ベスト

 
少ない労力で最大限の効果を上げる目的で選ぶベスト。
 
□経済
金持ち父さん貧乏父さん : ロバート キヨサキ 著
評価★4つ
 
正直、もっといい本はいくらでもあるとは思う。しかし、この本を読まないと基本的な文脈が見えてこないので取りあえず入れておかなければならないと感じる。日本でも人気があるので、基礎教養として必須に分類しておく。
 
キャッシュフロー(ラットレース)というボードゲームを販売するセミナー商法でもあるので、いきなり深くハマらないように。
 
 
□労働
ザ・ゴール :エリヤフ ゴールドラット
評価★5つ
 
働く人もそうでない人にも。
通常の効率論は「最大戦力の有効活用」と思っておけばほぼ間違いない。組織の中央集権化と相まって、有能な人材を一箇所(情報の集まる中央)に集めて最大戦力で効率をガーッと上げていくと組織運営の初期段階では非常に有効になる(つまりトップアップ)
 
コレに対して、『ザ・ゴール』ではボトムアップによる組織論が展開される。
 
組織では役割分担(分業)をすることでフロー(流れ)を作ってしまう。そこでは、速いパートと遅いパートとが自然発生し、一番有能な連中を集めて速く処理したとしても、一番遅い場所に(つまりボトムがネックになって)活動を制約されてしまうことが説明されている。
 
この通常の効率論をひっくり返す考え方として、制約条件の理論が巧く紹介されている。ガンバレ式の精神論ではもはや戦えない。労働者であれば、高度な常識となるので必ず触れておきたいところ。文体も簡易で読みやすい。このシリーズは全部読んでも大して労力が掛からないのでオススメ。論理の使い方などもポイントが高い。
 
それと労働者というくくりは『金持ち父さん〜』の方を読んでいると苦く感じると思う。
 
 
□恋愛
ザ・ゲーム :ニール・ストラウス 著
評価★4つ
 
副題は「退屈な人生を変える究極のナンパバイブル」(笑)
如何にしてモテるか?というのは男性としてはほほ絶対に無視してはいけない課題でもある。いくつか読んだけれど、これ以降この系統の本は読む気が無くなったので、これがいいんじゃなかろうか。
 
後は、ワンパターンで女の子が口説けちゃうことに対して、やったね!と思うか、くだらねぇと思うか、だろう。誤解しないで欲しいのは、この手の本を読もうが読むまいが、恋愛での成功パターンが固定されてしまう人は多いということ。その成功パターンで相手に出来る女の子というのは、似たりよったりのタイプになり易かったりする。
 
これはこれで示唆に富む本(心理とか、セミナー商法とかの背景とか、まぁいろいろ)なので、年頃の男性にはこっそり読むことをオススメします。女性は気分が悪くなるかもしれませんが、自分は絶対にこんな安っぽく口説かれたりしない!と思うのなら、どうぞ。(安っぽく口説かれないと恋愛なんて出来ないのですが)
 
 
霊性
神との対話 :ニール・ドナルド ウォルシュ
評価★3〜5
 
ちょっと勉強が進んでいくと、神からは逃げられない*1ことに気が付くことになる。しかし、日本人だとどの宗教が正しいのかわからなかったりもする。新興宗教にハマるよりは、古くからある安定したどれかを学ぶことになるんじゃなかろうか。地下鉄サリン事件のこともあって、宗教に対する偏見はとても強かったこともある。
 
ポイントは、宗教を学ぶのか、神を学ぶのか?と言う点にあって、その違いを認識するまでが大変だということ。神の情報は宗教が握っているためだ。
 
結論として、ニールの優しい神様からの指示は「特に無い」*2
あれしろこれしろとは言わないので、神を理解する一助にはなると思う。
それ以外の情報源としても、一部ではこの本で示された方向に進んでいたりするので、参考にするのがいいと思う。
 
ちょっと危険(人生が変わってしまうかも?)なのでオススメはしない。
 
 
□運動
天才の証明 :高岡英夫 著
評価★2or7
 
私の評価では、日本における至高の天才。2位以下をブッちぎり。よくぞ日本にいてくれた!と本気で思う。全ての答えの一つ。評価はMAXの★5を超えて7とする。別に10でも構わないけれど、万人向けではないのも事実。理解できない人にとっては★2つの価値もない。情報としては、数世紀単位で早過ぎるもの、だと思う。高岡英夫が死んだら、この分野は研究されないで消えていく運命となるだろう。
 
高岡英夫は現存する日本人であり、その研究は大雑把にディレクトシステム以前/ディレクトシステム以後とに分かれる。天才の証明は、ディレクトシステム以後において一番説得力の無い本のひとつに分類できる。
 
ディレクトシステムとは、肉体と精神を運用する「意識システム」のこと。
尚、当人の思想性は本当にオマケなので、そこで反発してしまう人も多い。
 
要するに、「本当かどうか?」や「正しいのかどうか?」「理解するかどうか?」ってことは、読み手のレベルの問題を抜きにして語れないのである。認めるのが沽券に関わる人達は、まず理解しようとしない。直感的に理解できる人にとって、ここから得られる情報は天の恵であり、絶望となるだろう。
 
『天才の証明』の前著の『意識のかたち』、最近だと『究極の身体』は理解できた人には理解の助けになるだろう。
 
これも危険。『神との対話』シリーズと高岡英夫の著作群は両輪ではあるが、あまりオススメしない。どっちも10年とか掛かる代物だと思った方がよい。
 
 
□歴史・(政治)
ローマ人の物語塩野七生
評価★4〜5
 
これは必読と思わわれる。
ローマ以後の世界がローマに強く影響を受けていることもあって、大抵の文脈が読み解けるようになると予想される。入手難易度のことを考えても、今の時代は『ローマ人の物語』を読むか、それ以外に手広く読み進めるか?という選択になると思う。
 
歴史からみた宗教なども分かり易く描かれているので、ちょいと幻想を破壊したい時なんかにも有用だと思われ。
 
ただし、学校のテストの役には立たない可能性が高いので、ここに示す他の本と同様に、信者になってしまうわないように注意したい。
 
塩婆さんの腐女子的ローマ観とか言われても反論できないけどね(笑)
 
 
 
□エンタメ
絶望に効くクスリ山田玲司
評価★2〜4
 
7巻辺りまでは素直にオススメ。9巻以降は未購入なので(笑)評価外。
特に五味さん、永田さん、山田バウさん、富野監督とかは読んでおいた方が良いと思われ。以外と悪くないので、一般教養としてもちょうどいい。
 
……というか、エンタメは分野が広いのでドレがベストか?と言われても困る。実際、ジョジョとかガンダムとかガンパレを勧めたいところなのだけど(笑)
 
 
□勉強法
ドラゴン桜三田紀房
評価★3〜4
 
勉強する・しないに関わらず、勉強法だけは情報を仕入れ続けるべきであろう。勉強法に対する勉強はコストも小さく、勉強したような気にもなれることもあって、大変に有用(笑)ドラゴン桜でも読んどけばいいんじゃね?というポジション。(集約的というか)
 
特に何かの切っ掛けで勉強しなければならなくなった時に効率良く勉強できる可能性が増すことや、誰かに何かを教えなければならなくなった時にこの手の方法論を知らないとロスが大きくなってしまうので、義務度が高い。何を勉強すべきなのか?は本人の問題だが、どう勉強すべきなのか?は共通の問題となりえる。
 
 
□権力
権力に翻弄されないための48の法則:ロバート・グリーン+ユースト・エルファース著
評価★5
 
「常に善人であろうとする者は、善人でない大勢の人びとのなかで破滅せざるをえない。」
逆説的に、もしも最後まで善良であり続けようとするのならば、善良ではない者たちのやり口を学ばなければならない。
 
物語に多く見られる「不器用な主人公」というのはとても魅力的だが、では「器用に振舞う」とはどのようなスタイルであろうか?
 
不器用でいることに疲れたのであれば、本書は役に立つだろう。オススメはしない。
 



 
■その他の専門分野へ
 
ここでは専門への誘導は行わない。
何を学ぶかは人それぞれというものだし、その辺りのブックガイドを読んで、面白そうな本を読めばいい。例えばアマゾンの書評ではフルボッコにされている『東大教師が新入生にすすめる本』とかね。で、もっとよさげなブックガイドを探すとかすればいいんじゃなかろうか。
 
偉い人が選ぶ本というのは、最前線にいるからこそ意味のあるモノを見出せるという点にメリットがある。それでも本になっている時点で少し古い情報になってしまっていたりする。問題は最新の情報に触れるルートの確立であったり、自分の好みを傾向として知ることだと思われる。
 
非常に多くの人はサラリーマンになるわけで、専門性に手を染める必要はないのが実情だと思う。もしくは、会社に入ってから教育を受けるなどして、自分の携わる事業を専門とするようになるハズだ。それなのに、コレを読め!みたいな話をしても役に立て辛いと思う。
 
考え方の中心に来るべきものは何か?というものは、誰かに教わらなくても自分自身でおのずと見つけられるし、また自分で見つけなければならない。絶対に必要なものならば必ず見つけることが出来る。見付からないのであれば、特に必要ではないのだということがその内に分かると思う。
 

*1:ラスボスからは逃げられない!

*2:特にないってのは、実はかなり困るんだけどw