財務次官セクハラ疑惑問題

 
■ 財務次官セクハラ疑惑問題
リーガルマインドの無い記者の失態と、口下手な麻生太郎の図。結論的には報道関係のトップが出てきて謝罪するべき事案と言えよう。
 
通常の手続きを考えると、セクハラされた女性記者とやらが警察などに証拠を持って行って被害を届け出る→捜査が入るなりして、検察が起訴するかどうか決める。といった手順になる。
親告罪は、被害を訴えなければ罪に問えないものを言う。従って、財務次官をかばおうとする場合、麻生大臣はほっとけばいいことになる。被害届ありません、罪に問えません。終わり。とやれば済むからだ。セクハラ被害者側が自分で自動的に泣き寝入りすると決めている状態なので、セクハラは無かったことになる。仮にあったとしても罪を問うことはできない。
しかし、政府と麻生大臣は「調査に協力してください」と言った。これは検察が起訴するかどうかに関わらず、事実関係が明らかになって財務次官に非があると確認できたら処罰しますよ、と譲歩しているのだ。これは大きな譲歩なんだけど、なぜか報道関係者がロクに理解していない。
 
麻生大臣に質問した記者がトンチンカンなことを言っていて、証拠があるんだから罪に問えとか、かばうつもりでしょうとか言っているけど、筋書きがまったく読めていない。それどころか自民党の弁護士と話したら握りつぶされるとか意味の不明なことを言い出し、最後に自民党の弁護士をつけるんですか?みたいなことを言っていた。これ、何を言っているかというと、セクハラ被害者の女性に、自民党サイドの弁護士をつけて、法的に訴えたりするものだと勘違いしているのだ。違うだろ、被害者の女性は自分で弁護士連れてくなりして、自民の弁護士と話してくださいね?って意味なんだよ。
これ、報道した記者にリーガルマインド(ネットリテラシーの法律版みたいなもの)がまったく無かったことが原因だ。麻生さんはリーガルマインドはあるんだけど、口下手というか、細かいことは事務方がやるだろって感じで処理してしまったんだけど、これに訳の分かっていないテレビニュースが連動して、とんでもない無様を晒していた。
 
通常、報道では犯罪者と呼ばずに「容疑者」と呼ぶ。裁判で刑が確定するまでは、たとえ現行犯で確実に犯人だとわかってたって保留するのだ。こういう人権に対する配慮とリーガルマインドは既に形骸化した慣習に堕していると分かる。 
マスコミが加害者だと認定したら証拠がなくても吊し上げて、リンチにしろ!と言ったに等しい。韓国では民意でなんでも捻じ曲げられるかもしれないけど、日本でそういうことはできないのだ。処罰するつもりでも、双方に確認するといった手続きが必須だ。感情のままに、思い込みで一方的に悪そうな人間を叩き殺せって、そんなバカな話があってたまるか。韓国だけでやってろよ。マスコミはそういう悪辣な手法をとったら政府を叩くべきなのであって、悪辣な手法を求める側になってどうするって話だろ。
 
本当に酷い。アナーキズムそのものだ。マスコミの決定に逆らうなと脅し、真逆のことを平然と並べて非難してやがる。政府はマスコミにビビッて、事実の確認が取れなくても処分を下せってか。一体、何様のつもりなんだろうな? ホント、ゴミってんなぁ。