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3Dで見ました。メガネが重くてやってられませんでした。非常に疲れます。
立体の感想としては(つまらないことを言ってしまいますが)前景が増えてレイヤーが3枚になっただけって感じです。

映像作品は「人物レイヤー」と「背景レイヤー」の2枚が基本的な状態なんですが、3D化によって人物レイヤーの前にもう一枚、「前景レイヤー」が増えています。
 
一枚増えたからって基本、どってこたありません。(メモ:むしろ遠景なんかは奥に複数枚レイヤーを増やしている効果なのだろうか?)マンガの技術でも当然のことながら「前景」ぐらいのことはとっくに考えられていますし、その意味では枯れた技術なんでしょうけど、枯れた技術を最新のCGやら何やらが駆使される辺りが見応えなのかなーとか。
 
動きの早いシーンで流行りのハンディカム的な手振れ画像で迫力満点!みたいなのはいいんですけど、チラチラして追いつかないので要らない気がしてしまいます。固定カメラの映像がナチュラルに浮きだしている方がそれっぽいというか。早いの向いてませんね。
つーか、本命のホログラフィックの前哨戦なんでしょうけど何が3Dテレビ元年なんだか。改めてイラネ。
 
 
以下はストーリーについてちょっとだけ。流石に上映中なので格納しておきます。ネタバレですのでそのつもりで。(モロバレですけど量は少なめ)
 
まぁ書くこともあんまり無いんですけどね(苦笑)
えっと、アクセルワールドラノベ)との対比で読んじゃおっか?って感じですよねぇ。基本構造は似てます。
 
とりあえず、エイリアンネタとしては人類がエイリアンになっちゃった!っていう逆転になっていて、アメリカにあるまじき「エイリアン人類が負けて撤退する」って話ですね。相手の神には勝てないって感じでしたけど。そういえばあの目的の石ってもしかして常温超伝導物質か何かだったのかな?
 
それとこの作風って辺境的な物語に分類されそうです。このために日本人としてみている自分にゃインパクトが弱まったかもしれません。いわゆるアメリカは正義だ!的な論調になっていない。ここで辺境的という言い方にしているのは、中心と周辺のどっちの立場の視点なのか?って辺りです。未開人であるはずの異星人を「辺境」とみなして教育してやるのではなくって、主人公の方こそが参加して学んでいきます。段々と大切な場所になるんですね。
 
人類を野蛮人(エイリアン)として融通の利かないプリミティブな種族と見做している文脈から、人類側を「周辺」としている感覚がアリアリなんですよね。このパターンって日本だとそんなに珍しくないんですが、アメリカさんだと有名なのはトム・クルーズラストサムライぐらいの気が?もっといっぱいあるかもしれませんが、記憶にございません(笑)
 
なんといっても、アメリカ的な軍事行動の批判にしか読めないような、軍隊エリート様とフロンティアスピリッツという名の「英雄的」軍事行動ですね。これらの結果、異星の文化にコミットする主人公にのみ感情移入する形になっています。
この辺りはグラン・トリノにも似たような要素が見えていて、自己批判性・自己抑制性・自己言及性あたりをアメリカの物語に加えようとする動きか何かなのかもしれません。オバマ政権といい、一体なんなのでしょう。何か変わってきているのかも……よくわかりませんが。
 
最後は動ポモあたりで東氏が言っていた詐術(現実じゃなくてファンタジーを選ぶ)をやらかしてエンドですね。
 
 
内容としてはアクセル〜と同じくマッチョイズム。具体的には異星人(駆逐できたら先住星人)の文化にコミットしてその文化でエリート目指してマッチョして彼女をゲットして、みたいに駆け上がるわけですけど、前提として車椅子みたいなハンディキャッパーだったり、たびたび前を走っていく女の子の足〜ケツ〜背中〜振り向く顔みたいな描写になっていて、強く引っ張られたい弱気な男の子の欲望をかき立てるかのような!(笑) どっかでよく見る形式! 負け組に対する感情移入!(苦笑)
 
科学文明批判もあるんでしょうけど、たぶん、現代科学ですら難しくてついてけない部分があってエンタメ(→逃避の要素を含む)にしにくいんじゃないかと。だから体でがんばりたいんですね?わかります(笑)脳だけは活発で、新しいカラダで頑張ったらイケメン路線とかって物凄く分かり易いっていう。オタク向けかよ!みたいな。日本だと固有スキルで厨二病なところですよね(苦笑)
 
そうそう。トランスフォーマーで機械がぬるぬる動くCGって素早く動くことで相殺されていたと思うんですけど、生物がぬるぬる素早く動くので気持ちいいと思います。
 
 
このぐらいかなぁ。情報量(質)的にあまり納得いかない感想になっちまいました。
あとは世界樹が折れて倒れるのはネギま!でやっても面白いのかなぁ、だとか?(笑) 途中でラピュタというかオスティアっぽい空中の島も出てくるし、蔦を伝っていくのなんかはファイナルファンタジーっぽかったりだとか。日本産エンタメの影響は小さくないような気が(気のせい?)