魔法先生ネギま! 268時間目

 
さてと、短く短く。
 
●死の首輪法
ちょっと難しめなのはコレぐらいですよね。まず、アリカは難民と化した自国民を奴隷としてであっても「生き延びさせる道」を選び、奴隷公認法を自ら制定させたようですね。逆に言えば、非公認で奴隷になっていた人々も大勢いたと考えられ、その奴隷の扱いは非公認であるため酷い所では酷い扱いだったりしたんでしょう。
 
奴隷の首輪の機能は2つあって、一つが逃亡・脱走した時に爆発して奴隷本人を殺す機能。もう一つは奴隷が非人道的な扱いを受けないように監視する機能ですね。これらの要因・要素を繋げて考えるだけでも、奴隷として生きていく道を残すために必要なことをしたのであろうことが伺えます。
 
まぁ、現代日本に生きる読者にとっても、そもそも奴隷になること自体がありえないため、絶対に許せないことでしょうから、奴隷を公認する法律をアリカ姫が通したと知れば少なからず誤解するでしょうね。現実を直視せずに「そもそも奴隷にならないように努力すべきだ」とかなんかと言うのではないかと。そんなことをいったって国が滅亡した後では王族といってもアリカに残された権力など微々たるもの。既に奴隷として生きている状態の元国民らにとっては追い風になる法律だったのでしょう。
念のために書いておけば、この法律のお陰で亜子達はさほど酷い目にも遭わずに生き残ることが出来たわけです。奴隷と言う名のセーフティネットですからね。
 
爆弾に関しては、わざわざつける必要があるのか?という疑問もあるかと思いますが、奴隷というのは労働力であり、もっと言えば「資産」であることを保証する機能が大きいのではないかと。檻だとか塀で囲ってわざわざ自由を奪うという方法ではお金が掛かりますし、もしも奴隷に戦闘力があれば購入した主人を殺して逃げる危険もありますね。
これ、爆弾付きになっていると、独り暮らしでお金に余裕のあるお婆ちゃんが家事労働に奴隷を購入するようなシチュエーションが可能になるんですよね。だって奴隷を家で働かせるのって怖いでしょう? レイプされるかもしれないし、泥棒するかもしれないし、暴力を振るうかもしれないし、気が付けば逃げられているかもしれないし、いくらお願いしても働いてくれないかもしれないし…………その手の不安は尽きないのですからね。爆弾というお約束があれば、資産としての価値は高まるでしょう。奴隷にとっても(頑張って働かないといけないけれど)結果的に待遇が良くなるハズです。そして頑張って金を稼げば自由を回復することも可能ですしね。
 
…………こういう死の首輪法みたいな設定や見せ方っていうのは、逆説的というか、偽悪的というのか、作り手独特の美学というか、なので「わかるわかる」という感覚ですね(苦笑) 友人の考え方がこんな感じなんですよねぇ。ぐりっと引っくり返したがるというか。
 
 
●表情
前半部分は驚きの表情が多く、バリエーションに乏しくなっています。緊急事態ですから、まぁ似たような顔付きが多くても仕方がないかもしれません。
後半は成長したナギパーティやらの表情は影になって見えなくなっています。光と影の描写で、光が強調されていますね。
 
そもそも今回の過去編というのが、どこまでがクルト・ゲーデルによる(ネギ達が見ている実際の)映像で、どこまでが読者視点でオマケ的に見えている過去の描写なのかわかりませんが、クルトからはナギ達の真意が分からないという意味で、顔が影になっているというのは「意味のある描写」になっていて、次回は真意が明らかになり、表情がハッキリと描写されるわけですね。
 
後は、アリカの横顔がよさげでしたね。
 
 
●その他
正直、クルトが純真すぎるんですよね。これで単純な悪人として認識するのが難しくなったと思われ、作者的には狙い通りなのかな、とか。しかし、正しい選択をしている信頼感が無くなったこともあり(笑)、ちょっとズレた人というか。
このズレっぷりを正しく補強するには、MM元老院の脅威をより詳しく・正確に知っていることにするのがセオリーなんですけど、そういうバイアスの掛け方では今回出てきた情報機関がなんちゃらなヤツは雑魚臭がプンプン匂うのでちょっといただけませんねぇ。そもそもナギ達が戦闘力的に国家レベルを軽く超えているので、どうしても迫力が足りないんですよね。この辺りはナギ失踪時にガトウを倒したりアルビレオ・イマを休眠に追い込んだ強敵と絡めてこないと面白くならないでしょうね。(その敵がナギって可能性もあるんでちょっと保留せざるをえませんが)
 
それから王家の魔力関係が便利になってきましたね。ラストの展開がほのかに薫る品の良さ、たまりません。魔力消失現象の中ではフェイトも全力を発揮できないでしょう。しかしネギは…………だとか、グレートパル様号はそれでも飛び続けて、「何故?」みたいな展開とかですよね。この辺りも非常に楽しみです。
 
 
●後記
かならず潮目は変わるんです。待つことも大事ですしね。
次回は、もげろとかFUCKとか書くことになると思うので、今から楽しみです。では。