父をめぐる連想


バーチャルネット図書委員のどか15歳』さんが書いてるのを見て、
面白そうだと思ってなんか書こうかと思っていたら、『くろうのだらオタ日記』さんが既に反応済みだった。イカン出遅れた。
……というわけで、非常に危険な行為であるけれども、二番煎じならぬ三番(他にも誰か書いてたりして)煎じしてみる。




●ナギの性格とおじいちゃんの関係
ドネット回*1(174時間目)の時に、メルディアナ魔法学校の校長はドネットの父親じゃないの?という妄想を抱いた。秘密を明かせば、ドネットと校長がちゅーして本契約してたらヤダナ〜と思ったのだ。
とりあえず父と娘ならキスして契約とかってやらないだろ?みたいに思ったわけね。
だもんで、ドネットの父親ならネギのおじいちゃんじゃねーだろ?と。
そんでコレが182時間目に否定されてしまった。メルディアナの校長はやっぱりネギのおじいちゃんだった、と*2



となると、父親(サウザンドマスター)がいないのだからネギは素直におじいちゃん子になりそうなものだし、違和感がある。お爺ちゃんとの距離感が遠すぎてリアリティがなくなっているのだ。
で、解釈の方を変えることにしてやると、校長・ナギ・ネギの関係を補間する情報が見えてくるわけだ。


校長は言うまでも無くハリーポッターでいうダンブルドアの位置付けにいる。ほぼ確実にマギステル・マギと考えてよかろう。
一方ナギは?と考えると、偉大な父を持って足掻く二代目としての姿を見出すことができるのだ。
学歴コンプレックスなんかも優秀な父親をもったという関係でスンナリと納得できたりする。
そうすると学祭武道会のラスト、消える寸前にナギが言った言葉の意味に実感がこもる。


「お前はお前自身になりな」


ナギもまた父親を求めて苦しんだ末に自分自身になることで答えを見出したのだ。



……って妄想が考えられるわけですよ(笑)
いやぁ、このラインは十分にありそうなんだけど本筋とは関係ないしフォローされないかもしれないので、予想というよりは妄想になっちゃうなぁ。




●ネギと校長の関係
同様にネギと校長の関係もマギステル・マギによって遮断されていると思える。
ネギ君は可哀想にも偉くて忙しいおじいちゃんに甘えて育つことは出来なかったのだろう。
幼いネギきゅんの目的は「マギステル・マギになる」のと「お父さんを探す」の二本立てだ。
マギステル・マギになるために女子校で先生役をがんばっているわけだけども、イヤな言い換えをしてしまえば、「おとうさんみたいになる」か「おとうさんを捜す」になる。こっから更に突っ込んで言えば、「おとうさんみたいになる」のではなく「おじいちゃんみたいになる」の方が事実に近かったりするのだろう。
エヴァの夢の中(22時間目)に出てくるナギの姿を見たネギはイメージの違いにびっくりしている。話に聞いて思い描いていたのと違っていたわけだ。
マギステル・マギの立派さというのは、要するに正統派マギステル・マギ=おじいちゃん のイメージだったと予想される。何しろ、身近な例だからね。



で、182時間目のエヴァのセリフ
「お前はヤツではない……か(後略)」



この部分だけ取り出しても案外キレイにまとまる。
ナギに憧れて魔法拳士を目指しているのだけども、ネギのなろうとしているマギステル・マギは、父親のモノマネではないのであった。これって結構凄いことで、物語の中核の片方を消滅させようとしてるとも読める。
エヴァも幻影ナギの最後の言葉を聞いていたわけだから、ネギを個別の対象として見なし始めたとも言えるんだけど、それはちょっとズレた話なのでまたの機会に。



ということで、2代に渡る父親コンプレックスだとしたらネギの目的意識の根は深い……とまとめたいがそれだと嘘になってしまうなぁ(涙)
下手するとエヴァンゲリオンの最弱父ちゃんゲンドウ並みに罪作りなメルディアナの校長が諸悪の根源かもです。


イメージとして父親越えってエディプスコンプレックスっぽいんだけども、エディプス〜の方は母親の確保←→父親への対抗心がセットらしいので、母親の出てこないネギまではズレるんですよね*3。ゆーなは対概念のエレクトラコンプレックスっぽい*4んだけども、ネギ君は直接的に父親越えを目指してはいないし、ファザコン*5ってことなんでしょうね。




●千雨ネタは長引く上にまとまらないのでとりあえずこの辺で。


 

*1:ゆーな回だろ!ってツッコミを求めて書いた(半分嘘)

*2:一応可能性は残っているけどね。ドネットがナギの姉が妹だったらネギのおばちゃんってことに………おばちゃん言うな(怒)

*3:例としてはサウザンドマスターが母親に執着してたとは考えにくい、とか

*4:エレクトラコンプレックスのペニス云々の話には男性社会的な偏見が入り込んでるような気がしてちょっとどうか?と思うのだけど

*5:ウィキペディアの概論をコピペすると、「父親と距離を置くような厳格な家庭で育った場合、厳しい父親に表面的な愛情表現をされないまま成長してしまったために、その欠落感を埋めるために父性的なものに憧れ、ファーザー・コンプレックスが形成されるとされる。また、父親が人生初期に死んだ事や離婚などで不在である事で、父親が理想化されることなどによっても形成されることもあると言われている」……うわぁ〜まんまじゃん(笑)