ログ・ホライズン考察

 
 
今、ログホラがヤヴァい! 発売前8巻の内容を含みます。ネタバレですよー。
 
 
 
 
■ログホラのここがヤヴァい1「ラスボス育成ゲーム」
まず、濡羽の目的は「現実世界への帰還を阻止すること」だと予想されます。異世界モノ、且つ、帰れないと来ていますので、最大の障害をどう設定するか考えれば「帰らせない」という敵が出てくる可能性は理解できます。濡羽の性格設定からすれば、現実世界に戻ってもイイコトがない。この辺りが動機でしょう。方法は、ノウアスフィアの開墾がたぶん唯一適用されている日本を支配し、帰ろうとするプレイヤー達を先導しつつ、その手段を見つけたなら破壊などしてしまうことで、誰も帰れなくできる、だと推測されます。1人でミナミ支配とかスゲー!と思ってたんですが「簡単だった」とか書かれちゃったので天才さんパネーっす状態ですね。
 
……ですが、まだラスボスじゃないんですよね(笑) これから濡羽さんをラスボスに育てないといけないのです。今の段階で倒しても帰れないので意味がない。
 
 
■ログホラのここがヤヴァい2「大地人同士での戦争」
以前も少しだけ書いたんですが、ログホラの物語って、どうしようもなく「詰み」になりそうだったんですよね。上に書いた通り、濡羽さんを育てないといけないんです。だから、ある程度は西と東のプレイヤータウン同士で戦争めいたことをしなきゃならないハズだったのです。
 
な ん だ け ど も 。
まだシルバーソードが治安回復してなくて、ススキノが悪人の手に渡っている設定だった時に、たぶんリアルで北海道の人なのかな?「ススキノどうなっちゃうんでしょう」とか書いている人がいてね。ああ、こりゃダメだ、と思ったわー。ミナミのプレイヤー、もっと言えば、今、大阪とかに住んでる人達が、そんな簡単に悪人になるのか?という話だよね。どうやったらミナミとアキバで戦闘になるよ?って。情報操作とか、洗脳とかで「アキバは悪!」とか刷り込めるか?って言っても、難しいでしょ。ミナミの人間は悪党とか決め付けられたらムカツクだろうし。関東在住のこっちだってそうだもん。
 
今だったら、ノゲ(ノーゲーム・ノーライフ)みたいな作品で考えられるんですが、異世界に行って、異世界の住人と戦うのって、割と普通のことなんだよね。ところが、ログホラはその設定から、異世界の住人って、主にNPCになってしまう。しかもこの大地人って弱いんですよね。だから、プレイヤーキャラ同士で戦うことになるだろうと予想していた。でも、日本人同士で戦う動機がなかなか作れない。詰むでしょ、普通。そりゃ「勝った側だけ元の世界に戻してやろう」的なルール説明でもあれば別だろうけど。
 
で、作者の取った方法は? 「大地人同士の戦争!」……に、なろうとしています。これからですけども、これが色々とヤヴァい。何がヤヴァいのか結論的なものを先に書いてしまうと、プレイヤーが無事に帰還できた後でも「大地人同士は戦争を止めない」可能性があります。というより、まずやめないでしょう。えっ? それって、どうやったら回避できるの?というと、無理です。ガンダム風に書くまでもなく、そもそも私達地球人類からして、戦争を失くすことができていない。にも関わらず、大地人の皆さんの戦争を止められますか?「それはエゴだよ!」ってことでしょ。
まぁ、でも、大地人同士が勝手に戦争をやるのだから放っておけばいいんじゃね?という考え方もあるにはあるでしょうね。そもそもの話として、大地人の皆さんは、モンスターが出没する世界であるため、人口爆発に至るなんらかの閾値を越えられなかっただろうことが考えられます。言い方は悪いのですが、安定的に「間引かれていた」と言えるでしょう。人間が増えそうになると、モンスターに間引かれていた、だから、増えなかったのだし、積極的に戦争をしかける余力も持てなかった。これまでは、です。
ところが、ここで冒険者、我々のような人間が与えた知識や技術によって、その辺のびっみょーなバランスを崩してしまったらどうなるでしょう? いや、もうそうなっています。もしかしたら積極的にこれまでのバランスを崩している部分だってあるでしょう。
ミナミでは可能な限りの技術的支援を惜しまず、逆にアキバでは「過ぎたるは及ばざるがごとし」とか言って技術を与えなかった場合どうなるのか。ミナミ側の大地人は、アキバ大地人をかるくあしらって勝利するでしょうね。冒険者が居る間はそれでもどうにか対処できるかもしれない。けれど、居なくなった後は? この手のセリフを濡羽さんあたりに突きつけられた場合、シロエはどう応えるのでしょうね。
 
 
■ログホラのここがヤヴァい3「決戦存在が出現?」
五十鈴が選択すれば、決戦存在を降ろせる可能性が出てきました。そうでは無かったとしても、メイド姉的な存在になれる可能性ではないかと。
決戦存在が何を意味するのか?というのは、未だに私にも分かってはいません。ですが、物語の構造が時代と共にちったぁ先に進むのだと仮定するなら、決戦存在を描写することのできる人間が現れるのではないかと。
でも、ある種の呪いにもなりえるというか。松井さんだったらやれるのかもしれないけど。
 
 
 
……とまぁ、かなり意地の悪い視点で書いていますけども、悪意をもって突っつくぐらいの見方をしていかないと、魅力をあまさず堪能するのは難しいと思います。
まだ全然触れていないところとかもありますしね。望郷派とミナミの関係とか。大地人の武人はサフィールの街に対してMPK(モンスターを利用するPK手法)みたいな真似したのに対し、望郷派がそれを防いで見えるのは何故なのか。あの移動神殿で戦争のルールが変わることや、技術提供者の存在がどういう繋がりなのか。ロエ2と入れ替わった相手はクラスティなのか?など、まだまだ面白そうなことがいっぱいですね。
ログホラ、要チェックです。