魔法先生ネギま! 223時間目

 
■フェイトの提案が示しているものとは?
 
(提案A)
 YES:お姫様を 渡す  
 NO :お姫様を 渡さない
     ↓
(提案B)
 YES:フェイト達を 無視する
 NO :フェイト達を 無視しない
 
●NO→NOへの誘導(?)
 
提案AでNOを言わせるように設問を設定していることから、提案Bでも同じくNOを言いたくなるように誘導していると思われる。(よくある心理テクニック)
加えて、ネギはフェイトを悪だと判断しているため、フェイトからの(悪の)提案には従いたくないと思い易い。この認識は提案Aが直前に提示されたことで強化されている*1。そして超の呪いがあるため、ネギは世界を救う選択をしたいと考え易くなっている。
 
「世界を救う」or「仲間を救う」
……という問題に見せ掛けてあるが、NOへの誘導をしていることを考えるとやはり「世界を救うこと=アスナを守ること」である可能性が高いと予想される。
 
 
●離間策としての側面……「神楽坂明日菜という名の5%」
 
ネギは姫というのが誰なのかを秘密にするかどうか決めなければならない。
(仲間に対して秘密を持つ→防衛対象が分からないと怒られる→アスナに対して秘密が守れないと悩む→でも教えてしまうorバレる→裏切りが発生し易くなる、の順で発生する)
 
ここでは味方が襲われたという事実があればよくて、どう考えてもフェイト達が悪いのだが「交渉による提案A」があることによって「アスナの責任」のような責任転嫁が発生する可能性がある。(かなり追い詰められて絶望的な状態になった場合、その確率は飛躍的に増大する)
 
20人に対する1人は5%に相当する。
神楽坂明日菜という5%は、他の95%を犠牲にしてでも守る価値があるだろうか?という問題。
 
・20人という小さなフレームでの姫の価値
・魔法世界を救うかもしれないという大きなフレームでの姫の価値
 
どちらのフレームでモノを考えるべきか?
 
フェイト達がネギ達から妥協を引き出すつもりであれば、まず提案を断らせ、次に仲間達をターゲットにする。(2〜3人殺すのが理想)それで根負けしたネギ達が魔法世界の危機に対して関わらないと誓うから仲間に手を出さないでくれと頼むように仕向ける。この時に既に手遅れだからアスナを渡せとニヤニヤしながら条件を吊り上げればよい。……つまりテロリストと交渉しても意味がない。
 
で、仲間達を守らないといけないので刹那達はガードに回らなければならないかもしれない。そうなるとゲートが発見しにくくなる。こうして悪循環が生まれ、フェイト達は作戦を邪魔されにくくなる。
 
 
●選択
 
(提案A)
 お姫様を 渡す   →損:アスナを失うものの、確実に帰還
 お姫様を 渡さない →損:帰還もできず、全て失うかもしれない
     ↓
(提案B)
 フェイト達を 無視する  →得:確実にアスナを救える
 フェイト達を 無視しない →得:世界を救えるかもor何も救えないかも
 
……プロスペクト理論からの応用?
 
誰かを本当に守るということは、その人間を構成する全てを通常の状態に維持すること……かもしれない。それは、世界を救えといっているようなものだ。そんなことは通常ならば必要がない。世界を滅ぼすような状況に直面することはないからだ。
 
アスナさんを守ったけど、魔法世界は滅びました……
 
それで誰かを「守った」なんて言えるだろうか?(言えるハズがない)
 
だから、ネギは秘密を守らないといけない。
姫が誰であるか絶対に打ち明けてはいけないことになる。
 
 
そうでなければ、
 
アスナを含めた仲間達と世界の両方を守る以外に方法はない。
 
 
 
●その他
今回はちょっと真面目っぽく書いてみました(笑)
刹那の言っていることはたぶんミスリードなんだろうけど、巧いよねぇ。ギアス魔法とかアーティファクトがあってもそれはそれで楽しいと思うし。
 
何より読者の感情論も脚本に組み込んでいる点が素晴らしい。感情移入の装置としても今回の出題はじっくりと堪能すべきでしょう。とか言っても解説を書いてたりするんだけど。まぁ、合ってるとかの保証はイタシマセンが。
 
それとピコーンと閃いた後で説明を作ったので思考過程を書いたわけじゃありません。結果を前提にして説明を構築したかも?こんなの瞬間的に分かるほど世馴れしとりません。
 
何にせよ、木乃香と環が可愛かったなぁ〜。
 
ピンチに内包されるチャンスを活かそうとするパルはよく分かっていらっしゃる。そうでないと金魚買えないだろうし。
 
ノドカの覚悟とちょっぴりの無謀さ……それを諫めようとする千雨。
 
 
ダメだ。今週、面白すぎ!

*1:悪だと再認識した