魔法先生ネギま! 264時間目

 
情報戦、というか情報近接戦、情報格闘戦。ほとんど「寝技」かと思うようなグラップグラップな巻き込み展開(笑)
 
●真実(?)
MM元老院と書いてはあるものの、これの意味はほぼ「魔法世界」……と書いてしまうと今は「火星」の意味が強くなってしまうので、より正確を期すると「魔法社会」となってしまいます。麻帆良学園とかも当然ここに入ってしまうのでしょう。
 
困ったことに、社会システムとは素手では戦えないし、戦いようもないんですよね。
(個人の復讐という意味では「我々」という表現を使ったゲーデルが責任逃れをしない覚悟が見て取れる一方で、一時的な感情に任せてゲーデルを殴ってしまっているネギの幼稚さというものが対比されていたり。)
 
じゃあ社会システムと戦うにはどうするか?というと、現在の「24」シーズン7のように、一部の裏切り者(悪人)だけを潰す方向に動くのが理想なんですけど、通常はそんなことは出来ないんですよね。グレーゾーンと必要な悪と、関係する無関係の人間の選別を神ならぬ人の手で行うことは理不尽なので。なので、元老院を潰すにしても単純に壊すことは難しいし、それをやっちゃったら後始末が大変なことになってしまうものなので、こういう場合は代替物を新しく作って、古いものを実質的に骨抜きにしてから潰す、という方法を取ることになります。つまり元老院に代わる政治システムを構築するってことですね。しかし、これをやってしまうとネギが世界を征服するプロセスそのものになってしまうっていう(笑)
 
ゲーデルは最初の出会いの時にも「世界を支配」しようと誘いを掛けています。彼の目的をド直球に考えれば、ネギを魔法社会の敵にしようと仕向けていることになりそうです。
 
魔法世界の英雄である父ナギと、魔法世界と戦う英雄ネギとなる可能性ですね。超鈴音は「英雄ナギ」の子孫というよりもむしろ、「英雄ネギ」の子孫であることに誇りを感じている可能性が高かったり。未来の英雄ネギはどういった理由で英雄となりえたのか?って話のひとつとして、魔法世界を相手に戦ったのではないか?という推測があります。火星の異界は崩壊する宿命らしいので、フェイトの作戦が失敗したら魔法世界の住人が現実世界側に雪崩れ込む可能性が極めて高かったり、うんぬん。とかとか。
 
 
●選択
3人を選んだわけですが、某所だとダメ出しで盛り上がってましたね(笑)
のどかを連れて行くってことは出番(ネタ)があるって意味ですよね。普通に考えたら読心術士に対する防御があるハズなので連れて行く意味は薄いと考えるベキなんですが、じゃなきゃノドカのアーティファクトが並外れて強力だったりするのかどうか。まぁ、作者が連れていくんだから意味があるんでしょう(笑) ……というわけでノドカは確定です。
 
次に千雨が文句を言っているので千雨が要らないんじゃないか?って感じですけど、本文通りに千雨は確定です。当サイト的には当然の流れですよ(笑) 作者グッジョブ!以外は認めませんとも。今後の展開で勝ちたければ連れていかないとね。
 
ここらでネギの目的が情報のより完全な収集にあることが伺えます。つまり、「罠」であることを第一に考慮した戦闘態勢を整えることではなく、わずかな情報も逃さないための布陣なわけです。ネギ自身の有用性から即死系の罠だったりすることは考えにくいため、多少の罠であっても構わないってことでしょうね。
罠がありそうだ、といった状況になった途端にあらゆる可能性を排除したくなる気持ちはわからんでもないんですが………やっぱわからんです(苦笑)
ナギの格好をしたネギを、総督が舞踏会に招待し、自室に呼び出して殺害とかの言い逃れしにくい状況でいちいちハメなきゃならんほど重要人物なわけないですからね。そんなん村で修行してる子供時代とか麻帆良学園にいる間にテキトーに殺しておけば良いハズでしょ。ネギなんて、ラカン戦を引き分けたことでやっとこ利用価値が出てきた程度の存在ですよ。
ここで恐れなきゃいけないのは魔法的な手段による強制的なマインドコントロールなどですから、戦闘体制を整えて安心してもたぶん無駄な類の危険なんです。本当に同行して欲しいのはセラスとかの高度で隙の少ない魔法使いでしょうね。
 
逆に言えば、ゲーデルが「魔法的な手段」を使わないことがポイントになっていたりするわけですが。魔法的な手段であれば防ぐことが可能でしょ。だけど真実から身を守ることは出来ないんですよ。嘘ならまだ見破ったりできるかもしれませんが、真実から身を守る手段はほとんど無いんですよ。どんなに受け入れがたいものであっても、受け入れて、解釈を変えるぐらいしかないんです。
 
キング朝倉*1に関してですけど、千雨と朝倉で役割がかぶって感じるわけですが、本文的には千雨は現場判断のサポート役、朝倉は情報の分析をメインに考えているみたいですね。情報の分析能力では朝倉の方が優秀なんでしょうけど、「行動選択」っていうのはパーティの人数が居ると責任が大きくなってしまうんですよね。正しい側に立ちたいと誰もが思うし、しかし善悪は主観によって歪められてしまうものです。行動を選択する時に、自分の判断だけでは怖いんですよね。自分の決断が仲間達の行き先を、運命を決めてしまうワケですから。そういう時に千雨みたいな人が傍にいると有難いって気持ちはそういう場所に立てばわかるかと思います(苦笑) ……ちと千雨よりの解説になってしまっていますが、要するに千雨の有用性と朝倉の有用性は別種の事柄なんですよね。
情報収集を第一にしている以上、千雨の分析能力よりも朝倉のそれをメインで選んでいるってことです。録画だけなら茶々丸を連れて行けばついでに戦力にもなるんですけど、本来は「質問」という形で相手から情報を引き出すには基本的な「取材能力」が必要だったりするんですよね。的確な質問ができるかどうかってのが質疑応答の根本的なレベルに影響するわけで。質問が下手だと情報が引き出せないってことです。相手が曲者のゲーデルなのでキングの能力が活かされるかどうかは微妙なところですが(笑)
結局のところ多少戦力に不安がある以外はかなり本命的な選び方だったと思います。
 
 
●マンガとしては
早い展開と強いヒキですねー。これが前回までちゅっちゅしてた漫画なんだから恐れ入ります。あらゆる手を尽くして読者を翻弄しにかかっているかのようです(笑) ……安定した人気作家でコレですよ。生半可なことじゃ生き残れないわけだ(苦笑)
 
密度が濃いですね。しかし微妙に満足しきれない。この不満は続きをプリーズ!って感じの不満ですね。(しかもシルバーで一週飛ばしとか……)
 
今回はこのぐらいで。

*1:イタズラキング朝倉。しばらくキングと呼ぶことにします