ヱヴァ序 ネタバレ


●全体的な評価
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序を見る。
この映画単体では60点ぐらいだと思う。しかしこれは明らかに不公平な60点。ガイナックスの60点、ではあった。
それと妄想力のある人だと+15〜30点ぐらいのプラスが発生するかも?
とりあえず次回作への期待とかまで含めると、60点とは言えないと思う。


●構成その他について
・「何がエヴァなのか?」ということが問題だったわけだ。あんまりゴロっと変えてしまうと「別物の新作」になってしまうのだろう。
エヴァエヴァでなければならず、その意味で「何がエヴァなのか?」というものがこの序で示されているのだと思う。簡単にいえば構造や基本的な道具立ては同じってことだ。見慣れたもので占められている。以後はそのクオリティが問題になるのだろう。例えばエピソードの「肉付け」によって新しいヱヴァを見せるということになりそうだ。
 実際、次の「破」の予告はよく分からないことになっていた。アスカが出てくるのはいいとして、何号機か分からないエヴァとか、新キャラだと思うんだけどメガネの女の子とか……(ヒカリだったら笑えるけど)……同じ構造を示した後だからこそ、そこからズレたり壊したりができるということなのだろう。


例えば、前作だとアメリカでの爆発事故があって各国がエヴァから手を引く……みたいな流れがあるんだけども、そのシーンが無くって新しいエヴァと対応するパイロットが来るのかも?とかね〜トウジの三号機でもいいんだけどさ。



・総集編じゃないの?
新約Zのイメージではなかった。古い絵も使ってるみたいだけど、そんなに多くない。
総集編的になっている部分はエピソードのぶつ切りによるものだ。むしろ中弛みの方が問題かな。
そもそも新作なのか?旧作の総集編なのか?このポジションがどうもおかしい。
作中の仕掛けの所為で新作としてはどうしても見られないし、旧作でもない。明らかに前作を見た人向けの作品になっている。でも別ルートというよりはデータ引き継いで二週目って感じだ。
最後まで見ないと確かなことは言えないが、ともかく再起動したのは間違いがない。


意味合いとしては、アルファシステムが作った「エヴァ2」にも似ている。芝村氏が何を考えていたのかまではわからないが、確かに再起動してしまっている*1
ある意味ではエヴァ2の庵野監督プレイモードってことかもしれない。その場合、半端なプレイにはならないんだろうという期待がある。



●ダメな点
ラミエルがねぇ〜。足し算は分かるんだけど、引き算してないかも。変形までは事前情報で予想してたけど、なんかカッコ良くないと思った。
それとヤシマ作戦の演出。シンジが山を移動した前作の方が良かったかも。綾波の笑顔も貞本マンガ版の極微微笑の方が好みだし。
前回は前回で完成度が高かったものだけに、違和感を面白さに変えていくのは並大抵のことではないように思える。
この辺りの一つ一つはズレと関わってくるので、そう一概にダメ扱いはしにくいのだけどね。



●この作品は映画館で見るべきか?
これは残念ながら「見るべき」と思う。
たしかに総集編的とは書いたのだが、この10年で記憶が美化された程度かそれ以上には美しく仕上がっている。見慣れたガジェットの新しい魅力を堪能したいところ。


何よりも、1作目を見ないで2作目を観に行くなんて俺には信じられない。DVDレンタルが始まるまで我慢してたんじゃ色々と遅いと思う。とりあえず2作目の「破」はかなり盛り上がることになるだろう。


オマケ要素としては、
映画館にもよるんだろうけど音も凄い。打ち上げ花火の衝撃みたいなのが来る。体の水分が震える感じ。バズンッ!って衝撃、続いて巻き起こるハズの突風を幻視して、キャラと一緒に首を引っ込めたくなるほどの威力だ。
それに見所は国連軍だね。前作のヘタレ国連軍は跡形もない。真に地球を防衛しようという演出になっている。エヴァオタホイホイも健在だ。第二使徒リリスの明示、どこ行った第三使徒綾波更新カードも陰謀とか。




アスランも健在。

*1:芝村氏はエヴァを再起動させると豪語していた