるって点です。だからネギを捕まえてしまうと具合が悪いのはトサカも一緒なのですね(笑)。これは240時間目に「拳闘団が干される」ってバルガスのセリフがありますし、今回もラカンと闘わせようとしている点では同じです。
トサカからすると、ネギが要求を無視した時には、黙ってしまうか、通報するしかないんですが、捕まえてしまうと金は手に入ってもラカン戦が台無しになってしまうわけですね。結局、この条件って凄くおかしいことになります。ネギが予定通りに屈してくれないとトサカにとってあまり美味しくないんですよね。…………トサカは、ネギに対して何をしたかったのでしょう?
で、今回ですけど、あっさりネギへの脅迫を引っ込めています。ここから金目当てでは無かったということがほぼ言えるようになりました。これだと屈服させて言いなりにさせようとしていた、としかいえなくなります。
  
それから、亜子にバレたところでシラけたというのは、内部的な処理としては「ネギを脅す」という行為が、亜子達にバレていない条件下でのみ成立する、とかの計算が働いている臭いんですよね。亜子にバレたからって脅迫自体は成立したままです。ここにもトサカが目的(理想)とした行為がぼんやりと見え隠れしています。
 
後は亜子が好きなんじゃないの?というベタな話を考えたのですが、どうもピンときません。カラダを自由にしたいだけなら亜子との取引に乗ればいいんだし、もっと「高度に」好きだっていう場合には、亜子の好きなナギを脅して言いなり状態にしようとしておいて、何がどう高度なんだ?って話になるでしょう。
 
アキラの言うように「単に嫉妬で意地悪してみた」というのが正解かもしれませんけどね。
 
 
……で、私の推論はこうです。
トサカはネギと仲良くしたかったんじゃないの?と思うんですよね。ネギを弟分にして、兄貴分ごっこがしたかったんじゃないの?ってね。
 
ハァ?って感じなんですけどね〜。でもツンデレ野郎だし、金でもなく、亜子でもなく、ネギが目当てなんです。「構いたかった」としか思えないんですよね。
 
ネギがいて、コタがいて、亜子達3人がいて、この1月半って結構楽しかったんじゃないでしょうか。というか最高に楽しかったのかもしれない。でも亜子達を奴隷から解放したら彼らは去っていってしまいます。だから、もうちょっとこのやり取りを続けたかったのかもしれません。……まぁ、そのためにネギを脅したりするのはやりすぎなんですが(苦笑) なんかいい加減のところで「もう行けよ」とか言いながら首輪を外してやって、ネギに貸しにしておく、みたいなイメージが浮かびます(笑)
 
 
 
という辺りまでが実は半分。
 
 
 
更にここから、実はネギが原因のマッチポンプ的なメロドラマだったんじゃないか?とか思うわけです。ネギって「構ってちゃん」ではなくて、「構われ体質」なんですよね。周囲の人間が寄ってきて「かまわれてしまう」ヤツなのです。口出ししたくなるような、気になっちゃうような。心理学だかで言うとたぶん転移なわけですけど、今回のトサカもネギの転移に巻き込まれて、ネギを構おうとした結果のように思えるのです。
 
このトサカとの対比になるのは、ネギの転移から自由でいるラカンでしょう。今回の拳闘大会への参加も、どこかネギから自由でいることを示すための演出として見えてしまうのです。ふとした思いつきだけで簡単に敵対できちゃう自由人のスタイルであったかのような…………ネギを構っているという点では同じだと思いますが、トサカのとは正反対なんですよね。(ラカンの方が手に負えない分、質は悪いんですけどw)
 
トサカがネギをボコボコと殴るわけですが、ネギは殴られたからって折れてしまうような「硬質な精神」の持ち主ではありません(もっと陰湿な精神の持ち主なわけでw)殴るぐらいでトサカが脅迫を引っ込めたのであれば、むしろネギの勝ちとしかいえないような状況です。ネギの生存戦略の勝ちというべきか、でもトサカの蛮行そのものがネギに狂わされた結果だったのかもしれず。
トサカはネギを構いたかったのだとすれば、ボコボコと殴って蹴って、思う存分に「構った」わけでしょう。そしてそれはネギの生存戦略からすれば、予定調和的だったということになります。
 
こういう人生ドラマはリアルだとくだらないだけだし、本当にツマラナイものでしかありません。ですが作品としてはくだらなくなんかないわけです。むしろ驚きというか。どこまでを作者は計算して描いているのでしょう? 勿論、私が考えすぎているだけかもしれませんが、それでもこういう風に「も」読めるということ自体は「ほんとう」です。
 
 
さてと。あとはテキトーに。
今回、亜子の告白&キスシーンきましたねー。展開早いなー。必ず勝ってください!ってのの意味がよく分かりませんが(笑)、お約束ですかねぇ。
 
で、ネギの方はこれで立ち上がる準備は出来たわけですが、またまた「ヒーローの条件」が問題になるようなシチュエーションになってきちゃいましたね。どういうヒーロー像を提示するのか次回が楽しみです。まぁ、来週は休載ですけど(涙)なんというか、単純にこういう回想の後では理性を吹っ飛ばして暴走しにくいっていうのがあるんですよね(笑)
 
ネギがヒーロー……………………? 想像つかないなぁ(笑)
闇の魔法で無を諦めて混沌(全)を目指したのなら、そっち方向でバランスをとるとか? わかりますぇーん。なんか、ワルっぽいというか、断固とした行動をとれりゃいいんだろうけど、諦めないとかになるのかな?
 
 
それよりも、今回は素晴らしい回でしたね。
 
しょっぱなの朝方のシーンで亜子が長袖を着ているんですよ!長袖ですよ?変化があるマンガ!プライスレス!その後、着替えて朝日っぽい光を浴びるところで、この長袖の効果もあって、少し暖かさを感じさせているんですよね。
 
それからトサカがトンボをかけているんです。こういうところで性根がでなきゃどこで出るんだ?ってもんですが、というか、わたしゃこういうシーンが大好きなのです。しかも翌日にゃラカンに思いっきり破壊されるってのがたまりません(笑)
このトンボかけの描写って仕事とか生活が背景にある行動なんですよね。世界から規定されて始めて出てくる行動なんです。スタジアムを背景にするための苦し紛れのつなぎだったのかもわかりませんが、生活が垣間見え世界が広がる一手だったと思います。
 
 
今回はお笑い体質は控えめでしたねー。お陰でストーリー「は」楽しめましたが、ちょっと寂しい気も(笑)
 
表情に関してですが、今回も鮮やかなお手並みでございました。メインの亜子に関しては分散されているのでコレってのは選びにくい状態ですが、アキラは勿論、脱がされそうになっているところの顔でしょう。トサカはギロっていうキメ顔アングルもいいんですけど、やっぱり「は。」ですよね、「は。」
それにしても先生はネギの情けない顔とか描くのが好きなんでしょうか?(笑)
 
 
それと背景ですが、背景論的にはトンボかけだけでも満足度が高いんですが、何気にネギが殴られた後で壁に寄りかかって座っているところ(1枚目)が好きですね。ちょっと面白い絵になっています。壁に寄りかかることでネギが半分、背景化しているんですよね。
前回もそうなんですけど、壁に触ったり寄りかかっているとそれだけでもう中次背景になるんですよね。そりゃそうだ(笑)っていう。ぐぅの音しかでません。ぐぅ。お腹ヘッタ。
 
 
長々と書きましたけど、亜子、がんばったね…………で余韻を楽しむのが良いのではないかと。後はもうネギが、「5年、いや3年待ってください!」とかアホなことを言うのかどうか、ですね☆