魔法先生ネギま! 334時間目

 
完全燃焼というよりも、燃え尽き症候群な感じでの魔法世界編の終了なわけですが。
  
「絵で分からせる」という部分の割合が高くなっているせいなのか、絵としては凄いんだけど物足りないという印象を受けます。
 
それと「ヤバイよどうしよう?!→大丈夫でした!(肩透かし)」ってのの割合がましましな気がしてます。読者の期待をぬるぽ→ガッと集めておいて、ババーンと跳ね返したり、邪道で小憎らしい対抗策を打ったりするのではなくて、フッと力を抜いてしまう感じ。それでバタバタっと倒れるので一見して派手だけど、どうにも小手先というか、キツネにつままれる感じでキョトンとしてしまう。で、それをやった本人は笑顔でみている、という感じなの。
 
いや、武術とかだったら達人めいて見えるのでそれでもいいんですけど、少年漫画だからなぁ。少年漫画の展開は武道的な意味で達人化しちゃダメだと思います。幼稚じゃないと。
ポイントでは盛り上りかけるんですが、延焼していかない。不謹慎な表現かもですけど、消火の利かないような大火災になっていかないんですよね。
 
神話系の物語構造に回帰することで骨組みが再強化されて、骨太化したのだけど、そっちに引っ張られて単純化してるように思います。マーケティングによってテイストをあわせているのではなくて、それまでの客層が離れかねない風に変わっていってしまっているかのよう。
 
Jコミのせいだと思いたいけど、もっと根本的な体力不足みたいなものを感じてしまいまする。こんな指摘をしてしまうと千代の富士よろしく体力の限界!とか言われかねないのですが、まぁどこぞの辺境ブログなんぞ気にされる方ではないでしょう。
 
具体的な指摘をしていかないといけないんですが、気力がでないわー。
フェイト軍団が出てきちゃっても、ラカンがロクに活躍もしないし、エヴァが一撃で屠っちまったり、それらを無視する強さの造物主が出てきても、明日菜+ネギが一撃で倒してみたり。刹那も酷かった。

明日菜の復活も、結局は二重人格問題の面倒なところを大丈夫でした!になっていたりします。次シーズンでどう扱うのかってことに期待してはいますが、まぁ、大丈夫でした!でどうでもいい話になっちゃうのかな、と。扱いの難しい問題は期待できなくなって来てます。そんな話を読者が望んでいないから、とかの言い訳が人気作家には可能なんです。ネギのプランに関しても出てこない。たぶん次のシーズンの物語などの設定が固まっていないからですよね。下手なことを先に言ってしまうと、収拾がつかなくなってしまう。魔法世界編のラストに関わる問題なので、後で修正できないのも大きいからでしょう。

ネギ視点だとタカミチの価値はラカンに比べたらかなり低くなるわけですよ。一方で明日菜からするとタカミチの価値の方が高いはずなんです。タカミチの苦悩なんかは明日菜の根幹と関わる部分なんですけど、そんなことやってられなかった。ネギの物語になることで、明日菜の物語を失いかけています。これじゃ面白いハズが無いのですよね。
 
 
いい点は、映画があることで逃げ道を塞いでいるってことでしょうか。安易なゴールを絶対に回避するための映画であって、赤松先生のモチベーションを作るための壮大なる仕掛け・戦略のようです。自覚があるのか無いのか、無意識なのかは分かりませんが、どちらにしてもご本人の意図とは関係なく、そういうためのものになっているのだと思われます。
 
魔界絡みの話をやるのかやらないのか。まず、やらざるを得ないでしょう。とりあえずは魔法世界編の後片付けからですね。
 
本日は以上です。