明日菜について・あやかについて。


思うところがあるので色々書くことに。
いいんちょには魔法バレしてほしい。




方丈にて徒然なるままに! さん:「帰るべき場所」
http://blog.goo.ne.jp/hazukist/e/941d6509378d3bda420a1bb2b2026f47
明日菜の帰るべき場所としてのいいんちょについて


物語三昧〜さん 方丈にて徒然なるままに!さんの記事に反応
http://ameblo.jp/petronius/entry-10036241185.html

物語三昧〜さんの以前のテキスト
http://ameblo.jp/petronius/entry-10031390156.html



簡単にまとめると、
明日菜は過去を思い出した時に地獄を見る。
そんときに友人としていいんちょが魔法バレしてない日常の存在としているべきなのではないか?といった話。


個人的に、いいんちょに魔法バレして欲しいので苦笑いなんですけどね。




<明日菜の階層構造>

E:無心アスナ1(姫)


D:無心アスナ2(ガトウを失って涙するアスナ


C:日常明日菜(1時間目より前)


B:魔法バレ明日菜(←今ここ)


A:全て思い出した明日菜



仮に階層構造を示してみる。時間的にはE→A方向へ進む。現時点(177時間目)ではBの状態にいる。
いいんちょが魔法バレすべきかどうか?という点に関して重要なポイントになるのは、ヒロイン明日菜の親友としての機能によるものだ。


19巻収録予定の169時間目以降、視点がネギ以外のキャラに移動した。
(主にヒロインとしての明日菜へ。ただの明日菜には興味ありません。この中にヒロイン……)
そして修行を通じてアスナとしての過去を思い出すかどうか?という点に焦点が当てられ、173時間目に与えられた最初の結論では明日菜は明日菜のままで厳しい雪山修行をやり遂げることになった。




(階層構造B→A)
さて、前提としては近い将来に明日菜は、アスナとしての過去を思い出すことになると予想できる。それはペトロニウスさんの書くように「最高の地獄」*1になるやもしれない。少なくともガトウの死(死んでるかどうか分からないけど)を思い出すことになるだろう。



(階層構造A→C)
このとき、いいんちょの存在は日常的な明日菜を思い出させる機能を持つ。
177時間目の2人の会話は予兆ということだろう。


ここいらで「いいんちょは魔法バレしてはダメなのか?」という点に争点が移る。
近い将来、傷ついた明日菜にとって必要なのは「転校してきたばかりの頃の自分の記憶」を刺激してもらうことである。
階層構造Dは、ガトウの死に涙したアスナ*2を示しているのだが、階層構造Aの段階から、ガトウの死に心理的に一番遠いのが、転校して来たばかりの頃だ。時間的には一番近いんだけど(笑)
日常明日菜の出発点に立ち戻ることで、もう一度、日常明日菜ルートに戻しやすいからだ。



この時「魔法的な出来事」をヒトククリにして悪いことと認識してしまうかどうか?が問題になると予想される。
いいんちょが魔法バレしている場合、魔法的な出来事に瞬間的に恨みを抱いた明日菜の心にはいいんちょの差し伸べる手は届かなくなってしまうからだ。
ネギも何も放り投げてしまいたい心境になるかもしれない。
そこで必要なのは、魔法的に無垢ないいんちょである。当たり前の話だが、一端魔法がバレてしまったら*3無垢な状態に戻すことはできない。
この可能性のため、いいんちょの魔法バレに慎重にならざるをえないのだと予想される。


そこまで行かない場合、例えば、黄昏の姫御子アスナとしての自分と、まほら学園3-Aの明日菜としての自分が混線してしまい、自分が誰なのか、どっちなのか分からなくなるような場合は心を整理する存在としていいんちょと一緒に過去を思い出すようなシーンが必要になる。殴り合いの喧嘩でもいい。
人間らしさ、自分らしさ(階層C状態)を取り戻す切っ掛けにいいんちょが必要になるわけだ。
このとき、魔法バレしてる必要があるかどうか、魔法バレしててはいけないのかどうか?どちらがよりドラマチックだろうか?という問題がある。
別に魔法バレしてたって過去のことを一緒に思い出せるからね。



いいんちょのキャラクター性を考えると、個人的にはガラスの仮面姫川亜弓要素を思わずにいられない。お嬢様で最初は攻撃的な亜弓だが、ライバル関係となり主人公の最大の理解者として成長する。姫川亜弓ならば、相手の真の姿・本質から目を逸らさない。いいんちょに置き換えるならば、魔法バレした上で信念を貫くだろう。
もしくは、魔法のことなど何も知らない雪広あやかの不理解の中に明日菜は癒しを見出すかもしれない。何も知らない・わからなくてもいいのかもしれない。ボケたいいんちょも愛すべき存在だ。


それから176-177時間目の描写は2人の間に実力の溝をつけた。今は色々な意味で対等な存在とは言えなくなってしまっている。これがどう転ぶか?という点も興味深い。対等な存在でなければ親友でいるのは難しいし、単にパワーアップのフラグかもしれない*4。……といっても簡単な修行では追い付けないような決定的な差がある。6:4で魔法バレフラグか?と期待。



ネギま!の物語において、明日菜とアスナの関係をどうするのか?ということと、いいんちょの魔法バレをどう扱うか?というあたりでの製作サイドの意思決定は中々楽しげな葛藤だと思う。
個人的には、明日菜には戦闘モードで無心状態を使いこなして欲しいし、いいんちょにはさっさと魔法バレして欲しいと思っている。




・ポジティブ問題
15巻138時間目
千雨「夢と現実がごっちゃになったようなそんな世界は寒気がするぜ」
木乃香「でもでも千雨ちゃん魔法使えるのは現実やで」
千雨「(一部略)フツ〜で退屈な現実が私は気に入ってんだ。夢物語はごめんこうむるぜ」


木乃香の強さのひとつは、この肯定性にある。
刹那の存在を受け入れることが出来た*5のもこの肯定する性質故。
千雨は、現実に肯定的で、魔法的な日常に否定的。


あたかも「現実」と「魔法的な現実」とでふたつあるかのようだが、木乃香の言うように現実は現実である。
千雨なんかも結局は魔法も使える現実を受け入れざるを得ない。彼女は最初の段階で「現実を受け入れて」いる。次には魔法も込みで現実を肯定しに掛かる……と思うのだけど。ミイラならミイラなりに。



 で本題に戻すと、明日菜が魔法的な出来事全般を拒絶するような状況になった場合、魔法に対して肯定的なキャラクターの重要性が増すことになる。
どんなに否定しようと、現実は現実としてただそこにあるだけ。
過去のアスナとしての自分を思い出すことで、一時的にアスナ=魔法世界的存在、明日菜=現実的存在といった区分けが発生する可能性があり、過去の全てと一緒に魔法世界観を否定しにかかるかもしれない。この場合にはもう一人の親友としての木乃香の方が影響が大きいはずだ。なぜならば、木乃香は肯定するからだ。もしくは五月に影響を受けたネギでもいいかもしれないけど。
本編中の描写で伏線が張られていないので木乃香の重要性に製作サイドが気付いていないような気がするが、どうなることやら?
 明日菜にとってエヴァや刹那のような辛い過去を持つキャラにはフラグが立っているのに、木乃香にはいまのところ立っていない。
刹那を受け入れた木乃香という存在。そんなに軽いとは思えないのだけど?




・強い無・弱い無・普通の無
172時間目
(階層構造E)
アスナ「無になるなんて簡単……だって……私には元々何一つないもの」
タカミチ「そんなこと言っちゃダメだよ。少なくとも今の君には……(後略)」


アスナ姫の無を「何も持たないことによる弱い無」と定義した時、より強い無に辿り着く必要が見出しえる。
咸卦法の条件として設定されている「無」の心。アスナ姫としての過去を受け入れがたいものだと認識するのならば、もしくは明日菜としての自己をより重視するのであれば、結論としては咸卦法を捨てて気や魔力で戦えよって話になる。咸卦法という既得権益を捨てることはできるだろうか?それは正しいことだろうか?


アスナとしての過去が間違っていて、明日菜として生きてきた時間だけに意味があるのだとしたら、ガトウの死を悲しんだアスナに意味や価値はない。
全てを肯定しようとする時、アスナ姫の無の心も「良いもの」として受け入れることができなければならない(肯定)。そのとき、真に咸卦法は明日菜=アスナのものとなり、信頼すべき力としてその力を振るうことになるだろう。
ただし、人格的統合した後の明日菜がどんな性格になるかはわからない。
ココネみたいになったりして。




うーん、とりあえずここまで。



  

*1:過去を思い出すことがそんなに地獄か?とは思うのだが、まぎぃさんが賛同に近い反応を返しているのでその手の描写がなされる可能性が非常に高い

*2:この時点で既にアスナはカラッポの無ではない!

*3:よほど手間を掛けなければ、例えば魔法バレしておいて一時的に記憶喪失だとか過去のいいんちょと出会うだとか……

*4:ドロンジョ様のようなコミカルな役どころで味付けする方向も可能。ギャグではアリだが、シリアスシーンの足を引っ張る可能性がある

*5:もう少しメタに見ていくと、刹那の翼なんかを秘密として重視するような考え方は魔法的日常に対してネガティブ。魔法的日常=危険といった作中のネギの発想なんかも(雪の日みたいな背景があった上で)ネガティブだ。