雑記(陽否陰述とラブコメの答えのないグダグダ)

 
 
●やはり俺の青春ラブコメはまちがっている(アニメ2期)
分かり難く、ぐじぐじとした展開ですな。
結論は陽否陰述なんだろうけども、心の問題と絡めて考えないと分かりにくいかもしれない。ただ少し問題なのは、私は答えを持っていないことだろう。
 
自分探しとペルソナの関係はさんざん書いて来たからもう大丈夫だろう。自己に形はない。外部の条件(いわゆる相手)が変化することで、自己も変化する。
 
現在のポスト構造主義では、構造主義の「次の段階」が模索されている。自分という球体の中心に本質があると考える構造論から脱却する過程で「もしかして、外側の殻が本体なんじゃね?」という考え方に至ったのだ。
「私は外殻である」「心は外側にある」「インターフェイス」「ペルソナ」といったもの・概念だ。物語の主題も自分の中心に本質がないこと、自己同一性(アイデンティティ)や存在意義(レゾンデートル)を問うものが多くなり、記憶喪失なんかがギミックとしてショッチュウ使われている。ワンパターンとも言う。
 
さて、俺ガイル(はまち)ではなんであんな風にグジグジとやっているのだろう。
ぶっちゃけないと話が始まらないな。あれは要するに「頭が良ければ理解できるかもしれない……」という罠だ(笑) 客観的に眺めれば、「要するに好きってことだろ?」という大雑把な理解で間に合ってしまう。しかもそんな間違ってもいない。しかし、彼らはその言葉を封印しているのだ。だから回りくどくグジグジとした展開になるしかなかった。
 
陽否陰述は本質をズバッといかない方法論だもの。なんでズバッといかないのか。そりゃ相手に踏み込むことを恐れているからだろう。誰だって無遠慮に踏み荒らされたらたまったものじゃない。
これを心の聖域とかナルシシズムの檻とか言ったりするのだけども、構造主義的な概念だろう。この考え方だと、相手の大切な本質は相手の中心にある!と思っていることになるからだ。
そして、本質をズバッといかなければ、心の線引きの外側をチョロチョロ舐めていることになってしまう。これがセックスと構図が近い。相手と溶け合うことが出来ないのだから、外側をチョロチョロするしかないとか色々あってな。
 
なんというか「隠している間は自分の本質があると思っておける」というのが近いだろう(苦笑)
 
 
でもそのペルソナでは大抵、通用しないんだよね。だから苦しむことになる。個人の形なんてペルソナ的に変化するものでしかない。なのに外側の形を維持することが「自分の本当」だと誤解している。だから、他者と摩擦を起こしてしまう。ちょうどいいペルソナを使えるかどうか?というのは環境との兼ね合いもあるだろうし、言ってしまえば運でしかないだろう。
 
ただ、場合によっては聖域を必死に護ってるぐらいの方がいいのかもしれない。それは私には答えられない問題だ。問題によっては答えが外部化する。巧く行くかどうかが環境条件で変わる場合、一概に正解はこれだ!とはいえなくなってしまう。だから、わからん。
心を線引きし、聖域を作ることで自己を形成するのだとしたら、聖域を暴くことで自他の区切りは弱まることがいえる。恋愛の過程では、相手の秘密を知ることで「ひとつになる」という意味合いを持たせることも可能かもしれない。しかし、「誰かを愛する」ということは、「それが他人でなければならない」ことを意味する。自他の区切りを曖昧にすることで、他者を愛するという経験が薄まることもいえるかもしれない。言い換えると、秘密を暴くのは家族のような空気みたいな存在になるって方向だからだ。
 
それに聖域を暴くことが利益になるかどうかは分からない。聖域を暴いた結果、パートナーが浮気しまくるセックス狂いとかになられても困るだろうし。
 
いや、私は構造主義じゃないので「そんな本質なんて無いぞ」って言いたいんだけどね(苦笑)
何が正しいのかはわからない。でもポストモダンの派閥でもないわけで。ただこの時代の思考から完全に脱却できるほど異常にも成れない。
外殻には意味がある。中心は仮想的に存在するからだ。外殻がなければ、中心は計算できなくなる。仮想に中心がある。
 
 
俺ガイルに話を戻せば、はちまんは一歩踏み込んで、「本物が欲しい」と言った。これは陽否陰述から一歩踏み込んだことになる。
恐らくは、はちまんが踏み込むのが怖いから、それを感じ取ったヒロイン2人も「踏み込めなくなった」はずだ。ペルソナ的な作用もあっただろうし、はちまんの主観が作用している可能性も高い。
 
 
ただ、ゲームとかアニメの場合、コンテンツとしてパッケージ化した段階で、主人公が行動することによって、ヒロインが攻略可能になるという前提が担保されているんだよね(苦笑)
リアルだとその「攻略可能性」が存在してない場合があって、何を選ぶべきか?といった「選択肢のレイヤー」ではどうにもならなかったりする。だから「攻略可能性がない」という前提を覆す展開をさせて行かなきゃならんのですよ。良い物語はその辺からも攻めていくので説得力があったりする。
 
こうした事が文脈として今の私にはあるけど、どうしたらいいのか?はもっていない。
相手によっても変わるんだろうけどねぇ。心理防壁をブチ破って聖域を踏み散らせば相手のためになるともいえないし、ATフィールドをに触らないようにすればいいのか、撫でてみればいいのか?とかは何とも言えないなー。
 
腕前が悪いと巧くいかないのであれば、人類はとっくに絶滅してると思うんだよね。イケメンと美少女だけが結婚してるわけでもないし、性格がいいからとか、腕がいいからとかの条件も絶対じゃない。もっともっと「誰でも巧く行く」ような仕組みなんだと思うよ。
 
 
という訳で、答えはありません。以上。