雑記(大人のための東のエデン)

adagium2009-05-24

 
●大人アニメとしての「東のエデン
以前、大人向けアニメが増えるといいのになーと書いたのだけど、まさにコレがそうなんだよね。そのときは某S氏に攻殻機動隊のアニメを勧められたのだけど、結局タイミングが合わずに見なかった(近所のビデオやが潰れたりがあってw)
 
たぶんフジテレビのノイタミナ枠自体が、日本のアニメの価値から考えてヲタクよりもう少し広めの客層に広がるのを期待する戦略なんだと思う。古い枠組みで考えると、アニメを見るということは「ヲタク文化に参加する」という壁が存在していて、そこを越境した相手を仲間と見做すような親和性(=排他性)があったわけだ。そういうのはそもそもヲタク自体をゴミ虫のように扱う「普通じゃない人」という烙印の結果だったわけだろうけど、その辺でのテレビの功罪だってあるにしても、そういうのはルサンチマンな人が凄くまっとうな文章を書いているだろうから省く。日本の特異性だとか文化的な評価としてアニメを高く評価できないこと自体が老害的な意固地でしかないと思うわけだ。既に存在するもの(世界からの一定の評価)を利用しないのはぶっちゃけ低脳でしかないわけだよね。その意味で「普通の人が見ても恥ずかしくないアニメ」というイメージをノイタミナ枠自体のブランドとして定着させようとしているんじゃないか?といった風に考えられる。これは(巧く行くかどうかはともかくとして、)悪くない発想だと思うのね。長期的なコンセプトとして高く評価したい。……なんとなくそんな雰囲気があるので「ノイタミナ枠っていいよね!」的な発言を意図的に書いていたりする(笑)
 
それにこの手の背景があるから「東のエデン」みたいな作品が出てこれた、というのがまず一点あると思う。
 
ヲタク文脈的な作り方をしている作品というのは、ヲタク的ワードをちりばめてあったりするわけだけど、例えば最近のエアギアだとダイ大でメラがどうとか言ってみたり、キャッツアイしてみたり、コンバトラーVのネタを入れてみたり、といったことをすることだと思う。デスノートのネタで「駄目だこいつ……早くなんとかしないと……」みたいなのを入れたりすると「知ってる!」を刺激できて趣味としての範囲で(記憶の)関係強化にもなるわけでしょう。
 
……別にミニスカ巨乳ニーソの目が巨大な魔法少女とか、萌え萌えキュ〜ン!とかでもいいんだけど。
 
これが「東のエデン」みたいな作品は(その目的からヲタク文脈を使うことを選ばない傾向があるため)より多くを「実生活」や「より一般的な文脈」から引用してくることになる。例えば新宿で映画を見たことがあるなら、ナンバー4 近藤(いわゆる汚れちまった刑事)が死んだ場所って「行った事がある」と思うんだよね。この手の「あるあるネタ」の運用はその背後に存在する文脈の問題を意識しないといけなくて、だから「東のエデン」が面白いかどうかというのは(たぶんアニメとしては面白くない部類に入ると思うのだけど、)非ヲタク文脈を中心にすることによって、ヲタクに対する排他性が働くのかもしれない、と言った辺りも考えておかなければならない。
 
その辺はプラネテス東のエデンの差って何?みたいなことを考えないといけないかなーとかね(笑)
 
東のエデンの困ったところは、話題を共有しにくい部分もある。設定の読み込みとかにレベル差が出来ると思うから、考察というか感想で何を書いていいのか良く分からない。情報自体はそれなりに明かされてはいるんだけど、例えば「赤い指輪の男がナンバー1みたいだけど、」といったごく普通の一文に果たして何人付いてこられるのか?みたいな。2回見てるとか、好きな人は付いて来られると思うけど、サラッとしか見てない場合、ちょっと無理かもしれないんだよね。
 
以下は内容に対して考察してみる。
 
○主題周り
実は主題かどうかは難しいところなんだけど、とりあえずこのゲームの目的はどうやって100億で日本を救うか?ということだよね。これに対してます私見を書いておくと、日本を循環するフロー(流れ)だとした場合に、その全体最適を高めるコトをすれば良い、という解釈になると思う。この場合は要するにボトルネックが何処か?ということ自体が問題で、これを巧く発見できたら勝てることになるだろうね。ボトルネックに対して有効な手を打てれぱ、全体の効率が自動的に良くなるから、救世かどうかはしらないけど、日本という船は浮かぶだろうさ。
 
この意味で、東のエデンでのボトルネックは「ニート*1」ということになりそうなんだけど、「池田信夫 blog」なんかで話題にされているような、雇用の流動性の問題なんかと絡めて読み解くのがもっとも面白い辺りじゃないかな、とか思う(この辺の嗅覚はペトロニウスさんの国語能力の高さもあって面白いところw)
 
ちょっとメタに視点を移しておかないといけないんだけど、本当は「日本を救うのに、本当に日本を救う必要があるのか?」といった部分とかが問題だったりするよね。2話において「セレソンシステムの圏内に入りました」という描写があることから、ジュイスが色々と手を回すことができるのは日本国内だけっぽい。でもナンバー9(滝沢くん、オチンチンびろーん王子)は2万人のニートをドバイの砂漠に送り込み、インド人の現場監督の下で強制労働させているんだよね。それから2万人の弁当・2週間の配達で1億3600万使っているのだけど、これも弁当をドバイに送っていたんじゃないかと思う。何故、ドバイだったんだろうって思わない?(俺にもわからないけど)

この図は世界各国とバランスをイメージ図にしてみたものなんだけど、中心軸の周りに、それぞれの○が国だとして、バランスを保っているイメージにしてみた。一つの○が大きくなりすぎれば、軸のバランスが取れなくなったり、隣の○と接触(=戦争、とか)が起こったりするイメージにしてある。ちょっと前までだと、アメリカの反対側にソ連が大きな円を作っていてバランスをとっていた感じじゃなかろうか。今のEUが何を意味していたのか、また中国の台頭はどういう価値を持ちえるのか?という風に考える必要が(わからないなりに)あると思う。
……何が言いたいかっていうと、日本という○を大きくすることは、世界のバランスの中で不幸を生む可能性があるってのを無視していないか?ということだ。グローバルだとかの、いわゆる地球人類全体という発想・条件下において、日本のための行動というのは、それが世界のバランスに貢献することかどうか分からない。でも世界のバランスの為に日本に働きかけるのであれば、それは消極的かもしれないけれど結果的に日本の国益にはなっていると思う。政治屋なり官僚なりがこの国の舵を取ろうとした時に、何によって管理しているのか?ということも発想として含まれてくると思うんだよね。
 
東のエデンに話を戻せば、そういう発想のセレソンが居てもおかしくないかもしれない。もしかしたら滝沢君はドバイに労働力を送ることが世界平和に繋がると考えたのかもしれない(まぁ、無いと思うけど)
 
 
○ウカツな月曜日
物語のスタートは2011年2/13日だと思う。まぁアメリカスタートだから時差とかあるかもしれない。とりあえずハリマ脳科学研究所の洗脳プログラム・900円 ・2011/2/12となっていて、日本についてからの入国管理局への接待費(空港脱出)・10万円・ 2011/2/14(梅ガムとかの日)となっているから、まぁ13日かなぁ、と。日本がほぼ一番早く14日になることと、アメリカから飛行機で半日かかるから……もめんたむ は こんらんしてきた!(笑)
だから問題は、咲ちゃんがバレンタインデーでチョコレートを滝沢君にあげていないことだと思うの!(関係ねぇ〜)いや、でも大杉くんには大事だったかもしれないんだよっ!(おおっ!)
 
それはともかく、
滝沢の履歴は2010/12/10に、ショッピングモール9億1000万、同(上記の)弁当代1億3600万、更に映画のフィルム・8千万(日付不明)があることから、約11億出ているんだけど、それでもまだ7億近い使途不明金がある。コンテナに詰め込んでドバイへの移動交通費以外に何に使っているのかね?
 
で、ウカツな月曜日は2010年の11/22らしい。ショッピングモールより前だね。
妄想乙なんだけど、赤い指輪の男、ナンバー1(たぶん物部大樹、リアリスト、総理のぎゃふんの後で「60円で浮かぶ船か」と言った男)がミサイルで日本を攻撃したけど、滝沢が着弾点の民間人を避難させたんじゃないかと思っている。
最新のミサイル攻撃で「死人が出ていること」が「滝沢の記憶の消去」とリンクしているんじゃないかと思われる。つまり、記憶が無くなったことでナンバー9が助けられなくなったということかな、と。ナンバー1は履歴でナンバー9のアメリカへの渡航を知り、追跡。洗脳プログラムでヤツが「脱落した」のを確認した後、日本に帰国。セレソンシステムの圏内に入ったところでミサイル攻撃の指示、って感じじゃないかな。
 
このミサイル攻撃は、グレンラガンのスパイラル・ネメシスのような「圧倒的な脅威」の下に人々が団結することを意図したようなものではなかろうか。ミサイル攻撃による人的被害・その他の影響というのは、ライフラインへのピンポイント攻撃や核のような継続的ダメージ源にでもなっていない限り、ごく微細と言っていいレベルのダメージに留まる。ぶっちゃけ普通のミサイルだと300人前後しか死なないんだよね。(作中のミサイルは結構大きめの穴を作っている気がしないでもないけど)
この前提があった上で、でも頭上から理不尽な死が降ってくるかもしれない恐怖や緊張感は、日本国民の精神に活を入れる効果が期待できるわけで。メメントモリ(死を想え)ってことかもしれない。
  
しかし、死人が出ないことで「うっかり事件」になってしまったとしたら、かなり苦々しい思いをするんじゃないかと思う。100億というリソースは命の値段でもあるからね。まぁ、ミサイル一発お幾らだか知らないけれど。……つーかジュイスに値切るような方向で指令を出せば案外お安く手に入るかもしれない。まずミサイルの記録を改ざんして存在しないことにして、次に不正横流しに対する賄賂、後は廃棄物に偽装して納入、とやるとか。……2〜300万で手に入ったりして(笑)
 
 
あとは〜、なんだろ?
 
○ジョニー
4話で白い人形がたくさん出てきて、滝沢くんがそれをジョニーって呼んでたんだよね。噛み付いてきたジョニーに対して「この役立たず共がー!」と叫ぶんだけど、 …………ED?(笑) ジョニー狩りのジョニーはペニスのことだけど、5話で牛丼・咲ちゃんが愚痴った後で「(だからジョニーもああなったんだ)」って呟いているっぽいんだよね。このジョニーの持つ複数の意味が一部の混乱の原因になっているので、注目ポイントかな。
 
 
○イノヴェイター・森美 咲
「もう ほっといて」パン160円。たしかに買うと思う(笑)
 
 
疲れたし、とりあえずこれでいいや(なげやり)
 

*1:ニートの定義は曖昧なので一度ぐらい確認した方がいいと思うのだけど、曖昧なまま突き進むのであります。無職と引きこもりの中間ぐらいの意味になっちゃってるよねぇ