魔法世界編考察関係

 
 
ネギまの考察は大まかに2種類に大別される。
「答えのある考察」と「答えの無い考察」だ。例えば「展開予想」などは答えがそのうち分かるだろうから前者に近しい。一方、ネギまに無い要素まで含めて考察するのが後者に入る。例としては「こうすればもっと面白くなる!(ハズ!)」みたいなのとか。曖昧な領域に踏み込めば展開予想としては外す可能性が高くなるが、広げて考えなければ在り来たりの展開しか予想できないことになる。
 
現在、展開予想は少し先に進みすぎている雰囲気があり予想するにもネタか情報のどちらかが足りない。一応まとめてみるが、当サイトの読者なら既出情報が大半である。
 
まず魔法世界編の終了までだが、「いどのえにっき」による情報を中心に読み解いていくことにする。残っていると思われる項目は3つ。
 ・各国勢力の牽制を誘発
 ・旧ゲートポートの確保
 ・旧王宮深奥部への侵入
それぞれを確認していく。
 
1)各国勢力の牽制を誘発
その目的は、世界を終わりにする儀式魔法を成功させるためだろう。特にラカンの映画にも出てきた反転封印を使われると同じ結果になってしまうため、「みんなの力での勝利」を妨害するために牽制を誘発させたいと考えるだろう。
 
問題はその手段であって、現状はこのレベルが考察対象として手付かずの状態で残っている。残ってはいるものの、情報が足りないため予想出来ていない。フェイトのアジトに突入する30時間後までに何らかの動きがある可能性が非常に高い。
 
 
2)旧ゲートポートの確保
目的は魔法世界中から魔力を集めるためだ。各地のゲートポートを破壊することで、魔法世界の魔力は出口を失い、残っている旧ゲートポートに向かって動き出しているのだろう。
 
ここでちょっと問題があり、20年前の大戦でゲートポートの破壊が行われたかどうか?が明らかになっていないことが気にかかる。今回だけの特別措置だったとした場合、ライフメーカー不在の可能性も一応、残されていることになる。もしもライフメーカーが居ない場合は「フェイトは既に創ってあった」「思念体としてのみ存在している」などのパターンに派生し、魔法世界中の膨大な魔法力をライフメーカーの代用として使い儀式魔法を遂行する、という風に考えられる。
20年前もゲートポートが破壊されていた場合はというと、ゲートポートに対するテロがニュースになった時点で一部の関係者には何が起こっているのかが明白になっていると思われ、フェイト達の暗躍は直ぐにバレていてもおかしくない。
(ここから「今回の作戦は一味違う」とかが出てくると面白いかも。その場合、前回の失敗原因を補う形で魔力の集積を利用する具体的なアイデアが必要になる。)
 
 
3)旧王宮深奥部への侵入
これは「墓守り人の宮殿」への侵入のことだ。侵入する目的を考えると儀式魔法の拠点として利用することが考えられる。ここから壮大なミスリードとして儀式を旧ゲートポートで行う等があるかもしれない。
派手に目立ちながら浮かび上がる「墓守り人の宮殿」、共同戦線を張る連合軍。ネギ達は数々の障害を突破し最深部まで辿り着いたが、そこはもぬけの空だった……といった具合に
 
 
ついでに関係する考察周りだが〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
●時間の話
まず現在(252時間目)は10月5日の朝だと思われる。オスティア祭は9月30日スタートで7日7晩のため10月6日が最終日。とりあえずネギ達の作戦決行が30時間後というから10月6日の13〜15時にフェイト達のアジトに向かう予定と思われる。早まる可能性もあるが、むしろオスティア祭の最終日の夕方〜夜にイベントを組み込んでいると思われる。
<簡易表>
1:9/30:フェイトと紅茶談義・ラカンの映画
2:10/1:朝風呂・ラカン参戦・千の雷試演・修行開始
3:10/2:修行1日目終了・亜子風呂・トサカ脅し・亜子風呂・2日目開始
4:10/3:修行2日目終了・3日目開始
5:10/4:修行3日目終了・ラカン戦・奴隷解放
6:10/5:夕映と再会・このせつ仮契約
7:10/6:(突入作戦を予定)
 
現実世界に戻る時に時間が戻るかどうかは分からない。旧ゲートポートに尋常ではない量の魔力が集まって来ているのがポイントになっている。
(以前にも書いたが、木乃香の魔力→世界樹の魔力→魔法世界の魔力の順で利用するイベントが起こっている)
 
個人的な希望としては、少し夏休みをオーバーして9月上旬〜中旬の帰還が好みである。しかし、ウェールズで待っているであろう雪広あやか嬢の責任感やら、まき絵たちの夏休みの宿題のことを考えると…………アウチ
 
 
ラカンがライフメーカーに勝てなかった理由
この部分は魔法世界人がライフメーカーによる被造物の末裔であるからだと考えられる。このためにラカンは勝てなかったのが一つと、フェイト達が魔法世界の転覆を図ろうとしていることの理由の一端に繋がっていると考えられる。被造物の運命を創造者が決定する権利があるかどうか?という議論は残っているのではあるが。
(傍証として大義を守るためにアーニャのような旧世界の人類を手にかけることを避けていた。)
 
 
●ネギは戦う必要があるか?
まず上記の事情によりラカン達では勝ちにくい状況になっている。明日菜の誘拐をネギはまだ気が付いていないが、フェイトの計画は儀式魔法にその成否が掛かっていると考えられ、その鍵となるのが黄昏の姫御子アスナの存在であることから「明日菜を助ける=魔法世界を救う=フェイトと戦う」という構図になっている。明日菜を守ろうとすればフェイト達と戦うことはほぼ避けられず、仮に逃げえたとしても、それで世界を救うことにはなる。
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜こういう感じになっている。
 
 
アスナとアリカとナギの話
まずアスナの戸籍年齢問題だが、大体25〜70歳の範囲になると予想される。5歳までをダイオラマ魔法球(逆バージョン)に入っていたとすれば、内5年=外50年などに出来た可能性がある。その後は大戦終了時に反転封印術により、たぶん時間凍結させられていたと思われる。
アスナの肉体年齢に関しては、「ナギ失踪〜麻帆良学園入学」の2年間がポイントになる)
 
次にアリカとの関係であるが、ダイオラマ魔法球に入っていた期間でその関係が簡単に変わってしまう。アスナとアリカは姉妹の可能性も十分にあるが、ネギとの関係を考えると、展開に応じてネギと明日菜の間に恋愛的な可能性を確保するためにアスナが叔母、アリカが姪となる間柄が妥当ではないかと個人的に考える。
 
例えば、アスナ自身に姉か妹が居たとする。アスナ本人は黄昏の姫御子として生まれついたため、その人生の大半を「時間の牢獄」の中で過ごすことになる。(これは黄昏の姫御子は血が薄まり、生まれにくくなっていた等の理由による)
仮に妹が居たことにするがアスナはその存在を知らないとする。この妹はずっと姉(アスナ)を助けたいと考え、成長してアリカを出産する。しかしアリカにも魔法無効化能力は発現しない。アリカ自身には責任は無いものの、母親の失望は隠しきれなかったとする。これでアリカは「役立たずの姫君」ということになる:。彼女が魔法に精通している理由は「王族としての義務」よりも役に立たない人間でいることに耐えられなかったから、という風に考えることができる。
 
しかし、マンガ的な事情では「姉妹」である方が都合が良いかもしれない。大きく美しく成長した「妹の」アリカと、幼いままのアスナという「姉」ならば対比がもっとも映える描写になるからだ。
「作品の文脈」としては「アリカがアスナの話題に触れたがらなかったこと」、「姉妹か何かなのでは?」とナギ達が考えていたこと、とがある。
まずアリカがアスナの話題に触れたがらないというのは自責の念かコンプレックスと考えるのが妥当なところだ。特に非人道的な扱いをしていることによる秘匿性の高さも考慮すべきかもしれない。しかしこの要素は姉妹だろうと叔母・姪の関係だろうと同じように理由を作れるために決定打とはならない。
もう一つの「姉君ってことかよ?」(231時間目・ラカンのセリフ)と考えていたこと自体を考慮すべきであり、経験論的に作者が敢えて間違ったことを言わせていた可能性が高くなっている。つまり少なくともアリカが姉ではないだろうと思われる。
一応、アスナとアリカではミドルネームが違うといった要素もあるのだが、アスナには「特別な名前」が与えられたと考えるべきなのでこれも決定打とはなりにくい。
 
アリカは黄昏の姫御子を巻き添えに封印することを選択し、その犠牲の上に世界を救うことになった。しかし、広域魔力消失現象によってウェスペルタティア王国の領土の大半は墜落してしまう。結果、生活基盤を失った大量の難民が発生することになった。アリカは国民の居ない国の王女となる。
 
その後どうなったのかは分からないが、彼女はウェスペルタティア王国の王位を失う。しかしこのことによって彼女はアイドルならぬ王女から一人の人間になり、結果としてナギと結ばれることができたと言えるわけだ。
アリカがネギを身ごもったころにナギは旅立ち、そして帰らなかった。アリカはネギという希望を産み落とし、その役目を終えて天に帰ったと思われる。(もしくは産後の肥立ちも浅いのにナギを追いかけて……)
 
黄昏の姫御子として「生まれること/生まれないこと」という話まわりの悲劇をアリカが一部で背負っていることから「自分の生まれ」と「自分が産むこと」とがアリカ自身の大きなドラマとして存在する可能性がある。(もちろん、上記は私の妄想混じりの考察だ。妄想との境目を区別しておいていただきたい。)
 
 
アスナと明日菜
(注:ここではアスナと記している場合、黄昏の姫御子アスナのことを指し、明日菜と書いていれば、麻帆良学園の明日菜の人格を指している)
 
まず、最後の描写ではふたつの記憶がふたつの人格を作り出している様子が描かれていた。最終的にふたつの人格が融合するにしても、途中の段階ではどうなるかは分からない。アスナの話に関係するのはタカミチと雪広あやかの両名であろう。一応は同室の親友である木乃香もいるのだが、彼女は刹那に転んだので除外してもいいだろう。
 
タカミチに対する明日菜の恋愛感情は、記憶を封じられた後のものだ。オジン・コンプレックスにしてもガトウの死(?)に対する悲しみをベースにしている。つまり、黄昏の姫御子アスナはタカミチに対して特別な感情を持ってはいないと予想され、記憶を共有していない状態では「単なる知人」だということになる。(年上のちょっとなさけないヤツぐらいの)アスナにとって特別な存在なのはナギの方だと思われる。
「告白までした明日菜」「それを拒否ったタカミチ」「そんなの関係ないアスナ」というもどかしい展開になるのだろう。タカミチが必死になったところで、アスナの心を(心といっても無に囚われているからこそ)動かすことは出来ないだろう。
ガトウの死の記憶はアスナの中にも残っているであろうから、ショックを与えるために、タカミチがガトウの死をイメージさせる状態を再現させる展開になることが予想される。
 
一方、記憶を失ったとは言っても初期の性格反応はアスナのソレであったわけだが、そこから現在の明日菜の人格になったのは「あやかとの関係」による外部応答性やら環境的要因(いわゆるペルソナ)によるものだろう。あやかはお人形の様な状態だったアスナからケンカするような反応を「引き出した」人物なのである。その結果、無意識に憧れていたナギをベースとしたペルソナを利用して性格反応を作り上げていったのだと考えられる。
 魔法世界から帰って来た明日菜は変わってしまった、という状態になるはずだが、あやかにとってそれは「ちょっと昔に戻った」だけだと感じるだろう。アスナはやりにくいと感じるだろう。
…………今の状態でケンカするとアスナが一方的に勝ってしまうことになるので、ケンカさせるためにも、あやかをパワーアップさせる必要があるかもしれない。
 
雪広あやかの「日常性」は、明日菜の魔法に関係する側面を否定したがるようなセンシティブな部分に対応させやすい。しかし、アスナにしろ明日菜にしろそういう反応が出てくるかどうか疑問だ。特に魔法世界編ラストの極限状態以外でそういう反応をやれる場面が果たして出てくるだろうか?
自己同一性の問題は、描かれていない現在がピークの状態を迎えていると考えられる。明日菜が明日菜として「居られないこと」に不安や恐怖を感じているのは物語に描かれていない「今」の話だからだ。アスナが記憶を取り戻しつつある現在こそが最大の山場を迎えている頃だろう。高確率で明日菜の記憶・人格は表には出てこられなくなる。つまり体との接続が断たれて閉じ込められてしまう。
タカミチとの接触は明日菜の人格が表に出る切っ掛けになると思われる。ならばあやかが明日菜にとっての日常の象徴である必要はどこにあるのだろう。明日菜としての反応を固定するために、外部要因としてあやかが必要になる瞬間が必ずどこかにあって(たぶんあやかはしっかりしなさい!とビンタしたりする)そのことによってしばらくの間は人格が切り替え型になる可能性がある。
アスナを魔法関係の象徴とした場合にだけ、明日菜は魔法に関わるもの全般を拒否する可能性がある。それは雪山修行前の状態にもどってしまうことになるし、同じ体を共有するアスナを深く恐怖することになる。しかし「無」である彼女の何処を恐れるのか?と考えると、その「無」の深さということになるだろう。それならば明日菜を「有」と見做せば、アスナ側も明日菜の「有」を理解できずに苦しむかもしれないわけだ。このような自己同一性問題の追及が本編でどの程度までなされるか?は分からないが、明日菜の物語としてもはや避けられないところまで来ている。
 
未だにタカミチや龍宮は本編に参戦していない。…………いいんちょが良い子にしていないことを願うばかりである。