魔法先生ネギま! 260時間目

 
●「世界の滅亡」はダセェ?
まずラカンの背景にある「世界の肯定感」を読み取りたいところ。例えば、ネギとの戦いで食らいまくったビックリお見事!連発攻撃だとかね。ああいうことがあるから世界は面白い!って思っているハズなのだ。それと言葉の選択として「ダサイ」って言うのは言い得て妙だとも思う。
 
これに対して、ホムラの回想は世界を否定するものになっている。ネギま!の楽園的要素の否定だね。まぁ散々戦争描写だとか、ウェスペルタティアの墜落→トサカの人生などで描かれてきたものでもある。
ホムラの右目に関しては魔法の存在する世界では治癒させることが可能だ。 木乃香のようなアーティファクトだとか、アルビレオのような高位の術士がゴロゴロしているわけではないのだけど、だけど義眼であるとしたらそこには選択が介在していたことを読み取るべきだろう。
 
諌める発言で出てくるフェイトはホムラのような恨み事とは関係ない次元で作戦を実行しようとしている。「狂った無想をかなえるための道具」といった自己認識は覆すのが大変そうだ(苦笑)
なーんかここのところセリフ回しでライフメーカーが既に居ないような感じになっているけれど、祭りの初日にネギと紅茶論争した時に、誰かの指令に基く行動を採っていた様子があるんだよね。まぁ、失敗したらしたでそれもまたよし、みたいな感じだったからリアルタイムで基本方針の決定だけされているような?
 
人造世界の崩壊が不可避であるのならば、ラカンが世界を肯定しようとホムラが世界を憎もうと、結果は変わらないことになる。じゃあフェイトが正しいのか?というと、それはまた別の話だったりする。3択で4つめの答えを選ぶパターンとかね。それは主人公達の解答待ちってコトで。
 
 
●「面白い」と「楽しい」
ぶっちゃけてしまうと、人生で「面白いこと」って成長ぐらいしかないんだよね。なんでもいいから成長していると面白いの。それと全然つまらないんだけど含蓄のある言葉だとか、薀蓄とかを聞かされた時に「面白いですね〜」と言ったリアクションをするわけだけど、それらは「聞いてても全然楽しくはないけれど、成長には貢献するかもしれませんね?」の意味をもっているわけだ。ここから当サイト的には成長要素のある面白さを「面白い」に分類する。
 
それから、まったく成長には貢献しないんだけど、すっごい面白い!ということがある。たとえば「お笑い」とかね。めちゃくちゃくだらないんだけど、笑ってしまう・爆笑してしまうことがあって、その時は凄く盛り上がる。言葉としては「面白い!」「面白れぇ!」と言ってしまうことも多いのだけど、別にその場限りで後に何も残らない。こういった成長要素の無い面白さを「楽しさ」と分類している。
 
問題は、これらの言語的な感覚が私個人に属する内容かもしれないってことで、ネギま!の内容でも適用できるのかどうか?って辺りは不明なんだよね。
 
とんでもなく成長してきたラカンは強敵との戦闘を喜びとしている。それは何故かと言えば、より強い敵と戦うことで自分が成長できるからだ。ホムラ曰く「人間の限界を超えた化け物」が、これ以上まだ成長したいのかよ?って話ではあるんだけど、成長すればするほど成長したくなるものでもあったりする。成長するのは最高の気分になれる。ラカンはレベルカンストのような限界を超えて更に先に進んでるんだろう。
 
一方でフェイトは完成していて成長することが無いらしい。ホントかよ?と思ってしまうのだけど、とりあえず成長しない前提で考えるとラカンとの戦いから得られる経験値などは存在していないことになる。するといくら戦っても成長できないのだから、全ては一過性の楽しみにしかならないわけだ。ドラクエとかでレベル99になってしまうと戦っても意味がないのに感覚的には近いかもしれない。この「成長しないという感覚」を分かっておかないと読めていないことになると思われ。
 
またもやフェイトによるラカン退場フラグが復活してしまったのだけど、フェイトって魔法世界人破壊光線みたいな呪文を使えたりする可能性も一応あるんだよね。それを使えば確かにラカンにも勝てるかもしれないんだけど、展開的に美しくはないやね。
 
 
●おまけ
見栄えは非常に良かったんだけどフェイトガールズの強さって中々シビアな感じになっちゃったのね。「人間の限界」ぐらいを相手にしていると想定して、この4人なら勝てるか、勝てなくてもいい勝負になるだろうと思っていたことになっていて、それが一人一分強のペースで負けてしまうから「化け物」と言っているわけだな。……じゃあフェイト様をどう評価してたんだよ?と思ってしまうところなのだけど、まぁそれはともかく(苦笑)
 
アーティファクト込みで一人ひとりが3000ぐらいあるのかもしれないね。ここで一応3000って書いているのは、最上級の呪文攻撃などを駆使していると大抵は3000チサメーぐらいのレベルがあるらしいからで、これはカゲタロウを「少なくとも3000」と見積もっていた小太郎の大雑把な見積もりを参考にしております。
 
つまり、4人いれば10000ぐらいの相手と互角に戦えるってイメージかな、と。そうなるとネギパーティで相手できる人物が限られてきてしまうね。ネギ・コタ・刹那・楓だ。それと今回それっぽいキャラが出てきた龍宮とタカミチだね。
古菲に関しては戦闘用アーティファクトが欲しい。フェイトガールズが奥の手を出してしまった後では現在のくーちゃんでは厳しい印象を受ける。バラバラ展開の時にまとまった見せ場が無かったし、ネギの500時代が長かったのに3000のレベルに一足飛びしてしまうのはチト不条理な感じが残るので。
 
 
●今週の千雨〜♪
わーい、ちうたま動いた。いやぁ、コレをやっておかないと「世界の命運が掛かった戦い」の最中に「どうして言わなかった!?」みたいな超ブザマなセリフやら展開が入るハメになるんだよね。そういうのを見せられると「それで勝てなかったらオマエ(ネギ)の自業自得だろ?」みたいな見下した視線や軽蔑はまぬがれないんだ。世の中罠だらけだよねぇ。怖い怖い(笑) 作者ってだーれも助けてくれない場所で戦ってんのよね。
というわけで、ハッピーエンドルートのフラグの一つってイベントでした。
 
 
●まと……め?
背景は、舞踏会のモブだけの全体図。構図がちょっとナナメになっているだけなんだけど、それで十分なのが良く分かる。ここで「異化」に成功しているから、この先の舞踏会シーンがぶれない。故にこれが全体図と言えるわけだ。
 
表情は、普通は悪者を名のるフェイトだろうし、明日菜も好きなんだけど、敢えてノドカで。これはクレイグの誘う手を込みって反則技で(笑)
バストアップの描写に手で変化をつけられると表現のレベルが一段階違うんだろうねって感じ。例えば、愛衣の開いている手の表情も「らしい」わけで。
 
イラスト化は、レイプ後のところか、その前の本気モードのページかな?
客層的な意味では明日菜とのダンスも美味しいところなんだろうけど。社交界だしドレスだしダンスだし王子様だし。中身が栞なのが惜しくて堪らないのだけど。平気な顔で、でも顔を赤くしているのがグッド。ネギも「まーまー」みたいに強引なのは地味に強いぞ、成長してるぞ(笑)
 
関係ないけど、柿原王子の配役のことなんだけど、今の空きキャストだとクリスティン・ダンチェッカーなんかが当てはまると思う。けど、ちょっと役不足なんだよなぁー。ぶっちゃけ新キャラしか無いと思う。
スーパー念のために書いておくと「役不足」ってのは、役者に対して役柄が不足していることを言ってるのね(役者>役柄)。エンドレスエイトで古泉が「僕では役者が不足しています」といっているのは、役不足の意味を正しく把握した上で、逆に、役柄>役者 なので無理ですってことを言っているわけだ。あのシーンで「僕では役不足です」と言ってしまったらハルヒにアイラービューと言ったら当然落とせちゃいます、みたいな意味になってしまう(苦笑)
 
 
エンドレスエイトネタで締めてどうすんだ?的なネギま感想でした。