でっちあげ考察『感覚』・いいんちょ(他)

がーっ!@167時間目



リアル ←→ 荒唐無稽
 ↑     ↑
 ↓     ↓
リアリティ←→ご都合主義



作品はリアルである必要はなくて、リアリティが重要。
魔法なんてねーよとか言われてもわかってるっつー話。
作品のリアリティ(リアリズム?)との対極にくるのは御都合主義であろう。
そんな都合の良い展開はありえねーとか言われても、面白けりゃアリだし。
というわけで、上のような構図をでっちあげることができる。
リアルとの対極には出鱈目とかそんな概念を入れておけばいいだろう
左側は「現実主義的」であり、右側は「現実主義的ではない*1」になる。
上下は徹底性とか密度差とかクオリティの高低って感じで受け取ってほしい。


大事なのは、マンガにおけるリアリティであり、ご都合主義である。



大仰な前フリを入れてみたけど、
要するにリアリティやご都合主義の大事さは一応分かってますよ?というアピールである。
なぜならば、リアルの方向に踏み込んでみようかと思っているからだ。



NLP神経言語プログラミング*2の考え方のひとつに「代表システム」というものがある。



代表システム」とは、個々人が好んで処理する情報感覚系統のことを言う。(わかんなかったらググってもらうとして)


視覚系優位の人は、イメージ映像による処理を好むわけだ。文字を読むのは面倒だから絵で見たいだとか。
聴覚系優位の人は、耳で聴く情報を処理するのに慣れている。例えば、音楽が好きだったり、心の声をよく聞く→よく考える、だとか。
体感覚系優位の人は、重いとか軽い、暑い寒い、ガッシリしてるとか柔らかいとかの体感覚的情報に興味を示しやすい傾向がある。
例えばぬいぐるみがあったとして、「かわいい」部分に惹かれる人と「抱き心地」に惹かれている人とがいると考えられる。もしくは両方とか。


……といった感じで、個性を形作る「もののみかた」の違いにはこの代表システムによる部分が含まれるというわけ。
しかしながら、マンガリアリティってのは現実に即していないので、そうそう当てはまらないのね(笑)


というわけで、当てはまってみえるような部分だけ紹介してみようかな?という話。



いいんちょのリーダーシップとは?
雪広あやかの代表システムはちょっと捉えにくい。相手に合わせている傾向が見て取れるからだ。
3−Aメンバーの気質は難しい。新田先生によると問題児軍団扱いをされている。
そのクラスを委員長としてまとめる彼女はどのようにしているのだろうか?


面白いことに、
立ち上がってアピールし、その美貌で圧倒しつつ睨み付け、
机を叩いて威圧しては、その美声で叱り飛ばす。
それでも足りない乱暴者(明日菜や小太郎)には喧嘩も辞さない、のである。
相手にとって受け取りやすい情報を与えるべく、オーバーリアクション気味に振舞っていると受け取れるのだ。
彼女の人心掌握術はそれなりの根拠がある、ということになるかもしれない。


彼女個人の代表システムを考えてみると、
学祭の膝枕の時の様子から喋る必要は無いらしいので、視覚○ 体感覚△ってところだろう。
ちなみに時々出てくるプレゼントの石像はもともと触って判断する芸術だったりする。



●明日菜の代表タイプについて
初期の明日菜は視覚タイプのように見える部分があった。
オジサン(外見)好きで一応は美術部員でもある。
転校当初の無口無愛想な状態でいいんちょとの殴り合いの喧嘩でコミュニケーションをとっていることを思うと、体感覚優位なキャラ付けと見做していいだろう。
無の状態のアスナ姫は、視覚・聴覚の情報に価値を見出し難かったのかもしれない。手触りや匂いのような感覚だけをリアルに感じて育った可能性は十分にある。逆に言って、アスナがどうとかではなくて、全般的に無口で無愛想なキャラは体感覚を重視するということかもしれないわけだが。
そして明日菜として育っていく内に、視覚系が発達してきたのかもしれない。


「AI止ま」の後半から始まったヒロインの殴り癖がなりを潜めていることが判断しやすさに繋がっている。(といっても明日菜の場合は体感覚的なのだが)
あの殴り描写にはなんらかの失敗(主にエロ)の気まずさを瞬間的に終わらせる赦し効果があるのだが、頻度が高すぎて判断材料としにくい部分がある。
実際アーニャには殴り癖が伝承されたようで、代表システムが何かはわかりにくい。乳へのコダワリ、ぎゃーぎゃーうるさい、食いしん坊、殴り癖、地団駄などのオーバーアクション……赤松ヒロイン=体感覚系?






●視覚タイプ
とりあえず、魔眼持ちの隊長なんかは視覚タイプだと思っていいはず。
それらしき描写は見受けられないのだが(笑)
それとのどかはわかりやすく視覚タイプだと思われる。
よく見つめる描写が入る。本を読むという行為は聴覚系になりがちなのだが、速読などで右脳処理しているのかもしれない。本を読んでいる最中は周りの音が聞こえなくなるらしいが、そこまでは不明。



●聴覚タイプ
騒がしいのが好きな系統は聴覚タイプ。
チア組のデコピンロケットなどは音楽をやっているから聴覚タイプのような気がするが、キャラの肉付けとしてはイマイチ描写が足りてない。
むしろエヴァの方が聴覚タイプの傾向を示しているかもしれない。
エヴァは騒がしいのは好まないと主張しているし、でも説教(喋る)が好き、さらに暇つぶしに本を読む描写があるなど条件は満たしている。



●体感覚タイプ
とりあえず、個人的にアキラは体感覚系だと思う。
水中を泳いでいると複雑な音の世界になるのだが、むしろ水の感触を楽しむ描写だったように思う。
アキラは静寂を好むというよりは、聴覚情報に対して無頓着な感じがする。喧嘩などの感情のぶつかり合いを嫌うだけで、静かな場所を好むというわけではなさそうだ。
それから缶ジュースをネギの頬にあてて「冷っ」とさせる描写。あれが体感覚系の好むコミュニケーションだと言える。
(たまたまなのだろうけど、たまたまの積み重ねだし)






●まとめ
というわけで一部だけ紹介してみました。
残念ながらキャラに対してはっきりこうだ!と言えるわけではありませんし、NLPに関してエキスパートというわけでもないので見逃している描写がたくさんあると思います。
実際、見た目の可愛いものに大半の女の子は反応しますし、イケテル音楽はそれなりに聴くでしょうし、まき絵みたいにヌルヌル嫌い!みたいな設定がないと体感覚=殴るになりがちだったりしますからね。
正直、クラスメイト全員分の表を作りたいのだけども、分かりにくいキャラが多いので難航してます。


リアルに近付けばいいとは自分でも思っていません。ただ結果的にリアルに近付くということはあるでしょう。
何より31人もいるからこそ、様々な角度から分析を楽しめるという部分が大事なように思います。(綺麗にまとまった?)


 

*1:非現実〜と書くと用語的にズレるかもしれないので避けてみたが、そもそも出鱈目なのでどうでもいいや

*2:ウィキペディアをみるとカルト的という旨の記述がある。アンカリングまで行くと確かに催眠術っぽい。アメリカの文化的背景は正直よく分からないのだが、どうもモテるための戦術として利用されたという経緯があるらしく、映画「マグノリア」でのトム・クルーズ助演男優賞)の役のモデルになった人物がNLPを使ったモテ教祖なのだとか