魔法先生ネギま! 279時間目

 
まさかのラカン幽霊展開(笑)。こんなの予想できねーよ! 面白すぎ(笑)
 
●要チェック項目
ラストページのノドカの耳に例のマジックアイテム。描き方からしても伏線っぽいし、これは使うだろうね。
 
●考察まわり
アスナを頼む
問題は2つあって、ひとつは「魔法世界の崩壊」。もうひとつは魔法世界の崩壊に対する解決策のひとつとしての「フェイト達によるテロ」。で、ラカンアスナを頼むということを言っていることから、フェイト達のテロだけなんとかしてくれ、と。いや、そうは言ってないんだけど、リライトのかなめは当然のことながら黄昏の姫御子の力なわけで、アスナを助けたらリライトだの「魔法世界を終わらせる力」自体を封じることがたぶん可能だ。リライトさえなければ、というかリライトが無いとラカンは復活できないんだけど(笑)、リライトがなければ後はラカン達「も」がんばれますよと言う風な発言なわけで。
一応、予想としてなんだけど、リライトに必要なのは黄昏の姫御子の力、いわゆる魔法無効化みたいな力であってアスナ自体ではない。よって、クローンを作る技術なんかがあれば10年前辺りにアスナの体の一部(髪の毛だのなんだの)からクローンもしくはホムンクルスを作って用意している可能性は残っている。それがメガロメセンブリアでゲートポートの要石を破壊したちっちゃいのだとすれば、フェイト達はアスナを使わずに今回のテロを計画していたという風に見做すことができるようにもなっている。この場合、アスナを誘拐しているのは何故かというと、本物の姫御子の方が発動確率が高いだとかの理由だろう。今回のラストでも反転封印が行われるとして、その中心にクローンが配置されるか何かって可能性まで考えられる。
 
何が言いたいのかというと、明日菜だけ助けても、クローンだか予備だかが居る場合、二段構えになっていてフェイトの作戦を阻止できない可能性があるってことだ。ネギ達は少なくとも明日菜の救出を成功させないと話にならないのだけど、それだけじゃ終わらないかもしれないぞ、と。
 
・チサメ嬢ちゃんへ
千雨メインヒロイン展開キター!!って感じですね!…………だなんてウチで言うわけないんだけど。作品が構造的にブレるような変な展開は要りません(夏コタなんかが脇でイチャつくのすら微妙だと思ってるのに)。でもまぁ魔法世界編の位置付けは明確になって来たというか。第二部・夏休み魔法世界編の最初から明日菜というお姫様を助けるために、ネギと千雨が用意されていたってことですから。囚われのお姫様役が確定したのに千雨がメインヒロインになるわきゃねぇし。だからこそ、というかちょっと期待しちゃうじゃん!な辺りまで楽しめないとね。
…………ハッ。これはもしやロリ封印解除フラグ? ノーマルサイズに戻る前兆でわ? ロリ萌えハァハァみたいな不健全な状態が終わってくれるのはかなり嬉しいんですけど(笑)
 
 
●背景
特になし。というか感情のやり取りだと抽象的な背景の方が邪魔にならなくていいのかも。構図的には「視点の入れ替え」かな。ラカンの意識がネギを見下ろす → ネギが見上げる(世界は微笑むのコマ)なんかが普段から良く使っているけど、上下になってることもあって、やっぱ良かったね。
 
●表情
ここはネギの泣き出しそうな顔、かな。上下が切れていることもあるんだけど、もともと大人状態の顔は微妙に面長に調整してあることで大人状態に見えているところ、ちょっとバランス的に縮むかなにかしている影響か、子犬っぽい感じで可愛い。泣き顔とあってて良かった。
千雨の泣き顔も最高に美しい。最期に髪が顔にかかって表情が見えなくなるのが単純だけど品の良い仕上がりで(嬉) 目新しい工夫も欲しいけど、基本や基礎の技術が適切なタイミングで使ってあることってとても大事だよね。
 
●イラスト化
特になし。今週は鴨川会長かガマランの最後のページじゃなかろうか(笑)
 
●展開予想(メタ)
「永遠の園に移り住むだけ」のセリフで復活の可能性に気が付いたらしく、まさかのノドカ単独による反撃開始。なんという予想外。読み上げ耳の描写が入れてあるから、影使いの名前をゲットして心を読むつもりらしい。確認したら266時間目にゲーデル相手に1回つけているだけで、実はそっちが描き間違いっぽいぐらいの描写しかなかった。クレイグ達と合流した際のアップでは左耳の描写でつけていない。つまり今回、装着しているわけだ。
 
この場合、えにっきを持っているネギ達が気がついて助けに行くか、テレポート召喚? 大ピンチなのはまったく変わってないね(笑)
これでノドカはリライトによる削除から復活させること自体を目的に行動し始めたと思われ、生き延びたらこのアイデアが仲間達に伝染するに違いない。
 
 
●感情移入
ここはやはり千雨の涙でしょうね。戦力としてのラカンの重要性ガン無視。損得抜きで泣いてます。ラカン本人がいなくなることに対する素の涙。千雨の内心はとても優しいのであります。ツンツンして心を守らなければならないほど、そして世界を救わんと欲するほどに、優しい。他のネギまキャラ達だってもちろん優しいのだけど、千雨の優しさも十分に特別な代物なのです。
 
ラカンに関しては、「世界は微笑む」で感情移入が必要だと思われ。メタに考えれば最期の言葉にしてはナイーブ過ぎるんだよね。「世界?そんなもん知るか!(ワッハッハ!)」なキャライメージが先行してるのに、何で最期には世界が微笑むの?って思えないとダメっしょ。でも我々がラカンの何を知っているのか?って話でもあって、良く考えていくと内・外のギャップとしてこの辺りが最も必要な部分なのかもしれない。努力の人が言うのには相応しいとも思う。
拡大解釈になっちゃうのだけど、ネギの闇の素質に関係しているのは「雪の日の夜」で村が滅茶苦茶にされる部分。精神世界では燃やされる村の絵をバックに記憶が戻ってくるわけで、言ってみれば世界に見捨てられた、裏切られた、受け入れられなかったということになる。それをやったのは「人」だって分かっていても、結局は「世界そのもの」から受け入れられることがネギには必要なのかもしれない。それにはまず世界の微笑みを感じられないといけないわけだ。自分のことばかり考えていたら、そんなかすかなものに気が付くことなんて1万回生まれかわっも無理だものね。(実際クラスメイト達だって頑張っているけど上手く行ってないわけだしね)またこの意味ではネギの救世主体質自体が世界との関わり方なのかも。世界を救うことで、世界から受け入れられるかもしれないという期待とか。故に父を通して英雄に憧れている、とかね。父だから英雄に憧れたのか? 英雄でなければ父に憧れなかったかどうかは分からないけれど。ともかく父に憧れているのであって、英雄には憧れがなさそうに見えて、でも実際にネギに必要なのは世界に受け入れられること、つまり英雄になること、だよなぁ。 でも原理的には自己の外側に対象を固定してしまったら受け入れられることにはならないじゃんか。真の英雄、つまり人類決戦存在と呼ばれているモノは同一化なんだよ。この意味でネギは同一化は出来ない。でもネギにとっての同一化ってのが現在の魔獣の姿かもしれないって思うと、この辺りは逆に面白いかもしれない。実質的にも自由に暴れたいだけのネギは魔獣だわな。するとお目付け役はビーストテイマーってことになる。こうみてやるなら「人」を目指さないといけないんだろうね。でもこれをテーマとして対象化しないと、んー、対象化しても厳しいかなぁ。*1 だけど明日菜側では無→人をやるだろうから、人を目指すって方向性自体は無きにしもあらず、なのだけど。長門ハルヒじゃないけど「無心」よりも「感情のある豊かな人間性*2の方が「正しい」みたいな部分はどうしたってマイナスの同調圧力でしかなかったり。単純に感情が無いって部分は困った話ではあるんだけど、無心が使える方が圧倒的に豊かだし。まぁ感情があった上での話だけど*3。消失ではキョンは元の長門を選んだわけで……ってそこは関係ないか。
 
 
●後記
ネギの暴走からラカンの一時的な復活でちょこっと笑わせつつ、今度こそ本当にしばらくお別れで涙。その後を受けて「立ち上がるノドカ」っていう流れるような展開。お笑い要素が入る辺りがいつものネギまのペースですけど、普段「涙→お笑い」とするところを、「お笑い→涙」と持ってくることで演出効果は高くなってますね。
 
朝倉と古菲に触れていないけど、思ってたのより遥かに長くなったのでここで終わり。

*1:ダイの大冒険はラストで野獣化した。エヴァは天使化を混ぜて来ている。どう構築するのが「正しい」かは決め付けても意味はなさげ

*2:そんなものは幻想だ。図々しいんだよ、苦しい時は感情なんて要らないって思う癖に。豊かさを履き違えんなよ。喜びや楽しさが無いのは寂しいし勿体無いってぐらいにしとけばいいのに、痛みや気持ちよさみたいな感覚の全てが消え失せるみたいな勘違いを押し付けてくんなっつの。ジョジョで言えば「痛い」は「怖い」じゃないってこった。

*3:スーパー単純化すれば「有」だけと「有+無」との差だから勝負にならない